Webサイトに使うCMSを、知名度や月額料金だけで選ぼうとしていませんか?企業のCMS選定では、掲載する情報、担当者の更新作業、公開後の管理範囲をそろえて候補を比較します。
この記事では、WordPress・Wix・Shopify・STUDIOを、用途・更新体制・費用の内訳から選ぶ判断基準について取り上げます。候補を試す手順と、内製・外注の分担、将来の移行で確認する事項もお伝えします。
この記事でわかること
- 用途・更新作業・管理体制をそろえるCMS選定の基準
- 情報発信・デザイン編集・商品販売に応じた候補の違い
- 4つのCMSを比較する業務条件と費用項目
- 必須条件の整理から操作確認までの具体的な選定手順
- 機能制限・管理範囲・データ移行の見落としと対処方法
- 記事更新と技術管理に応じた内製・外注の分担条件
CMSは用途・更新作業・管理体制をそろえて選ぶ
企業は、サイトの用途、担当者が行う更新、公開後の管理体制を整理し、条件を満たす製品を候補に残します。機能の多さだけでは、自社で運用できるかを判断できません。担当者は、候補ごとの実際の操作と費用を比較します。
必須条件を満たしてから使いやすさを比べる
CMSは、Webサイトの文章や画像などを作成・管理する仕組みです。この記事では、サイト制作や販売機能も含めて4製品を比較し、WordPressについては自社でサーバーを契約する自己ホスティング型を取り上げます。
企業は、対応できないと業務が止まる条件を挙げ、商品販売なら決済や配送、情報発信なら記事の分類や更新方法を確認します。操作の簡単さだけでは、必須条件の不足を補えません。企業は、その条件を満たさない候補を選定から外します。
次に、担当者は自分が使う画面と行う作業を比べます。お知らせの投稿と、ページ全体のデザイン変更は別の業務です。文章と写真の変更を担当する人は、その作業を迷わず進められるかを試します。
機能の追加と管理の負担を一緒に考える
WordPress.orgの公式資料「Features」(発表年月の記載なし、2026年10月確認)では、テーマによる見た目の変更と、プラグインによる機能拡張を説明しています。テーマはデザインのひな型、プラグインは機能を追加する仕組みです。
機能を追加する場合は、導入後の設定変更や不具合の確認も比較に含めます。社内で記事を更新し、制作会社が技術面を管理する分担も候補です。担当者がすべての作業を引き受ける前提にせず、担当範囲を具体化します。
例えば、お知らせの更新だけを行う企業と、記事を分類して継続的に発信する企業では、担当者が試す機能も異なります。担当者は、現在の作業と実施予定が決まっている追加業務を分け、候補を絞る理由を社内で共有します。
情報発信・デザイン編集・商品販売で候補を分ける
候補の分け方は、企業が何を掲載し、担当者がどこまで編集するかによって変わります。記事の蓄積、画面上でのデザイン編集、商品販売をそれぞれ確認し、複数の用途がある場合は、主な業務を基準に比較を進めます。
記事の蓄積や独自機能を重視する場合
記事の分類方法や追加機能を細かく設計したい企業は、WordPressを検討候補に含めます。公式資料では、投稿・固定ページの作成やプラグインによる拡張を説明しています。ただし、導入したい機能の実現方法は個別の確認事項です。
企業は、技術管理の担当も選定条件に含め、独自の設定を維持する方法を社内の技術者や継続して管理する制作会社に尋ねます。記事の更新担当者は、日常業務で使う画面を試します。
SEOは、検索エンジンが内容を理解しやすいように整える取り組みです。Googleは「検索エンジン最適化スターターガイド」(発表年月の記載なし、2026年10月確認)で、多くのCMSがページのタイトルを自動設定すると説明しています。比較では、担当者が適切なタイトルを入力・修正できるかを確認します。
画面上で編集しながら制作・更新する場合
コードを書かずに画面上で編集する方式を検討する場合は、WixとSTUDIOを候補に含めます。Wixの公式ヘルプ「Wixサイトのホスティングについて」(発表年月の記載なし、2026年10月確認)では、サイト公開用のサーバー提供を説明しています。
STUDIOの公式料金ページ(発表年月の記載なし、2026年10月確認)では、デザインエディタと記事管理の機能を案内しています。ページ数、公開記事数、権限などはプラン別の確認項目です。担当者が編集する範囲と契約条件を照合します。
「初めて制作する」「技術者がいない」という条件だけでは、候補は決まりません。担当者は文字の修正、画像の変更、スマートフォン表示の確認まで試し、継続して操作できるかを判断します。
商品・在庫・注文を管理する場合
商品販売を主な用途とする企業は、Shopifyを候補に含め、販売業務に必要な機能をまとめて確認します。Shopifyの公式料金ページ(発表年月の記載なし、2026年10月確認)には、商品・在庫・注文・発送などの管理機能の説明があります。
企業は決済方法、配送条件、在庫の管理方法を整理し、Wixの販売機能やWordPressへの機能追加も比較対象に含めます。越境販売や実店舗との連携を予定する企業は、対象国・機器・追加機能の条件まで照合します。
4つのCMSを同じ業務と費用項目で比較する
担当者は、同じ更新作業と費用項目で4製品を比べます。用途の異なる製品を点数だけで順位付けする方法では、必要な機能や管理負担を十分に把握できません。担当者は、自社が行う業務と採用前に確認する条件を比較表に記載します。
用途と確認事項を分けた比較表
以下の「検討に向く条件」は、公式の機能説明を踏まえた選定上の提案です。企業は、製品ごとの優劣や成果の保証と区別して提案を読み、右側の確認事項を自社の要件に合わせて具体化します。
| CMS | 検討に向く条件 | 選定前に確認する事項 |
|---|
| WordPress | 記事管理や機能追加を個別に設計したい場合 | 追加機能の実現方法、更新担当、技術管理の分担、サーバー契約。 |
| Wix | 公開用サーバーを含むサービスで、画面上の編集や機能追加を検討する場合 | 使用する編集環境、必要な販売機能、追加開発の範囲、担当者の操作。 |
| STUDIO | デザイン編集と記事管理を同じサービスで行いたい場合 | ページ数・記事数の上限、編集権限、外部連携、将来の書き出し条件。 |
| Shopify | 商品・在庫・注文・配送の管理を中心に据える場合 | 決済方法、販売地域、追加アプリ、実店舗連携、手数料の区分。 |
使いやすさは、実際に担当する作業で判断します。記事の投稿が簡単でも、複雑な商品登録には別の確認が必要です。デザイン編集を外注する企業は、社内担当者が行う文章・画像の更新に範囲を絞って試します。
想定例で候補を絞る過程
以下は想定の例です。企業が会社案内とお知らせを掲載し、担当者が文章と写真を更新する場合、まず同じお知らせを各候補で作成します。公開前の確認と修正まで試し、更新を続けられる操作かを比べます。
記事の分類や独自機能の追加を予定する企業は、実現方法と管理担当を比較に加え、WordPressへの機能追加やWix・STUDIOの契約範囲内での対応を確かめます。担当者は、「将来使うかもしれない機能」を採用条件とは分けて記録します。
商品販売を始める想定では、担当者はShopifyを含む候補で同じ商品と配送条件を使い、商品登録から注文後の処理までを確かめます。企業は販売機能の有無に加え、担当者が注文を処理できるかも判断します。
利用料・追加費用・社内作業を分ける
担当者は、制作、サービス利用、追加機能、管理、社内作業に費用を分け、サーバーや有料の拡張機能、保守を含めた総額を見積もります。WordPress本体を無償で使えても、企業はその無償利用と運用費用を分けて扱います。
| 比較する項目 | 企業が確認する内容 |
|---|
| 制作・設定 | ページ作成、記事管理の設計、販売機能の設定 |
| 継続利用 | サーバー、ドメイン、サービス契約の更新 |
| 追加機能 | 有料プラグイン・アプリ、外部サービス |
| 管理・支援 | 更新確認、不具合対応、操作説明 |
| 社内作業 | 記事投稿、商品登録、承認、問い合わせ対応 |
Shopifyの公式資料では、決済手数料と外部決済サービスの取引手数料を区別しています。担当者は、この区分に沿ってサービス利用料と決済関連の手数料を整理し、契約時に使用する決済方法とプランを見積もりに反映させます。
必須条件の整理から操作確認までの選定手順
担当者は、試用前に実際の掲載情報を準備し、必須条件の整理、候補の照合、操作確認、費用と分担の確認の順に選定を進めます。同じ作業を各候補で試せば、担当者は候補間の違いを整理しやすくなります。
工程1:用途と更新業務を書き出す
経営者や責任者は、サイトの主な用途と予算の範囲を示します。Web担当者は、掲載する情報、更新頻度、承認する人を整理し、販売機能を使う場合には注文・在庫・配送の担当も確かめます。
準備する資料には、公開予定のページ一覧、記事や商品の見本、必要な機能、既存サイトの内容を含めます。リニューアルでは、今使っている管理画面で困る作業も記録します。CMSの変更で解決したい点を具体化するためです。
工程2:必須条件を公式資料と照合する
担当者は、条件を「公開時に必須」「実施予定が決定済み」「未定」に分けます。決済方法や社内の承認方法など、業務に関わる条件を先に照合します。未定の機能を理由に、最初から複雑な構成を選ぶ前提にはしません。
担当者は候補ごとに、標準機能、上位プラン、追加機能、個別開発のどれで対応するかを記入し、確認した資料と確認日も書き添えます。制作会社へ相談する場合は、担当者が未確認の条件を一覧にまとめ、回答を比較します。
工程3:担当者が同じ作業を試す
担当者は掲載予定の文章・画像・商品情報を使い、新規作成、下書き保存、内容修正、公開前の確認、公開後の修正までの操作を確かめます。支援が必要だった箇所も、担当者が選定の判断材料として記録します。
| 試す業務 | 確認する内容 |
|---|
| お知らせの投稿 | 見出し、本文、画像の入力と修正 |
| ページの更新 | 変更できる範囲と表示の確認 |
| 商品の登録 | 価格、在庫、画像、配送条件の設定 |
| 公開前の確認 | 承認者が確認する方法と権限 |
| 引き継ぎ | 別の担当者が同じ手順を再現できるか |
無料プランや試用環境で確認できる範囲は、候補ごとに異なります。契約後に使う機能を試せない場合は、制作会社や提供元に画面と操作手順の確認を依頼します。試した機能と未確認の機能を混同しません。
工程4:費用・担当・変更条件を記録する
担当者は、必要なプランと追加機能、外注する作業、社内で行う作業を整理し、初期の制作費と公開後の運用費を別の欄に書き分けます。責任者は、その情報に担当者の稼働も含めて候補を比較します。
最後に、担当者は選んだ理由と判断が変わる条件を残し、商品販売の開始、記事数の増加、社内担当の変更時に再確認する項目を記録します。この記録を使えば、担当者は将来の変更時に同じ判断を最初からやり直す負担を減らせます。
機能制限・管理範囲・データ移行の見落としを防ぐ
担当者は、機能の有無、使える条件、企業に残る管理、移行できるデータを調べます。説明と実際の契約範囲が異なる場合は、担当者が必要なプランや代替方法を照合し、対応方法も比較表に記載します。
機能制限は使用する編集環境で確認する
Wixの公式ヘルプ「カスタムウェブサイトを開発する」(発表年月の記載なし、2026年10月確認)では、JavaScriptによる機能追加を案内しています。Wix全体を「コードによる拡張ができない」と扱う判断は、この説明と一致しません。担当者は、使用する編集環境と依頼する開発範囲を照合します。
構造化データは、検索エンジンに情報の種類を示すための記述です。Wixの公式ヘルプ(発表年月の記載なし、2026年10月確認)では、手動追加の方法を説明しています。対応の有無を確かめる際は、対象ページと入力できる範囲まで確認します。
Wix公式ヘルプ(発表年月の記載なし、2026年10月確認)によると、ADIビルダーのサポートは2024年11月10日に終了しています。担当者は過去の機能名を使った説明に注意し、機能紹介の資料を現行の公式ヘルプと照合して修正します。
提供元と企業の管理範囲を分ける
Wixの公式資料「Webセキュリティ」(発表年月の記載なし、2026年10月確認)は、利用者向けに二段階認証などを案内しています。サービス側が基盤を管理していても、企業は管理アカウントや編集権限を確認し、担当者ごとの利用方法を決めます。
WordPress.org「Manage Plugins」(発表年月の記載なし、2026年10月確認)は、更新を続けるよう案内しています。企業は導入するプラグインの更新担当を決め、管理を外注する場合には実施範囲と更新後の確認を依頼内容に含めます。
移行できるデータと再作成する内容を区別する
STUDIOの公式ヘルプ(発表年月の記載なし、2026年10月確認)は、デザイン、ページ情報、ソースコード、CMSデータの書き出し機能を提供していないと説明しています。将来の移行を予定する企業は、再作成する範囲を確認し、掲載文章と画像を社内でも管理します。
Shopifyの公式ヘルプ「商品のエクスポート」(発表年月の記載なし、2026年10月確認)では、商品情報のCSV形式での書き出しを案内しています。CSVは表形式のデータを保存する形式です。書き出せる情報と、移行先で読み込める情報を照合します。
CMSの移行を検討する担当者は、データの書き出しとサイト全体の再現を分けて調べます。URLも変更する場合は、担当者が検索への影響を確認する作業を別に計画し、選定段階で移行の対応範囲と依頼先を記録します。
内製・外注は記事更新と技術管理を分けて判断する
内製・外注の判断では、記事や商品情報の更新と、設定変更や技術管理を分けます。社内担当者が内容を更新し、制作会社が管理を支援する方法も候補です。CMS選定では、誰がどの画面を使い、どの作業を依頼するかを具体化します。
内製する範囲を操作確認から決める
担当者が操作確認で問題なく進められた作業は、内製の候補に含めます。文章の修正、写真の差し替え、お知らせの投稿などを、実際の手順で判断します。初めての制作という理由だけで、更新全体を外注にする前提にはしません。
機能追加や設定変更に社内の対応時間を確保できない場合、企業はその作業を外注の候補に含めます。担当者は依頼が発生する条件と連絡先を整理し、操作説明を受けても対応できない作業を支援範囲に含めて相談します。
| 作業 | 分担を決めるための確認 |
|---|
| 記事・商品情報の更新 | 社内担当者が手順を再現できるか |
| デザインの変更 | 社内で編集する範囲をどこまで許可するか |
| 機能・設定の変更 | 社内の知識と対応時間を確保できるか |
| 更新・不具合の確認 | 誰が確認し、誰へ対応を依頼するか |
依頼前に更新範囲と確認条件を示す
制作会社へ相談する前に、企業は社内で更新したい箇所を一覧にまとめます。「自社で更新したい」という要望だけでは、記事投稿とページ編集のどちらを想定しているかが伝わりません。担当者は、更新の見本と試す作業を制作会社に渡します。
企業は、管理画面の設計、操作説明、追加機能の設定、公開後の支援範囲を依頼内容に含めます。担当者は候補を勧める理由と他の候補で対応しにくい条件を制作会社に尋ね、比較表の未確認項目への回答も記録します。
見積もりでは選定後の変更も確認する
担当者は、CMSの見積もりで標準機能の対応範囲と追加費用の発生範囲を区別し、プラン、有料の拡張機能、操作説明、継続管理を確かめます。企業名義で管理する契約と外注先が管理する契約も、担当者が分けて整理します。
担当者は、交代や機能追加が起きた場合の対応も依頼時に確かめます。社内に技術者がいない企業でも、日常の更新を内製し、設定変更を外注する選択は可能です。企業は製品名と分担方法を一緒に決め、選定後の業務を具体化します。
まとめ
担当者は候補を決める前に社内で更新する情報を用意し、必須条件を満たす製品で同じ作業を試します。試した結果、未確認の機能、継続費用、管理担当を一枚の比較表にまとめれば、責任者は選定理由を確認しやすくなります。
商品販売の開始、記事の分類方法の変更、担当者の交代などが予定されている場合は、その条件も今回の比較に含めます。予定が未定の機能は別欄に記録し、現在の選定条件と混同しません。
次に確認する項目は、採用するプランで実際の更新を行えるか、管理を誰が担うか、変更時に何を再作成するかの3点です。選定理由と確認日を残し、契約前に未確認の項目を解消します。
この記事からわかるQ&A
WordPress本体が無料なら、運用費もかかりませんか?
WordPress.orgの公式資料では本体の無償利用を説明していますが、サーバー、有料の拡張機能、制作や管理の依頼は別の項目です。担当者は無償利用と運用全体の費用を分け、既存の契約や社内担当者を使う場合も継続費用と作業時間を整理します。公開後の更新や不具合対応についても、担当者が見積もりに含まれる範囲を確かめます。
無料プランで企業サイトを公開する判断は可能ですか?
公開に必要な条件を満たせる場合は、候補に含められます。独自ドメイン、広告表示、ページ数、問い合わせ管理などを企業の要件と照合します。無料で編集できることだけでは判断しません。例えばSTUDIOでは、独自ドメイン接続や機能上限がプラン別に設定されています。無料プランで操作を試した場合も、公開に使うプランの条件を別に確認します。
技術者がいない企業でもWordPressを選べますか?
WordPress公式資料は、プラグインの継続的な更新を勧めています。企業は記事更新とプラグインなどの更新管理を分けて判断し、外注先に更新後の確認、不具合時の連絡方法、管理対象を尋ねます。技術管理を外注するなどの体制を確保できる企業は、WordPressも選択可能です。日常の更新を担う社内担当者は、自分が使う画面を試し、継続して作業できるかを判断します。
商品販売が目的ならShopifyに決めてよいですか?
商品・在庫・注文の管理を重視する企業は、Shopifyの公式資料でプランなどによる機能や手数料の条件の違いを読み、必要な決済方法、配送条件、外部サービスとの連携を確かめます。担当者はWixの販売機能やWordPressへの機能追加も比較対象に含め、注文後の処理を実行できるかまで試し、企業は商品数と操作結果を踏まえて採用を判断します。
データを書き出せれば、別のCMSへそのまま移せますか?
Shopifyでは、商品情報をCSV形式で書き出せます。企業は商品情報の書き出しとサイト全体のデザインの移行を分け、担当者が移行先の読み込み項目と再現範囲を照合します。STUDIOは、デザイン・ページ情報・CMSデータなどの書き出し機能を提供していません。採用前に、担当者は再作成する範囲と、社内で保管する文章・画像を確認します。
引用・参考資料