#13 顧客体験の正体は「理念」だった ── CXを支えるインナーブランディングの本質

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今日のテーマは「顧客体験の誤解──その源泉は社長の考えの社内共有にある」です。

顧客体験(CX)という言葉が注目されていますが、その本質はかっこいいロゴや最先端の施策ではなく、企業理念が現場の隅々まで行き届いている状態にあります。的場さんは「マニュアルだけでは最高の顧客体験は生まれない」と語り、マニュアル外の判断ができるかどうかが企業の真価を分けると指摘します。理念を「共有」で終わらせず「共鳴」に変えるには、まず社長自身がその理念を信じて楽しむこと──それが顧客体験の源泉であるという話をお届けします。


このエピソードで話していること

  • 顧客体験(CX)の正体は「理念の実態化」であるという視点
  • ロゴ・営業・請求書──顧客があらゆる接点で一貫性を無意識に判断していること
  • Appleのブランディングに感じる一貫性の正体
  • マニュアルだけでは最高の顧客体験は生まれない理由
  • マニュアル外の状況で従業員が自社らしく判断できるかがブランドを左右する
  • 社長の考えが全社で共有されている状態が唯一無二の顧客体験を生む
  • インナーブランディングが顧客体験を支える基盤(インフラ)になること
  • 「知っている」と「共鳴している」の違い──理念は共有するものではなく共鳴させるもの
  • 理念を現場の行動指針へ翻訳するデザインの役割
  • 社長自身が理念を楽しみ信じることが共鳴の起点になる
  • CXは1998年頃に生まれた比較的新しい概念で、企業の社会的責任の高まりが背景にある
  • 枝葉(CX・インナーブランディング)に目が行きがちだが、幹は理念とデザインである
  • 経営者の発言・行動・判断が可視化されやすい時代だからこそ理念が問われる

こんな方におすすめ

  • 顧客体験(CX)の本質を正しく理解したい経営者の方
  • 社員に理念が浸透せず形骸化していると感じている方
  • インナーブランディングの具体的な考え方を知りたい方
  • マニュアル整備だけでは接客品質が上がらないと悩む方
  • 社長の想いを現場レベルまで届けたいと考えている方

この記事からわかるQ&A

「顧客体験の正体は理念の実態化」とはどういう意味ですか?

的場さんは、顧客体験とはお客様が企業と接するすべてのプロセスで感じる価値のことだと説明しています。ロゴを見るとき、営業マンと話すとき、請求書を受け取るとき──お客様は「この会社は一貫しているか」を無意識に判断しており、その一貫性は理念が現場まで行き届いている状態から生まれるものだと語っています。

マニュアルがあっても顧客体験が生まれないのはなぜですか?

的場さんはアメリカ企業に勤めた経験からマニュアルの重要性を認めつつも、「マニュアル外のことは経営の現場で必ず起きる」と指摘しています。その際にスタッフが自社の理念に基づいて自分で判断し行動できるかどうかがブランドのイメージを左右する──つまり「うちの会社らしいか、らしくないか」を判断できる基準が社長の考えの共有にあると述べています。

「共有」と「共鳴」はどう違うのですか?

共有は理念を「知っている」状態、共鳴は理念を「いいなと思って自分ごととして感じている」状態だと的場さんは区別しています。共鳴が生まれていなければ、外向けの顧客体験も演技や飾りになってしまう。共鳴を生むために一番大切なのは、社長自身がその理念を本当に信じて楽しんでいることだとシンプルに語っています。

CXが比較的新しい概念だという話がありましたが、なぜ今注目されているのですか?

纐纈は「消費者の価値観が多様化し、安さやスペックだけでなく感覚的・社会的な側面も含めて企業が評価される時代になった」と指摘し、的場さんは「企業の社会的責任が上がってきたことで、こうした複合的な概念が1998年頃に生まれた」と補足しています。新しい横文字に振り回されるのではなく、その概念が何を意味するかを調べ、結局は理念に立ち返ることが大切だと二人は語っています。

インナーブランディングとは具体的に何をすることですか?

的場さんによれば、インナーブランディングとは社員が自社の理念を誇りに思い、共鳴している状態をつくることです。具体的には、抽象的な理念を現場で伝わる行動指針へとデザインし直す(言葉に翻訳する)ことが重要だと述べています。内側のデザインが整って初めて、外側のお客様に本物の価値を届けることができるという考え方です。

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番組情報

デザイン審美眼──社長の第六感をカタチにするデザインの話

タイポグラフィを探求し続けるデザイナー・的場仁利が、デザインの世界で積み上げられてきた「判断の原理」を経営者の言葉に翻訳し、社長の「第六感」を確かな判断軸に変えていくビジネス番組。AIがあらゆる選択肢を出力する時代に、「これは自社に合っているか」を見定める力——それが「デザイン審美眼」。毎週木曜配信。

メインMC

的場仁利
Mat N. Studio代表
https://japan-designers.jp/profile/1453/

タイポグラフィーの論客として、多数のデザイン書に携わる。高校でデザインを学び、大学で技術経営を専攻。営業職として年間1億円超の案件を担当した経験も持つ。現在は本・冊子・パッケージのデザイン、タイポグラフィ執筆を手がける傍ら、浮世絵・春画をモチーフにしたアートプロジェクト「艶絵グレース」のクリエイティブディレクターを務める。中部デザイン協会75年誌のブックデザイン・編集に携わるなど、デザインと経営の両面に精通。公益社団法人日本グラフィックデザイン協会会員、アドビ コミュニティエキスパート。

サブMC

纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
https://www.ast-ride.com⁠

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。

matnuovo@gmail.com

制作

アストライド-Astride-(⁠https://www.ast-ride.com⁠

サウンドロゴ(クレジットコール):松島史奈

カバーデザイン

的場仁利(Mat N.Studio)

※ この番組は「THE VIOCE PLATFORM」から配信されています。企業の番組参加については こちら

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。