Webサイト制作会社の選び方:失敗しない5つのチェックポイント

この記事でわかること
- 制作会社の種類(規模別・専門性別)と、それぞれの特徴
- 制作会社を選ぶ際に確認すべき5つのチェックポイント
- 提案・見積もりを依頼する際の準備と進め方
- 複数社を比較検討するときの評価方法
- 契約前に確認すべき注意点とトラブル回避のポイント
「Webサイトを制作したいが、どの会社に依頼すればいいかわからない」——こうした悩みを抱える担当者は少なくありません。
国内には約17,000社のWeb制作会社が存在するとされており、フリーランスを含めればさらに多くの選択肢があります。参入障壁が低い業界のため、得意分野やアウトプットの質には大きな差があり、自社に合った制作会社を見極めることは容易ではありません。
この記事では、制作会社選びで失敗しないための5つのチェックポイントを中心に、見積もり依頼の方法から比較検討の進め方、契約時の注意点まで、担当者が押さえておくべき選定基準を解説します。
Web制作会社にはどのような種類があるのか?
制作会社を選ぶ前に、まずは制作会社の種類を理解しておく必要があります。規模や得意分野によって、対応力や費用感、コミュニケーションのスタイルが異なるためです。
規模による分類:大手・中小・フリーランスの違いは?
制作会社は、大きく「大手制作会社」「中小制作会社」「フリーランス」の3つに分類できます。
大手制作会社(従業員100名以上) は、各分野に精通した専門スタッフが在籍しており、組織としての信頼感や対応力に優れています。大規模なプロジェクトや、デザイン・システム・マーケティングを一貫して任せたい場合に適していますが、費用は中小規模の会社と比較して高めになる傾向があります。
中小制作会社(従業員数名〜数十名) は、柔軟な対応が可能で、担当者との距離が近いことが特徴です。10〜30名規模の会社が多く、チームで対応するため品質も担保されやすい傾向にあります。数十ページ規模のサイトであれば十分に対応可能ですが、数百ページを超える大規模サイトは対応が難しい場合もあります。
フリーランス は、費用を抑えやすく、窓口と制作者が同一人物のためコミュニケーションがシンプルです。一方で、スキルや実績に個人差が大きく、納期遅延や連絡途絶のリスクもゼロとは言えません。小規模なサイトや、信頼できる個人とすでにつながりがある場合に検討するとよいかもしれません。
専門性による分類:特化型と総合型の違いは?
制作会社は、得意分野によっても分類できます。自社の目的に合った専門性を持つ会社を選ぶことが、成果につながるサイト制作の第一歩です。
| 種類 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| デザイン特化型 | トレンドを取り入れた洗練されたデザイン、UI/UX設計、アニメーション表現などに強み | ブランドイメージを重視したサイトを作りたい場合 |
| マーケティング・SEO特化型 | 集客力に特化。SEO対策、広告運用、コンテンツマーケティングに強み | Webサイトからの問い合わせや売上を増やしたい場合 |
| システム開発特化型 | チャット機能、動的フォーム、会員システムなど高度な機能実装に強み | 独自の機能を持つサイトを作りたい場合 |
| 業界特化型 | 特定業界(医療、不動産、士業など)の知見や法規制への理解がある | 専門的な業界ルールへの対応が必要な場合 |
| 総合型 | デザインからシステムまで幅広く対応可能 | ワンストップで任せたい場合 |
自社が何を実現したいのか——集客なのか、ブランディングなのか、業務効率化なのか——を明確にした上で、その目的に強みを持つ会社を選ぶことが重要です。
制作会社を選ぶ際の5つのチェックポイントとは?
ここからは、制作会社を評価する際に確認すべき5つのポイントを解説します。
チェックポイント1:実績・ポートフォリオで何を確認すべきか?
制作会社の実力を判断する最も確実な方法は、過去の制作実績を確認することです。
確認すべきポイント:
- 自社と同じ業界・目的に近い実績があるか: 同業種のサイトを手がけた経験があれば、業界特有のニーズや慣習を理解している可能性が高まります。
- 制作実績の質が安定しているか: ポートフォリオ全体を見渡し、特定のサイトだけが突出しているのではなく、全体的に安定した品質を維持しているかを確認します。
- 実際にサイトを触って使いやすさを確認: デザインの見た目だけでなく、ユーザーとして操作してみて、使いやすさ(UI/UX)を体感することも大切です。
- 現在も正常に動作しているか: 制作後に放置されていないか、表示崩れや動作不良がないかも確認しましょう。
- スマートフォン対応、表示速度: モバイル対応が適切か、ページの読み込み速度に問題がないかもチェックポイントです。
ポートフォリオが充実していない会社や、実績の詳細を開示できない会社には注意が必要です。
チェックポイント2:対応範囲はどこまで確認すればよいか?
「Webサイト制作」と一口に言っても、実際の作業範囲は会社によって大きく異なります。見積もりを取る前に、どこまで対応してもらえるのかを明確にしておくことが重要です。
確認すべき対応範囲:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企画・戦略立案 | サイトの目的設定、競合調査、コンセプト設計 |
| デザイン | ワイヤーフレーム作成、ビジュアルデザイン、UI設計 |
| コーディング | HTML/CSS/JavaScriptの実装 |
| システム開発 | CMS導入、フォーム構築、独自機能の実装 |
| コンテンツ制作 | ライティング、撮影、取材 |
| SEO対策 | 内部施策、キーワード設計 |
| 運用・保守 | 公開後の更新、バグ対応、セキュリティ対策 |
「デザインは含まれるがコーディングは別途」といった曖昧な状態で契約すると、後から追加費用が発生するトラブルにつながります。できること・できないことを明確に伝えてくれる会社は、信頼性が高いと言えます。
チェックポイント3:コミュニケーション力はどう見極めるか?
制作期間中は、担当者と頻繁にやり取りを行うことになります。コミュニケーションの質は、完成するサイトの品質に直結するため、初回の打ち合わせで以下の点を確認しておきましょう。
確認すべきポイント:
- 要望を正確に理解しているか: こちらの説明に対して、的確な質問や確認が返ってくるかを見ます。
- 専門用語をわかりやすく説明できるか: Web制作に詳しくない担当者にも、平易な言葉で説明してくれるかどうかは重要です。
- レスポンスの早さ: 問い合わせへの返信が24時間以内にあるかどうかは、プロジェクト進行時のスムーズさを占う指標になります。
- 事前調査をしてきているか: 初回打ち合わせの段階で、自社の事業や業界について調べてきているかどうかで、姿勢がわかります。
- 希望を掘り下げ、新しい提案があるか: 言われたことだけをこなすのではなく、プロとしての視点から提案があるかどうかも評価ポイントです。
担当者との相性も重要な要素です。「この人と一緒に仕事をしたい」と思えるかどうかは、プロジェクトの成否を左右します。
チェックポイント4:料金体系はどこまで確認すべきか?
Web制作の費用は会社によって大きく異なり、見積もり金額だけでは比較が難しい場合があります。料金体系の透明性を確認することが、後のトラブル回避につながります。
確認すべきポイント:
- 見積もり内訳が明確か: 「制作費一式」のような曖昧な見積もりではなく、項目ごとの内訳が示されているかを確認します。
- 追加費用が発生する条件: 修正回数の上限、仕様変更時の追加費用、撮影や原稿作成を依頼した場合の費用などを事前に確認します。
- 安すぎる見積もりへの注意: 相場と比較して極端に安い場合は、品質やサポート体制に問題がある可能性があります。
Web制作の費用相場は、シンプルなコーポレートサイトで30万〜100万円程度、機能やページ数が増えると100万〜300万円以上になることもあります。複数社から見積もりを取り、相場感をつかんでおくことが大切です。
チェックポイント5:サポート体制はどこまで確認すべきか?
Webサイトは公開して終わりではなく、公開後の運用・改善が成果を左右します。納品後のサポート体制も、制作会社選びの重要な評価軸です。
確認すべきサポート内容:
- 保守・運用の対応範囲: バグ修正、セキュリティ対策、CMSのバージョンアップなど
- 更新・修正の対応: ページの追加や内容変更への対応、費用
- アクセス解析・レポート: 定期的なレポート提供や改善提案の有無
- 緊急時の対応: サイトが表示されなくなった場合などの連絡方法と対応時間
- コンサルティング: 運用改善の提案やWebマーケティング支援の有無
サポート費用は月額5,000円〜5万円程度が目安ですが、依頼する作業内容によって変動します。自社で対応できる範囲と、外部に任せたい範囲を明確にしておくとよいでしょう。
提案・見積もりを依頼する際に準備すべきことは?
制作会社に見積もりを依頼する前に、自社側での準備が必要です。準備が不十分なまま依頼すると、見積もり金額にばらつきが生じ、比較が困難になります。
RFP(提案依頼書)を作成するメリットとは?
RFP(Request for Proposal:提案依頼書) とは、制作会社に提案を依頼する際に、自社の要望や条件をまとめた文書です。RFPを作成するメリットは以下の通りです。
- 複数社に同じ条件で依頼できる: 比較検討がしやすくなります。
- 要望の伝え漏れを防げる: 口頭だけでは伝わりにくい情報も文書化できます。
- 制作会社から適切な提案を引き出せる: 条件が明確なほど、精度の高い見積もりと提案が得られます。
- トラブルを未然に防げる: 「言った・言わない」の認識ズレを防ぐ証跡になります。
RFPに記載すべき主な項目は?
RFPには、以下の項目を記載することが一般的です。すべてを埋める必要はありませんが、できる限り具体的に記載することで、制作会社からの提案の質が向上します。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| プロジェクト概要 | 新規制作かリニューアルか、目的・背景 |
| 会社概要・事業内容 | 業種、ビジネスモデル、強み |
| 現状の課題 | 現サイトの問題点、解決したいこと |
| ゴール・KPI | 達成したい目標(問い合わせ数、PV数など) |
| ターゲット | 想定するサイト訪問者の属性 |
| 競合・参考サイト | 参考にしたいサイト、競合企業のURL |
| 機能要件 | 必要な機能(フォーム、CMS、多言語対応など) |
| デザインイメージ | 好みのテイスト、参考イメージ |
| 予算 | 上限金額または予算レンジ |
| スケジュール | 希望納期、公開予定日 |
| 運用方針 | 公開後の更新は自社で行うか、外注するか |
予算は「なるべく安く」ではなく、具体的な金額を提示することで、その範囲内での最適な提案を引き出せます。予算を伝えないと、制作会社は余裕を持った見積もりを出す傾向があるため、かえって高くなる場合があります。
複数の制作会社を比較検討する際のポイントは?
見積もりは複数社から取得し、比較検討することが基本です。3〜5社程度に依頼するのが一般的です。
比較検討の進め方
- 大手と中小、両方から見積もりを取る: 規模の異なる会社の提案を比較することで、相場感や対応の違いがわかります。
- 提案書と見積書の両方を確認する: 見積書だけでは作業の意図がわかりません。提案書を通じて、制作会社がどのように自社の課題を解決しようとしているかを確認します。
- 比較シートを作成する: 評価項目を設定し、点数化して比較すると、客観的な判断がしやすくなります。
比較評価シートの項目例
| 評価項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 実績・ポートフォリオ | /5 | /5 | /5 |
| 対応範囲の広さ | /5 | /5 | /5 |
| コミュニケーション | /5 | /5 | /5 |
| 料金の妥当性 | /5 | /5 | /5 |
| サポート体制 | /5 | /5 | /5 |
| 提案内容の魅力 | /5 | /5 | /5 |
| 担当者の印象 | /5 | /5 | /5 |
| 合計 | /35 | /35 | /35 |
担当者の印象や提案内容の魅力といった定性的な項目も、点数化することで比較しやすくなります。
制作会社を決定する際に注意すべきことは?
最終的な決定にあたっては、以下の点に注意が必要です。
価格だけで判断しない
費用は重要な判断材料ですが、価格だけで決めると後悔することがあります。安すぎる見積もりには、以下のようなリスクが潜んでいる可能性があります。
- サイト設計が不十分で成果につながらない
- デザインテンプレートの使い回しでオリジナリティがない
- 修正回数に厳しい制限がある
- プロジェクト管理が不十分で納期が大幅に遅れる
「安かろう悪かろう」を避けるためにも、費用対効果を総合的に判断しましょう。
契約前に確認すべき事項
契約書を締結する前に、以下の点を必ず確認してください。
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| 著作権の帰属 | 納品後の著作権は自社に移転されるか、制作会社に残るか |
| 元データの納品 | デザインデータ(PSD、AI等)やソースコードは納品されるか |
| ドメイン・サーバーの所有権 | 自社名義で契約されているか |
| 修正回数の上限 | 無料で対応できる修正回数と、追加費用の条件 |
| 契約期間・解約条件 | 最低契約期間、中途解約の可否、違約金の有無 |
| 瑕疵担保責任 | 納品後に不具合が見つかった場合の対応期間と範囲 |
特に注意が必要なのは、ドメインやサーバーの所有権です。制作会社名義で契約されている場合、将来的に制作会社を変更する際に手続きが煩雑になったり、最悪の場合はサイトを使い続けられなくなるリスクがあります。自社名義での契約を基本としましょう。
リース契約には要注意
「初期費用なし、月々〇万円で制作」といった提案には注意が必要です。これはリース契約の可能性があり、以下のようなデメリットがあります。
- 途中解約ができず、総支払額が高額になる
- ホームページの所有権が自社に帰属しない
- 公開後の修正や運用に柔軟に対応してもらえない
契約形態がリースかどうか、契約期間中の解約条件はどうなっているかを、必ず確認してください。
まとめ
Web制作会社の選定は、Webサイトの成否を左右する重要なプロセスです。ポイントを整理すると、以下の通りです。
- 制作会社の種類を理解する: 規模や専門性によって特徴が異なるため、自社の目的に合った会社を選ぶ
- 5つのチェックポイントで評価する: 実績、対応範囲、コミュニケーション、料金体系、サポート体制
- RFPを準備して複数社に依頼する: 条件を明確にすることで、適切な提案と見積もりを引き出せる
- 比較シートで客観的に評価する: 価格だけでなく、総合的な判断を行う
- 契約前に所有権や契約条件を確認する: 後のトラブルを防ぐために、書面での確認を怠らない
制作会社選びに時間をかけることは、決して無駄ではありません。自社に合ったパートナーを見つけることが、成果の出るWebサイトへの第一歩です。
この記事からわかるQ&A
見積もりは何社くらいから取るべきですか?
3〜5社程度から取得することをおすすめします。少なすぎると比較が難しく、多すぎると検討に時間がかかりすぎます。規模の異なる会社(大手と中小など)を含めると、相場感や対応の違いがわかりやすくなります。
予算を制作会社に伝えるべきですか?
具体的な予算を伝えることで、その範囲内での最適な提案を引き出せます。予算を伝えない場合、制作会社は余裕を持った見積もりを出す傾向があり、かえって高くなる場合があります。
RFP(提案依頼書)は必ず作成すべきですか?
必須ではありませんが、作成することで複数社への依頼条件が統一され、比較検討がしやすくなります。また、要望の伝え漏れを防ぎ、「言った・言わない」のトラブルを未然に防ぐ効果もあります。
ドメインやサーバーは自社で契約すべきですか?
自社名義での契約を基本とすることをおすすめします。制作会社名義で契約されている場合、将来的に制作会社を変更する際に手続きが煩雑になったり、サイトを使い続けられなくなるリスクがあります。
納品後のサポート費用の相場はどれくらいですか?
月額5,000円〜5万円程度が目安です。バグ対応、セキュリティ対策、CMSのバージョンアップ、ページ更新などのサポート内容によって費用は変動します。自社で対応できる範囲と外部に任せたい範囲を明確にしておくとよいでしょう。
Web幹事「ホームページのRFP(提案依頼書)の書き方完全マニュアル」(https://web-kanji.com/posts/prepare-rfp)
Web幹事「ホームページ制作のよくあるトラブルとその対策」(https://web-kanji.com/posts/homepage-trouble)
レディクル「Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の作り方」(https://readycrew.jp/media/post/13)
コニカミノルタ「提案依頼書(RFP)サンプル付:Webサイト制作の発注依頼時に気をつけるポイント」(https://businesssolution.konicaminolta.jp/business/solution/digitalmarketing/column/2021/0709_rfp.html)
日本テレビアート「webサイト制作の見積もりを依頼する 依頼の注意点と見積書の見方」(https://www.ntvart.co.jp/media/2167/)
比較ビズ「ホームページ制作のトラブル事例11選」(https://www.biz.ne.jp/matome/2003568/)
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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