Webサイト制作会社のサービス内容を、プラン名や見積もりの総額だけで比較していませんか? 自社に合う依頼先を検討するには、制作会社が担当する作業、提出する成果物、自社で受け持つ範囲を同じ項目で確かめます。
この記事では、企画、デザイン、サイトの構築、公開後の支援にどのような違いがあるかについて取り上げます。自社の準備状況に応じた依頼範囲の決め方と、各社の回答を比較表に整理する手順もお伝えします。
この記事でわかること
- 制作会社のサービスを同じ条件で比較するための項目
- 自社の準備状況と公開後の使い方に合う依頼範囲
- テンプレートとオリジナルを選ぶための比較条件
- 各社の作業内容と成果物を整理する比較表の作成手順
- 公開後のサポートで生じる認識違いへの対処方法
- 原稿作成や更新を内製し専門作業を外注する分担
制作会社のサービスは作業範囲・成果物・担当で比較
「企画込み」「運用付き」という名称だけでは依頼できる内容が分からないので、担当者は作業範囲、成果物、自社と制作会社の担当をそろえて比較します。各社へ同じ項目を尋ね、その回答を表にまとめます。
この記事では、各社が引き受ける作業を「企画・戦略」「デザイン」「実装」「CMS構築」「公開後の支援」の5領域に整理します。同じ会社へ依頼する場合も、担当者はプランや個別の提案に応じて対象作業を確かめます。
制作前から公開後までの5領域
| 領域 | 制作会社に依頼する作業の例 | 確かめる成果物・対応内容 |
|---|
| 企画・戦略 | 目的、対象者、掲載情報、構成の整理 | 構成案と、その案を選んだ理由 |
| デザイン | 見た目、情報の配置、操作部分の設計 | 確認する画面と変更できる範囲 |
| 実装 | 画面やフォームなどの機能の構築 | 動作するページと確認する機能 |
| CMS構築 | 記事を管理・更新する仕組みの設定 | 自社で更新できる項目と操作説明 |
| 公開後の支援 | 維持管理、情報の更新、分析・改善 | 対応する作業、頻度、連絡窓口 |
実装では、制作会社がデザインや仕様をもとに、閲覧・操作できる状態へ仕上げます。CMSを導入する場合は、担当者が記事や画像などを管理・更新する仕組みと、自分が編集できる項目を確かめます。
「含まれる作業」と「企業が用意するもの」を対にする比較
たとえば「原稿作成込み」と提示された場合、担当者は聴き取り、文章の作成、修正のどこまで含むかを尋ねます。制作会社が文章を作成しても、企業側は製品情報や掲載内容の確認を担当するため、その範囲も比較表へ記入してください。
原稿や写真を自社で用意する提案と制作会社へ依頼する提案では準備内容が異なるので、担当者は費用の比較前に、この表で用意する人と不足する作業を確かめます。そのうえで必要な作業をそろえ、各社が引き受ける範囲を比較します。
自社の準備状況と公開後の使い方で依頼範囲を決定
担当者は、自社で決められる内容と公開後に続けられる作業を整理して、依頼範囲を決めます。掲載情報や構成が固まっている場合は実装中心の依頼を検討し、方向性の整理から支援を求める場合は、制作会社へ企画の作業内容と成果物を尋ねます。
掲載内容と構成を自社で決められる場合
経営者や担当者が、対象者、掲載する文章、写真、ページ構成を決められる場合は、デザインや実装を中心に依頼する方法があります。制作会社へ渡す情報が整っていれば、担当者は希望する表現や機能を具体的に相談できます。
仕様に沿った制作を依頼する担当者は、企業側が用意する文章と、表示や機能の確認を別々に整理します。原稿の支給範囲を決めたうえで、スマートフォンでの表示やフォームの動作を誰が確認するか、制作会社へ尋ねます。
目的や掲載情報の整理から支援を求める場合
誰に何を説明するかが未確定の場合は、聴き取りや構成案の作成を依頼範囲に含めます。担当者は「企画支援」という名称を、目的の整理、対象者の検討、掲載情報の選定などの作業へ分けて尋ねます。提案を受ける前提も明確です。
見込み客からの問い合わせを目指す企業は、制作会社へ情報の並べ方や問い合わせまでの経路について提案を求めます。採用向けの情報を充実させたい企業は、求職者に説明する内容を制作会社と検討します。この記事では、目的ごとの設計の詳細は扱いません。
企画を依頼する際も、企業側は事業情報を提供し、提案の採否や掲載内容を判断します。制作会社への回答をまとめるため、担当者は社内で内容を確認する人と、回答する窓口を分けて整理できます。
公開後に自社で更新する場合と支援を求める場合
お知らせや記事を自社で投稿する担当者は、CMSの設定と操作説明を比較します。「自社更新に対応」という説明を受けたら、担当者は文章の変更に加えて、画像や既存ページの編集まで対応するかを尋ねます。
更新作業の時間を確保しにくい担当者は掲載代行を検討し、分析や改善提案も求める場合は、更新代行とは別に対象作業を尋ねます。同じ企業でも担当者の有無や依頼する頻度は異なるので、企業側はその条件に合わせて支援範囲を選びます。
テンプレート・オリジナル・部分調整のサービス比較
デザインの制作方法は、掲載情報を収められるか、どこまで変更を求めるかで比較します。テンプレートかオリジナルかという名称から、品質や成果の優劣は決めません。担当者は、変更範囲と含まれる作業を同じ条件で確認します。
制作方法ごとの変更範囲
テンプレートを利用する制作会社は、あらかじめ用意されたひな形を使い、オリジナルで制作する会社は、企業の要望に合わせてデザインを設計します。担当者は、テンプレートの一部を調整する案も含めて比較できます。
| 比較項目 | テンプレートを利用 | オリジナルで設計 | テンプレートの一部を調整 |
|---|
| 完成イメージ | 使用するひな形を確認 | 提案されたデザイン案を確認 | ひな形と変更案を確認 |
| 情報の並べ方 | 必要な情報を収められるか確認 | 希望する構成が対象か確認 | 並べ替えや追加の対象を確認 |
| 見た目の変更 | 色、文字、写真などの変更範囲を確認 | 設計する画面と修正範囲を確認 | 変更する部分と維持する部分を確認 |
| 機能 | 希望する機能への対応を確認 | 設計と実装の対象を確認 | 追加機能が別途対応か確認 |
| 原稿・写真 | 支給か制作会社の用意か確認 | 同じ条件で担当を確認 | 同じ条件で担当を確認 |
| 公開後の更新 | 編集できる項目を確認 | 同じ条件で編集範囲を確認 | 調整部分も編集できるか確認 |
担当者は、オリジナルという名称に加えて、制作会社が個別に設計する画面や機能を確かめます。テンプレートを利用する場合も、原稿作成や企画支援を含むかは別の確認事項です。制作方法と依頼する作業を分けることで、担当者は各社のサービス範囲を比較できます。
掲載情報と社内の準備をそろえた比較例
以下は想定の例です。企業が事業紹介、会社概要、問い合わせの情報を掲載し、文章と写真を自社で用意できる条件で検討します。この場合は、候補のテンプレートに必要な情報を収められるかを先に確かめる方法があります。
担当者は、見た目の好みに加えて事業説明の順番や文章量を確認し、希望する情報を無理なく掲載できる場合は、ひな形を利用する案を検討できます。必要な内容を省くことになる場合は、担当者が制作会社へ変更案とその作業範囲を尋ねます。
同じ企業が主力事業の説明を詳しくし、事例を含む独自の構成を求める場合、担当者はオリジナル設計と部分調整の両方を比較できます。変更箇所を限定できるかを確かめたうえで、担当者は制作会社へ依頼するデザイン作業を決めます。
検索支援を制作方法とは別に確認
SEOは、検索エンジンが内容を理解し、利用者が検索から情報を見つけやすくするための取り組みです。Googleは「SEOスターターガイド」(2025年12月更新)で、検索順位を自動的に1位にする方法はないと説明しています。
検索支援を求める企業は、「SEO対応」を具体的な作業へ分けて確認します。担当者は、公開時に行う設定と、公開後の分析や記事制作を区別してください。オリジナル設計を選んだことを、検索成果の保証と受け取る説明は避けます。
サービス比較表を作るための確認手順
担当者は自社の希望を整理し、各社へ同じ条件を渡して、回答の違いを確かめます。回答がそろう前の評価を避けるため、不明な項目には「未確認」と記録し、追加の質問で含まれる作業と自社の担当を明らかにします。
工程1:社内で希望と支給物を整理
最初に、経営者や担当部署がサイトの目的と掲載したい情報を整理し、Web担当者が既存の文章や写真から使用するものを選びます。Web担当者は自社で準備できるものと不足するものを分け、原稿作成や撮影を依頼するか検討します。
社内では、経営者が方針を判断し、各部署が事実を確認し、担当者が回答をまとめる分担を検討できます。担当者は決定済みの内容と相談したい内容を区別し、目的や対象者が未確定の場合は、その整理を依頼したいと記入します。
工程2:同じ条件でサービス内容を尋ねる
担当者は同じ希望と支給物の一覧を各社へ渡し、企画、原稿、写真、デザイン、機能、更新、公開後の支援に含まれる範囲を尋ねます。比較の前提を変更した場合は、担当者が他の候補にも変更内容を知らせ、条件をそろえて回答を比較します。
ページ数や機能が未確定の場合、担当者は制作会社へ提案の前提を記載してもらいます。同じ名称の項目も作業内容まで確かめ、「問い合わせフォームあり」という回答には、設置と動作確認を含むか質問します。
工程3:成果物と担当を比較表へ記入
| 比較する作業 | 各社の回答を記入する項目 |
|---|
| 企画・構成 | 検討する内容、提出する案、企業側の判断 |
| 原稿・写真 | 作成・撮影の対象、企業側の支給物 |
| デザイン・実装 | 対象画面、機能、確認範囲 |
| CMS | 編集できる項目、操作説明の範囲 |
| 公開後の支援 | 対象作業、頻度、対応時間、窓口 |
| 追加対応 | 対象外の作業、追加依頼の進め方 |
担当者は各社の説明をこの項目へ整理し、「対応可能」と「提示された条件に含む」を区別して記入します。その表で依頼できる作業と今回の提案に含まれる作業を比較し、別途依頼する作業の条件も書き添えます。
工程4:不明点への回答を受けて比較
回答が曖昧な箇所について、担当者は「原稿の修正は含むか」「公開後の修正はどの範囲か」と質問し、制作会社の担当者が作業単位で具体的に説明できるかを確かめます。担当者は返答の速さだけから、制作中の対応を判断しません。
最後に、担当者は追加作業を含む条件、社内に残る作業、サービスの対象と対象外を確かめます。見積もりの細かな読み方は、この記事の範囲外です。担当者が各社の回答を文書でそろえた段階で、経営者や関係部署が依頼する内容を判断します。
サポート名の曖昧さと担当範囲の食い違いへの対処
公開後の支援は、維持管理、掲載情報の更新、分析・改善を分けて確認します。「保守込み」「運用支援付き」という説明でも、希望する作業が含まれるとは判断できません。担当者は作業の対象と連絡方法を確かめ、認識違いを修正します。
「保守」と「更新代行」を分ける確認
文章や写真の差し替えを依頼したい場合、保守契約だけでは対象か分かりません。担当者は、更新代行の有無、依頼できる量、追加依頼の扱いを尋ねます。すでに認識違いが生じている場合は、希望する作業を一覧にして対象を再確認します。
WordPress.orgは「Updating WordPress」(2018年10月公開、2024年9月更新)で、最新版への更新と更新前のバックアップを案内しています。保守を依頼する担当者は、CMSの技術的な更新と掲載する文章の更新を分け、実施担当と不具合時の対応範囲を確かめます。
レポート提出と改善作業を分ける確認
「アクセス解析付き」という提案には、数値の報告、改善案の作成、実際の修正のどこまで含むかを質問します。レポートを受け取っても修正担当が決まっていない場合は、企業側が実施するか、制作会社へ追加依頼するかを整理できます。
改善提案を依頼する場合、担当者は対象となる情報や打ち合わせの範囲も確かめます。広告運用や継続的な記事制作を求めるなら、サイトの制作・保守と分けて対象を尋ねてください。マーケティング施策の詳細には、この記事では踏み込みません。
緊急連絡の受付と作業開始を分ける確認
夜間や休日にも連絡したい企業は、受付時間と対応可能な時間を分けて尋ねます。「連絡できる」という説明だけでは、すぐに調査や復旧を始めるか分かりません。回答が曖昧な場合は、連絡後に誰が何をするかを文書で確認します。
担当者は公開後の修正を、制作時の不具合への対応と企業が新しく希望する変更に分け、依頼内容ごとの条件を確かめます。制作会社との判断が分かれた場合は、担当者が該当する画面や変更内容を示し、依頼方法と対応範囲を尋ねます。
制作と保守を別会社へ依頼する場合の担当整理
制作と保守を別会社へ依頼する担当者は、担当の食い違いへ対処できるよう、双方の窓口と作業範囲を整理し、原因が不明な不具合の連絡先も決めます。同じ会社へ一括で依頼する場合も、担当者は対象外の作業を尋ねます。
将来の変更に備える場合は、ドメインの登録者、サーバーの契約名義、管理権限、解約時の引き継ぎを確かめます。詳細な契約条件はこの記事の範囲外です。「所有権」の一語でまとめず、誰が管理し、何を引き継ぐかを整理します。
原稿・更新の内製と専門作業の外注を分担
企業側は内製と外注を作業ごとに検討し、原稿や日常の更新を自社で担当して、設計や実装を制作会社へ依頼する分担も選べます。担当者の知識、確保できる時間、確認する人の有無を踏まえ、企業側は依頼範囲を調整します。
企業側が情報の提供と確認を担当
企業側は製品やサービスの情報、使用する写真を用意し、掲載内容の事実確認を担当します。原稿作成を外注する場合も、担当者は営業や採用など内容に詳しい部署の確認担当を決め、その確認を受けて制作会社への回答をまとめます。
文章を社内で作成する担当者は、完成した文章を渡すのか資料を渡すのかを区別し、制作会社への支給範囲を決めます。文章の整理や表現の調整も依頼したい場合は、担当者が「原稿支給」と記載する前にその作業を明記し、制作会社と双方の担当を確認します。
日常の投稿と技術的な保守を分担
日常の投稿を内製する担当者はCMSで予定する更新を試し、記事の投稿、画面の変更、技術的な不具合への対応を分けて、自分が扱える範囲を確かめます。その結果をもとに、担当者は操作説明を受ける範囲と、自分で対応できない作業の相談先を整理します。
社内で作業する時間が限られる担当者は、更新代行や技術的な保守を制作会社へ依頼する方法を検討できます。担当者の異動に伴って公開時の分担を変更する場合もあるので、企業側は依頼前に、変更が生じた際の相談方法を確かめます。
見積もりと自社の作業時間を合わせた判断
担当者は外注する作業の条件と委託費を比較し、原稿や写真の用意、掲載内容の承認、更新作業のうち、自社が担当する範囲も確かめます。社内で準備する内容を含めて、担当者は各社の提案を検討できます。
企画から支援を求める担当者は、制作会社が提出する成果物と企業側が判断する内容を確かめます。実装中心の依頼では、自社から渡す仕様や素材を整理し、どちらの場合も各社のサービス範囲と自社の担当を照らし合わせて、担当が決まっていない作業を明らかにします。
まとめ
制作会社を比較する前に、担当者は「決まっている内容」「支援を求める作業」「公開後に社内で続ける作業」を分けて整理します。そのうえで、候補各社の回答から、対象外の作業と未確認の条件を確かめてください。サービス名から想像した内容を、具体的な作業へ変えるための確認です。
企業側は、掲載内容を自社で準備できるか、更新担当者の時間を確保できるかに応じて、依頼範囲を調整できます。担当者は比較表の空欄や「未確認」の項目から各社へ追加質問を送り、回答を受けて社内に残る作業も整理し、関係者と依頼内容を共有します。
この記事からわかるQ&A
企画だけを制作会社へ依頼し、制作は別の会社へ頼めますか?
担当者は、候補の制作会社が企画のみの依頼に対応するかを尋ね、対応する場合は企画と制作を分けて依頼する方法を検討できます。企画の成果物に何を含むかは、依頼前の確認事項です。担当者は、次の制作会社へ引き継ぐ資料、追加の説明を担当する人、制作中に企画を変更する際の相談先を確かめます。
テンプレートを使い、一部だけオリジナルにできますか?
担当者は候補の会社へ変更したい部分と対応可否を尋ね、提案ごとに「部分調整」の作業範囲を確かめます。写真や色の変更と情報の並べ方や機能の変更を分けて、担当者は変更後の完成イメージと自社で更新できる範囲を質問します。
更新代行を頼めば、技術的な保守も含まれますか?
更新代行の名称だけでは、技術的な保守を含むか判断できません。担当者は文章や写真の掲載とCMSなどの技術的な更新を分け、依頼先が技術面も担当するかを尋ねます。掲載代行のみを依頼する場合も、担当者は不具合が起きたときの相談先を決め、対象外の作業については別の窓口を確かめます。
「すべて対応可能」という会社なら、追加の確認は不要ですか?
「すべて対応可能」と説明を受けた担当者は、依頼できる作業と今回の提案や提示された費用に含まれる作業を分け、企画、撮影、原稿、実装、公開後の支援の成果物と担当を確かめます。別途依頼する項目があれば、担当者は追加の相談時期や条件も尋ね、各社を比較する前提をそろえます。
同じページ数なのに見積もりが違う場合、何を確かめますか?
原稿や写真の用意、企画支援、デザインする画面、機能、公開後の支援を確かめます。同じページ数でも、各社の提案に含まれる作業が同じとは判断できません。ページ数が一致していても、企業側が完成した文章を渡す案と、制作会社が文章を作成する案では担当範囲が異なります。金額差の理由を作業単位で尋ね、必要な内容をそろえて比較します。
引用・参考資料