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2026.06.11

求職者が本当に見たいTikTokコンテンツ:採用動画で応募につなげるための設計

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求職者が本当に見たいTikTokコンテンツ:採用動画で応募につなげるための設計

この記事でわかること

  • 求職者が採用動画に求める情報の優先順位
  • 応募を促す動画と、志望度を下げてしまう動画の違い
  • Z世代とミレニアル世代で異なる企業選びの視点
  • 応募につながるTikTokコンテンツの具体的な設計方法

TikTokで採用動画を発信しようとするとき、多くの採用担当者が直面する問いがあります。「何を発信すれば求職者に響くのか」という問題です。

企業側が伝えたいことと、求職者が知りたいことには、往々にしてズレがあります。moovyが実施した「採用動画トレンド調査2025」によると、採用動画を視聴しても応募に至らなかった理由として、「自分向けでないと感じた」が35.7%、「信用しきれない・盛っている印象」が29.0%、「判断材料が足りない」が28.1%という結果が出ています。

この記事では、調査データをもとに、求職者が本当に見たいコンテンツとは何か、そして応募につなげるための動画設計のポイントを整理します。


求職者が最も知りたい情報とは何か?

「1日の流れ」と「職場の雰囲気」が圧倒的な関心事

採用動画で求職者が見たいコンテンツについて、複数の調査が一致した結果を示しています。moovyの調査(2025年)では、「1日の流れ」が61.9%で最も高く、次いで「職場の雰囲気」「入社理由」といった等身大の働く日常に関する情報が上位を占めました。

トガルの調査(2024年1月、n=101)でも、「働いている風景」が30.2〜31.1%で上位に入っています。これらのデータから、求職者が求めているのは企業の「すごさ」や「立派さ」よりも、「実際にそこで働く自分の姿がイメージできるかどうか」という点だとわかります。

なぜ「1日の流れ」が求められるのか

VIDWEBが実施した2024年の調査によると、就職後の不安として「人間関係」が最も多く挙げられています。続いて「ワークライフバランス」「メンタルヘルス」という結果でした。

求職者にとって、採用動画は「この会社で自分はうまくやっていけるのか」を判断するための材料となっています。求人票に書かれた条件や待遇だけでは、職場の人間関係や実際の働き方は見えません。1日の流れを見せる動画は、出社から退社までの時間の使い方、同僚との関わり方、休憩の取り方など、テキストでは伝わりにくい「日常のリアル」を可視化できるため、高い関心を集めています。


応募を遠ざける動画の特徴とは?

「盛っている印象」が最大のマイナス要因

求職者の目は想像以上に肥えています。YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームに日常的に触れている世代は、台本や編集で作り込まれたコンテンツをすぐに見破る力を持っています。

採用動画においても、「信用しきれない・盛っている印象」は応募をためらう大きな要因です。moovyの調査では29.0%がこれを理由に挙げており、「判断材料が足りない」(28.1%)と並んで上位に入っています。

志望度を下げる演出とは

同調査によると、以下のような特徴を持つ動画は「志望度が下がる」という回答が一定数見られました。

  • コメディ色が強すぎる演出
  • AIアバターや合成音声の使用
  • 過度に作り込まれた映像

ただし、これらについては「どちらでもない」という回答も約半数を占めており、演出そのものが問題というよりも、「動画の内容が自分の判断材料になるかどうか」が本質的な判断基準であることがうかがえます。

求職者が求めるのは「完璧さ」より「自然体」

成功している採用チャンネルに共通するのは、完璧さを追求するのではなく、「ありのままの姿」を見せている点です。働く人の個性やユニークさが伝わる「不格好だけど自然体」な動画が、結果として志望度を高め、採用後のミスマッチ防止にもつながっています。


採用動画に求められるトーン設計

「親近感」と「真面目さ」を土台にする

moovyの調査では、採用動画のトーン設計において、まず「親近感」と「真面目さ」を土台とし、そのうえで自社のカルチャーに沿った演出を加えることで、広い層に受け入れられやすくなるとしています。

TikTokというプラットフォームの特性上、エンタメ性やユーモアを取り入れたくなりますが、採用動画においてはまず「この会社は信頼できそうだ」「真剣に採用に向き合っている」という印象を与えることが優先されます。

年代・キャリア段階に合わせた複数本の制作

同調査では、「採用動画は1本ですべての求職者をカバーするものではない」という指摘もなされています。年代やキャリア段階に合わせて複数の動画を用意し、求職者が「自分に近い誰か」を見つけられるように設計することが効果的です。

新卒向けには若手社員の1日を、中途採用向けには同世代の転職者のインタビューを用意するなど、ターゲットごとにコンテンツを分けることで、「自分向けでない」と感じさせるリスクを減らせます。


Z世代とミレニアル世代で異なる企業選びの視点

Z世代の特徴:現実主義と成長志向

Z世代(1990年代後半〜2010年代前半生まれ)は、就職活動において以下のような特徴を持っています。

ベンマークの調査(2024年)によると、Z世代が就職先を決める際に最も重視するのは「スキルアップや成長の機会が多く市場価値を高められるか」(15.5%)でした。次いで「給与・待遇が良いか」(13.4%)、「職場の雰囲気・社風・コミュニケーションが良いか」(8.1%)と続きます。

注目すべきは、福利厚生やワークライフバランス、企業の知名度といった項目が相対的に低い割合にとどまっている点です。Z世代は「どこで働くか」よりも「何を得られるか」を重視する傾向があります。

また、「僕と私と株式会社」の調査では、Z世代にとって給料は非常に優先度の低い項目となっており、「誰と・どのような環境で・どんな仕事を担うのか」という点を重視していることがわかっています。

ミレニアル世代の特徴:体験重視と社会貢献

ミレニアル世代(1981年〜1990年代半ば生まれ)は、Z世代とは異なる価値観を持っています。

ミレニアル世代が購買行動をとる際は「物より体験」を重視するのに対し、Z世代は「実用性やコストパフォーマンス」を重視するといわれています。また、ミレニアル世代に理想主義的な傾向があるのに対し、Z世代は現実主義的です。

ミレニアル世代は、社会問題への関心が強く、ボランティアや企業のCSR活動に参加したり、社会貢献性を企業選びの指標にしたりする傾向があります。採用動画においても、企業の社会的な意義や、仕事を通じた「特別な体験」を訴求することが効果的です。

世代別コンテンツ設計のポイント

世代重視するポイント効果的なコンテンツ例
Z世代スキルアップ、成長機会、市場価値若手社員のキャリアアップ事例、研修制度の紹介
Z世代職場の雰囲気、人間関係社員同士の自然な会話、チームの雰囲気
ミレニアル世代体験、社会的意義事業の社会的インパクト、やりがいのエピソード
ミレニアル世代ワークライフバランス柔軟な働き方の紹介、休暇の取得事例

応募につなげるTikTokコンテンツの設計

「見極めツール」としての採用動画

moovyの調査によると、就職・転職活動者の8割が採用動画を視聴しており、特に「比較検討段階」(58.0%)と「応募段階」(49.3%)での視聴希望が高まっています。

採用動画は、企業の魅力を一方的に伝えるツールではなく、求職者が応募や内定承諾を判断するための「見極めツール」として機能しています。この認識のもとでコンテンツを設計することが重要です。

TikTokで制作すべきコンテンツ5選

調査データをもとに、TikTok採用で効果が期待できるコンテンツを整理します。

1. 社員の1日密着動画
最も関心の高いコンテンツです。出社から退社までの流れを追いながら、仕事の様子や休憩時間の過ごし方、同僚との会話などを自然に映します。

2. 職場の雰囲気がわかるオフィス紹介
オフィスの様子、デスク周りの風景、会議室やリフレッシュスペースなど、実際に働く環境を見せることで、求職者が働くイメージを持ちやすくなります。

3. 若手社員のリアルな声
入社理由、入社後のギャップ、仕事のやりがいなど、等身大の言葉で語ってもらいます。台本を読み上げるのではなく、自然な会話形式が効果的です。

4. 聞きづらい質問への回答
給与、残業、有給取得率など、面接では聞きにくい情報をオープンに発信することで、信頼感を高められます。

5. チームや部署の紹介
どんな人と一緒に働くのかがわかるコンテンツ。座談会形式や、部署ごとの特徴紹介などが効果的です。

避けるべきコンテンツの特徴

  • 企業側の自慢話に終始する内容
  • 過度に作り込まれた演出
  • 抽象的なメッセージだけの動画
  • 情報量が少なく判断材料にならない内容

まとめ

TikTok採用で成果を出すためには、企業が伝えたいことではなく、求職者が知りたいことを起点にコンテンツを設計する必要があります。

求職者が最も見たいのは「1日の流れ」や「職場の雰囲気」といった、働く自分の姿をイメージできる情報です。一方で、「盛っている印象」や「自分向けでない」と感じさせる動画は、応募を遠ざけてしまいます。

Z世代は成長機会や市場価値を重視し、ミレニアル世代は体験や社会的意義を重視するなど、世代によって企業選びの視点も異なります。ターゲットに合わせて複数のコンテンツを用意し、「自分に近い誰か」を見つけられるように設計することが、応募につながるTikTok運用のポイントといえるでしょう。

この記事からわかるQ&A

求職者が採用動画で最も見たいコンテンツは何ですか?

moovyの調査(2025年)によると、「1日の流れ」が61.9%で最も高い関心を集めています。次いで「職場の雰囲気」「入社理由」といった、等身大の働く日常に関する情報が上位を占めています。

採用動画を見ても応募しなかった理由として多いのは何ですか?

「自分向けでないと感じた」が35.7%、「信用しきれない・盛っている印象」が29.0%、「判断材料が足りない」が28.1%という結果が出ています。

Z世代が就職先を選ぶ際に最も重視することは何ですか?

ベンマークの調査(2024年)では、「スキルアップや成長の機会が多く市場価値を高められるか」が15.5%で最も高い割合を示しています。給料よりも「何を得られるか」を重視する傾向があります。

Z世代とミレニアル世代の企業選びの違いは何ですか?

Z世代は現実主義的で、成長機会や市場価値の向上を重視します。一方、ミレニアル世代は理想主義的な傾向があり、「物より体験」を重視し、社会貢献性を企業選びの指標にすることが多いとされています。

採用動画のトーン設計で重要なポイントは何ですか?

まず「親近感」と「真面目さ」を土台とし、そのうえで自社のカルチャーに沿った演出を加えることが効果的とされています。エンタメ性よりも、信頼感を与えることが優先されます。

引用・参考資料

  • moovy「採用動画トレンド調査2025」(2025年12月)
  • ベンマーク「Z世代就職意識調査」(2024年)
  • VIDWEB「就活生の動画視聴に関する調査」(2024年9月、n=110)
  • トガル「採用動画に関する調査」(2024年1月、n=101)
  • 内閣府「平成30年版 子供・若者白書 就労等に関する若者の意識」
  • 電通「就活生の情報収集に関する調査」(2024年、n=818)
  • No Company「Z世代の就職活動に関する調査」(2023-2024年)

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

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