Webサイト制作で失敗しないために:よくある失敗パターンと対策

この記事でわかること
- Webサイト制作でよくある5つの失敗パターン
- 各失敗が起きる原因
- 事前に防ぐための具体的な対策
- 失敗に気づいたときの対処法
- 失敗を防ぐためのチェックリスト
「せっかくWebサイトを作ったのに、何の効果も感じられない」「思っていたものと全然違うサイトができた」——こうした声は、残念ながら珍しくありません。
Webサイト制作の失敗は、多くの場合、制作を始める前の段階で原因が生まれています。失敗パターンを事前に知っておけば、同じ轍を踏まずに済みます。
この記事では、Webサイト制作でよくある失敗パターンを5つ取り上げ、それぞれの原因と対策を解説します。
よくある失敗パターン5選
失敗1:目的が曖昧なまま作ってしまった
どんな失敗か:
「とりあえずWebサイトが必要だから」「競合が持っているから」という理由で制作を始め、完成したものの、何に使えばいいかわからない。アクセスはあるが、問い合わせや売上にはつながらない。
よくある状況:
- 「かっこいいサイトを作りたい」というイメージだけで依頼した
- 「名刺代わりになればいい」と深く考えなかった
- 社内で目的が共有されておらず、関係者ごとに期待することが違った
なぜ起きるのか:
Webサイトを「作ること」が目的になってしまい、「作った後にどうするか」を考えていないことが原因です。目的が曖昧なまま制作を進めると、制作会社も何を作ればいいかわからず、当たり障りのないサイトになりがちです。
対策:
制作を始める前に、以下の問いに答えられるようにしておきます。
- Webサイトを通じて何を達成したいのか(問い合わせ増加、採用強化、認知向上など)
- 誰に見てほしいのか(顧客、求職者、取引先など)
- 訪問者にどんな行動を取ってほしいのか(問い合わせ、資料請求、購入など)
- 成功をどう測定するのか(問い合わせ数、PV数、応募数など)
失敗2:安さだけで制作会社を選んでしまった
どんな失敗か:
見積もりが最も安い会社に依頼したところ、完成したサイトのクオリティが低かった。修正を依頼しても対応してもらえず、結局別の会社に作り直しを依頼することになった。
よくある状況:
- 「安いに越したことはない」と価格だけで決めた
- 実績やポートフォリオを確認しなかった
- 見積もりに何が含まれているかを確認しなかった
なぜ起きるのか:
Webサイト制作の費用は、品質・サポート体制・作業範囲によって大きく異なります。安さには必ず理由があり、工数の削減、サポートの省略、外注への丸投げなどが行われている可能性があります。
対策:
価格だけでなく、以下の点を確認して総合的に判断します。
- 過去の制作実績(自社と近い業種・規模のサイトがあるか)
- 見積もりに含まれる作業範囲(何が別料金になるか)
- 修正対応の回数・期間
- 担当者とのコミュニケーションのしやすさ
- 公開後のサポート体制
「安すぎる見積もり」には警戒し、なぜその価格なのかを確認することをおすすめします。
失敗3:公開後の運用を考えていなかった
どんな失敗か:
Webサイトは完成したが、誰がどう更新するかを決めていなかった。結果、公開後に一度も更新されず、お知らせ欄は数年前の情報のまま放置されている。
よくある状況:
- 「作ったら勝手に効果が出る」と思っていた
- 運用担当者を決めていなかった
- 更新にかかる手間やコストを想定していなかった
なぜ起きるのか:
Webサイトは「作って終わり」ではなく、公開後の運用・更新が成果を左右します。しかし、制作に意識が向くあまり、運用のことを後回しにしてしまうケースが多くあります。
対策:
制作段階から、運用体制を計画しておきます。
- 誰が更新を担当するかを決める
- 更新頻度の目安を設定する(月1回、週1回など)
- 更新にどのくらいの時間・コストがかかるかを見積もる
- 運用マニュアルを制作会社に作成してもらう
- 必要に応じて運用サポート契約を検討する
失敗4:更新できない・しづらいサイトになった
どんな失敗か:
公開後に自分たちで更新しようとしたら、操作が複雑すぎて使いこなせない。ちょっとした修正でも制作会社に依頼が必要で、そのたびに費用がかかる。
よくある状況:
- CMS(更新システム)の使い方を教えてもらえなかった
- 操作マニュアルがない、または不十分
- そもそもCMSが導入されておらず、HTMLの知識がないと更新できない
なぜ起きるのか:
制作時に「自社で更新すること」を前提にした設計になっていないことが原因です。また、CMSを導入していても、操作方法の引き継ぎが不十分な場合、結局使いこなせません。
対策:
制作依頼時に、以下を確認・依頼します。
- 自社で更新が必要な箇所を明確にする(お知らせ、ブログ、実績など)
- CMSの導入を依頼する
- 操作マニュアルの作成を依頼する
- 操作説明の時間を設けてもらう
- 公開後一定期間の問い合わせ対応を契約に含める
失敗5:成果を測定できる設計になっていなかった
どんな失敗か:
Webサイトを公開したが、効果があるのかないのかがわからない。「何となくアクセスはあるらしい」という程度で、改善のしようがない。
よくある状況:
- アクセス解析ツールが設置されていない
- 目標(KPI)を設定していない
- データはあるが、何を見ればいいかわからない
なぜ起きるのか:
「成果を測定する」という発想がないまま制作を進めてしまうことが原因です。測定できなければ、良いのか悪いのか判断できず、改善もできません。
対策:
制作段階で、測定の仕組みを組み込みます。
- アクセス解析ツール(Googleアナリティクス等)の設置を依頼する
- 目標とする指標(KPI)を決める(問い合わせ数、PV数、滞在時間など)
- 問い合わせフォームの送信を「コンバージョン」として計測できるようにする
- 定期的にデータを確認する運用ルールを決める
失敗に気づいたときの対処法
すでにWebサイトを公開していて、「失敗したかも」と感じている場合の対処法を紹介します。
目的が曖昧だった場合
今からでも目的を明確にし、それに合わせてサイトを改修することは可能です。全面リニューアルではなく、部分的な改善から始める方法もあります。
できること:
- 現状のアクセスデータを分析し、課題を特定する
- 問い合わせフォームの改善、導線の見直しなど部分改修を行う
- コンテンツの追加・充実で目的に近づける
制作会社選びに失敗した場合
現在の制作会社との契約内容を確認し、状況を整理します。契約期間中であっても、別の会社への相談は可能です。
できること:
- 契約書を確認し、解約条件を把握する
- 現状の問題点を整理し、改善を依頼してみる
- 改善が見込めない場合は、別の制作会社に相談する
運用ができていない場合
運用体制を今から整えることで、状況は改善できます。外部に運用を委託する方法もあります。
できること:
- 社内で運用担当者を決める
- 最低限の更新(お知らせ、実績など)から始める
- 運用代行サービスの利用を検討する
更新しづらいサイトになっている場合
CMSの追加導入や、管理画面のカスタマイズで改善できる可能性があります。
できること:
- 現在の制作会社に改善を相談する
- CMSの追加導入を検討する
- 更新頻度の高い箇所だけでも使いやすくする
成果が測定できない場合
アクセス解析ツールの設置は、後からでも可能です。
できること:
- Googleアナリティクス等を設置する(無料で導入可能)
- サーチコンソールを設定し、検索からの流入を把握する
- コンバージョン(問い合わせ等)の計測を設定する
失敗を防ぐチェックリスト
Webサイト制作を始める前に、以下のチェックリストで準備状況を確認してください。
目的・戦略
- [ ] Webサイトを作る目的が明確になっている
- [ ] ターゲット(誰に見てほしいか)が定まっている
- [ ] 訪問者に期待する行動(問い合わせ、購入等)が決まっている
- [ ] 成功を測る指標(KPI)が設定されている
- [ ] 社内の関係者と目的を共有している
制作会社選び
- [ ] 複数社から見積もりを取っている
- [ ] 見積もりに含まれる作業範囲を確認している
- [ ] 過去の制作実績を確認している
- [ ] 修正対応の条件(回数、期間)を確認している
- [ ] 担当者とのコミュニケーションに問題がないか確認している
運用準備
- [ ] 公開後の運用担当者が決まっている
- [ ] 更新頻度の目安を設定している
- [ ] 運用にかかるコスト・時間を想定している
- [ ] 操作マニュアルの作成を依頼している
- [ ] 公開後のサポート体制を確認している
設計・機能
- [ ] 自社で更新が必要な箇所を明確にしている
- [ ] CMSの導入を検討している
- [ ] アクセス解析ツールの設置を依頼している
- [ ] スマートフォン対応を確認している
- [ ] セキュリティ対策について確認している
まとめ
Webサイト制作でよくある失敗パターンは、以下の5つです。
- 目的が曖昧なまま作ってしまった → 制作前に目的・ターゲット・期待する行動を明確にする
- 安さだけで制作会社を選んでしまった → 価格だけでなく、実績・サポート・作業範囲を総合的に判断する
- 公開後の運用を考えていなかった → 制作段階から運用体制を計画する
- 更新できない・しづらいサイトになった → CMS導入とマニュアル作成を依頼する
- 成果を測定できる設計になっていなかった → アクセス解析とKPI設定を組み込む
これらの失敗は、制作を始める前の準備不足が原因であることがほとんどです。事前にチェックリストで準備状況を確認し、失敗を未然に防ぎましょう。
すでに公開しているサイトで「失敗したかも」と感じている場合も、改善の余地はあります。現状を分析し、部分的な改修や運用体制の見直しから始めてみてください。
次の記事では、Webサイト制作に関する基本用語を解説します。制作会社との打ち合わせで困らないよう、押さえておきたい用語を整理します。
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。前職を含め地域企業を中心とした200社以上の経営者インタビュー映像を制作。現在は「左脳と右脳のハイブリッド」を掲げ、戦略設計から映像・Web・各種コンテンツ制作まで手がける。 これまで音楽家として楽曲提供、行政職員として12年間 制度運用・予算編成等に従事。その後、NPO法人、映像・マーケティング分野に転じ、現在に至る。現在は大学非常勤講師として映像編集ソフトの操作指導も行う。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表 纐纈がこれまで200社以上の経営者インタビュー映像を制作してきたノウハウとインタビュースキルを軸として、BtoBマーケティング視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた、各種クリエイティブをご提案・制作します。

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