Webサイトの種類と特徴:コーポレート・LP・EC・採用サイトの違い

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この記事でわかること

  • Webサイトの主な種類(6タイプ)とそれぞれの役割
  • 各サイトの目的・特徴・向いている企業
  • 種類別の費用感の違い
  • 自社に必要なサイトを判断するための考え方
  • 複数サイトを組み合わせるパターン

「Webサイトを作りたい」と考えたとき、まず直面するのが「どんなサイトを作るべきか」という問題です。

Webサイトには、コーポレートサイト、ランディングページ、ECサイトなど、さまざまな種類があります。それぞれ目的が異なり、費用感も大きく変わります。目的に合わないサイトを作ってしまうと、期待した効果が得られないまま費用だけがかかる結果になりかねません。

この記事では、Webサイトの主な種類と特徴を整理し、自社に必要なサイトを判断するための考え方を解説します。


Webサイトの主な種類

企業が運営するWebサイトは、大きく6つの種類に分けられます。

種類主な目的特徴
コーポレートサイト企業情報の発信・信頼構築会社の「顔」となる基本サイト
ランディングページ(LP)特定商品・サービスの訴求1ページで完結、成約重視
ECサイト商品のオンライン販売決済・在庫管理機能が必要
採用サイト求職者への情報発信・応募獲得社風や働き方を伝える
オウンドメディア情報発信・集客記事コンテンツ中心
サービスサイト特定サービスの紹介・集客サービス訴求に特化

それぞれの特徴を詳しく見ていきます。


各サイトの目的と特徴

コーポレートサイト(企業サイト)

目的: 企業情報の発信、信頼性の構築、ステークホルダーとのコミュニケーション

コーポレートサイトは、企業の「顔」となる基本的なWebサイトです。会社概要、事業内容、代表メッセージ、沿革、アクセス情報など、企業に関する基本情報を掲載します。

主なコンテンツ:

  • 会社概要(所在地、設立年、資本金、従業員数など)
  • 事業内容・サービス紹介
  • 代表メッセージ・経営理念
  • 沿革・実績
  • お知らせ・ニュースリリース
  • お問い合わせフォーム

向いている企業:

  • BtoB取引が中心の企業(取引先からの信頼獲得が重要)
  • 新規取引先の開拓を目指す企業
  • 株主・投資家・メディアなど多様なステークホルダーを持つ企業

コーポレートサイトは、ほとんどの企業にとって「持っておくべき基本」といえます。取引先や求職者が最初に確認するのがこのサイトであり、存在しないこと自体がマイナス評価につながる可能性があります。


ランディングページ(LP)

目的: 特定の商品・サービスの訴求、資料請求や問い合わせなどの成約(コンバージョン)獲得

ランディングページは、1ページで完結する縦長のWebページです。特定の商品やサービスに焦点を絞り、訪問者を「資料請求」「問い合わせ」「購入」などの行動に導くことを目的としています。

主な特徴:

  • 1ページ構成(他ページへの遷移を最小限に)
  • 訴求力の高いデザイン・コピーライティング
  • 明確なCTA(Call To Action:行動喚起)ボタン
  • Web広告との組み合わせで運用されることが多い

向いている企業:

  • 特定商品・サービスのプロモーションを強化したい企業
  • Web広告(リスティング広告、SNS広告など)を出稿する企業
  • 期間限定のキャンペーンを実施する企業

ランディングページは単体で機能することもありますが、多くの場合はコーポレートサイトと併用します。広告からの流入を受け止め、成約につなげる役割を担います。


ECサイト(ネットショップ)

目的: 商品のオンライン販売

ECサイトは、インターネット上で商品を販売するためのWebサイトです。商品の閲覧から注文、決済までをオンラインで完結できる仕組みが必要です。

主な機能:

  • 商品一覧・検索
  • カート機能
  • 決済機能(クレジットカード、銀行振込、コンビニ払いなど)
  • 会員登録・ログイン
  • 注文履歴・配送状況確認
  • 在庫管理との連携

構築方法の選択肢:
ECサイトの構築方法は大きく3つに分かれます。

構築方法概要初期費用の目安
モール型楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどに出店無料〜数万円
ASP型Shopify、BASEなどのサービスを利用無料〜数十万円
独自開発自社専用のECシステムを構築数百万円〜

向いている企業:

  • 物販を行っている企業
  • 全国・海外への販路を広げたい企業
  • 実店舗に加えてオンライン販売チャネルを持ちたい企業

モール型は初期費用を抑えられますが、販売手数料がかかり、顧客データの活用に制限があります。独自開発は自由度が高い反面、費用と運用負荷が大きくなります。事業規模や成長計画に応じた選択が求められます。


採用サイト

目的: 求職者への情報発信、応募獲得

採用サイトは、求職者に向けて企業の魅力や働く環境を伝え、応募を促すためのWebサイトです。求人媒体では伝えきれない情報を発信できる点が強みです。

主なコンテンツ:

  • 募集職種・仕事内容
  • 社員インタビュー
  • 1日の仕事の流れ
  • オフィス環境・福利厚生
  • 研修・キャリアパス
  • 代表メッセージ(採用向け)
  • 応募フォーム

向いている企業:

  • 採用を強化したい企業
  • 求人媒体への依存度を下げたい企業
  • 企業文化や価値観への共感を重視する採用を行いたい企業

採用サイトは、コーポレートサイト内に「採用情報」として組み込むパターンと、独立したサイトとして構築するパターンがあります。採用の重要度や予算に応じて選択します。


オウンドメディア

目的: 情報発信を通じた集客、見込み顧客の育成、ブランディング

オウンドメディアは、自社で所有・運営する情報発信型のWebサイトです。ブログ記事やコラム、ノウハウ記事などのコンテンツを定期的に発信し、検索エンジンやSNS経由での集客を目指します。

主な特徴:

  • 記事コンテンツが中心
  • SEO(検索エンジン最適化)を意識した設計
  • 継続的な更新が必要
  • 効果が出るまでに時間がかかる(半年〜1年以上)

向いている企業:

  • 長期的な視点で集客基盤を構築したい企業
  • 専門性や知見をアピールしたい企業
  • 広告費を抑えながら継続的にリードを獲得したい企業

オウンドメディアは「作って終わり」ではなく、継続的なコンテンツ制作が必要です。社内リソースの確保や、外部ライターへの依頼体制など、運用面の計画が重要になります。


サービスサイト(プロダクトサイト)

目的: 特定のサービス・製品の紹介、問い合わせ獲得

サービスサイトは、特定のサービスや製品に特化したWebサイトです。コーポレートサイトとは別に、サービスごとに独立したサイトを構築するケースで用いられます。

主なコンテンツ:

  • サービス・製品の詳細説明
  • 導入事例・お客様の声
  • 料金プラン
  • よくある質問(FAQ)
  • 資料請求・問い合わせフォーム
  • 導入までの流れ

向いている企業:

  • 複数の事業・サービスを展開している企業
  • BtoB向けサービスを提供している企業
  • サービスごとにターゲット層が異なる企業

コーポレートサイトでは企業全体の情報を扱うのに対し、サービスサイトは特定サービスの訴求に集中できます。SEOの観点からも、サービス名での検索に対応しやすくなります。


種類別の費用感

Webサイトの制作費用は、種類によって大きく異なります。以下は、制作会社に依頼した場合の一般的な費用帯です。

種類費用帯(目安)費用に影響する主な要素
コーポレートサイト30万〜300万円ページ数、デザインの作り込み、CMS導入
ランディングページ10万〜50万円デザイン品質、原稿作成の有無
ECサイト50万〜500万円以上構築方法、商品点数、決済・在庫連携
採用サイト30万〜200万円コンテンツ量、撮影・取材の有無
オウンドメディア30万〜200万円初期構築費用+継続的な記事制作費
サービスサイト30万〜200万円ページ数、機能、デザインの作り込み

費用に大きく影響する要素:

  • ページ数:ページが増えるほど費用は上がる
  • デザイン:テンプレート利用か、オリジナルデザインか
  • 機能:問い合わせフォーム、検索機能、会員機能など
  • コンテンツ制作:原稿作成、写真撮影、動画制作を依頼するか
  • CMS(更新システム):自社で更新できる仕組みを導入するか

同じ「コーポレートサイト」でも、5ページ程度のシンプルなサイトと、50ページ以上の大規模サイトでは費用が大きく異なります。見積もりを取る際は、具体的な要件を伝えることが重要です。


自社に必要なサイトの判断基準

「どのサイトを作るべきか」は、自社の課題や目的から逆算して考えます。

目的別の選び方

目的適したサイト
会社の信頼性を高めたいコーポレートサイト
特定商品・サービスの売上を伸ばしたいランディングページ、サービスサイト
オンラインで商品を販売したいECサイト
採用を強化したい採用サイト
長期的に集客基盤を構築したいオウンドメディア

まずはコーポレートサイトから

Webサイトを初めて作る場合、まずはコーポレートサイトの構築をおすすめします。理由は以下の通りです。

1. 信頼性の基盤となる
取引先や求職者が「この会社はどんな会社だろう」と思ったとき、最初に確認するのがコーポレートサイトです。基盤がないまま他のサイトを作っても、信頼性の面で不利になります。

2. 他のサイトへの導線になる
採用サイトやサービスサイトを作る場合でも、「運営会社」としてコーポレートサイトへのリンクを設置することが一般的です。

3. 汎用性が高い
営業活動、採用活動、広報活動など、さまざまな場面で活用できます。

段階的に拡張する考え方

最初からすべてを揃える必要はありません。事業の成長や課題の変化に応じて、段階的にサイトを追加・拡張していく方法が現実的です。

例:製造業の場合

  1. まずコーポレートサイトを構築
  2. 採用難が課題になったら採用サイトを追加
  3. 新製品の販売強化にあわせてサービスサイトを追加

例:小売業の場合

  1. まずコーポレートサイトを構築
  2. オンライン販売を始めるためECサイトを追加
  3. 商品認知拡大のためオウンドメディアを追加

複数サイトの組み合わせパターン

企業規模が大きくなると、複数のWebサイトを運営するケースが増えます。よくある組み合わせパターンを紹介します。

パターン1:コーポレートサイト+採用サイト

最も一般的な組み合わせです。コーポレートサイトで企業情報を発信しつつ、採用に特化したサイトを別途構築します。

メリット:

  • 求職者向けのメッセージに集中できる
  • 採用サイトのデザインを求職者向けに最適化できる
  • コーポレートサイトとは異なるトーンで訴求できる

パターン2:コーポレートサイト+ECサイト

製造業や小売業で多いパターンです。企業情報はコーポレートサイトで、商品販売はECサイトで行います。

メリット:

  • ECサイトを購入体験に特化した設計にできる
  • 企業としての信頼性とショップとしての使いやすさを両立できる

パターン3:コーポレートサイト+サービスサイト(複数)

複数の事業やサービスを展開する企業で多いパターンです。サービスごとに独立したサイトを構築し、コーポレートサイトは企業全体の情報を担います。

メリット:

  • サービスごとにターゲットを絞った訴求ができる
  • 各サービスのSEO対策を独立して行える

組み合わせる際の注意点

複数サイトを運営する場合、以下の点に注意が必要です。

  • 一貫性の確保:デザインやメッセージに統一感を持たせる
  • 運用負荷:サイトが増えるほど更新・管理の手間が増える
  • 相互リンク:各サイト間の導線を適切に設計する

まとめ

Webサイトには、コーポレートサイト、ランディングページ、ECサイト、採用サイト、オウンドメディア、サービスサイトなど、さまざまな種類があります。それぞれ目的が異なり、費用感も大きく変わります。

自社に必要なサイトを判断するには、「何を達成したいのか」という目的から逆算することが重要です。信頼性の構築が目的ならコーポレートサイト、採用強化なら採用サイト、オンライン販売ならECサイトというように、目的に応じて選択します。

Webサイトを初めて作る場合は、まずコーポレートサイトから始め、事業の成長や課題の変化に応じて段階的に拡張していく方法がおすすめです。

次の記事では、Webサイト制作の費用相場について詳しく解説します。価格帯別の違いや、見積もりを見る際のポイントを整理します。

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。前職を含め地域企業を中心とした200社以上の経営者インタビュー映像を制作。現在は「左脳と右脳のハイブリッド」を掲げ、戦略設計から映像・Web・各種コンテンツ制作まで手がける。 これまで音楽家として楽曲提供、行政職員として12年間 制度運用・予算編成等に従事。その後、NPO法人、映像・マーケティング分野に転じ、現在に至る。現在は大学非常勤講師として映像編集ソフトの操作指導も行う。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
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