YouTubeのユーザー層と視聴傾向:企業が知るべきデータ

この記事でわかること
- YouTubeの年代別利用率(国内データ)
- 視聴デバイスの変化(スマホ、PC、テレビ)
- ユーザーがYouTubeを利用する目的
- BtoB層・ビジネスパーソンへの到達可能性
- 採用ターゲット(20代〜30代)へのリーチ
「YouTubeは若者向け」というイメージを持っている方は少なくありません。しかし、実際のデータを見ると、YouTubeは幅広い年代に利用されており、ビジネスパーソンや意思決定者層へのリーチも十分に可能です。
この記事では、総務省やGoogle、各種調査機関が公表しているデータをもとに、YouTubeのユーザー層と視聴傾向を解説します。自社のターゲット層にYouTubeで到達できるかどうか、判断するための材料としてご活用ください。
YouTubeの利用状況:全体像
国内月間利用者数
2024年5月時点で、YouTubeの国内月間利用者数は18歳以上で7,370万人を超えています。これは18歳以上の日本人口の約68%に相当します。
18歳未満を含めると、実際の利用者数はさらに多いと推定されます。日本国内で最も利用されている動画プラットフォームであり、LINEに次ぐ規模のSNSです。
全年代での高い利用率
総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、YouTubeの全年代利用率は約80.8%となっています。
この数字は、YouTubeがもはや「特定の世代が使うサービス」ではなく、「ほぼすべての世代が使うインフラ」になっていることを示しています。
年代別の利用状況
年代別YouTube利用率
総務省の調査データをもとに、年代別の利用状況を見てみましょう。
| 年代 | 利用率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 10代 | 90%以上 | 最も利用率が高い世代 |
| 20代 | 90%以上 | 日常的に利用する習慣が定着 |
| 30代 | 90%以上 | 仕事・子育て世代も高い利用率 |
| 40代 | 90%以上 | 最も利用者数が多い年代との調査も |
| 50代 | 80%以上 | 平日のインターネット利用時間がテレビを超過 |
| 60代 | 70%以上 | 利用率は年々上昇傾向 |
注目すべきは、40代・50代の利用率の高さです。2024年のGoogle発表によると、45〜64歳のYouTube利用者は2,740万人以上で、同世代人口の79%以上を占めています。
「YouTube=若者向け」は過去の認識
データが示すように、YouTubeはすでに全世代に浸透しています。特に40代が最も利用者数が多いという調査結果もあり、「YouTubeは若者向け」という認識は、もはや実態に即していません。
企業がYouTubeを活用する際、「若者にしかリーチできない」という心配は不要です。むしろ、ビジネスの意思決定層である40代・50代に効率的にリーチできるプラットフォームと捉えるべきでしょう。
視聴デバイスの多様化
スマートフォンが主流、しかしテレビ視聴が急成長
YouTubeの視聴デバイスは、スマートフォンが依然として主流です。しかし近年、テレビ画面でYouTubeを視聴する「コネクテッドTV」の利用が急速に拡大しています。
コネクテッドTVとは:
インターネットに接続されたテレビ、またはFire TV StickやChromecastなどのストリーミングデバイスを接続したテレビのことです。
コネクテッドTVの普及状況
2024年の調査によると、以下のような傾向が見られます。
- コネクテッドTVでの動画視聴時間は、2020年から2023年の3年間で2倍以上に増加
- 動画サービス視聴のために利用するデバイスとして、多くのサービスでテレビがスマホを上回る
- コネクテッドTV視聴世帯における平均視聴時間で、YouTubeは1日あたり約60分と1位
「リビングで家族と一緒にYouTubeを見る」が当たり前に
かつてYouTubeは「一人でスマホで見るもの」というイメージがありました。しかし現在は、リビングのテレビで家族と一緒にYouTubeを視聴するというスタイルが一般化しています。
この変化は、企業のYouTube活用においても重要な意味を持ちます。大画面で視聴されることを前提にした動画制作、家族での共視聴を意識したコンテンツ企画など、新たな視点が求められるようになっています。
視聴目的の多様化
エンタメだけではない「学び」「情報収集」の場
YouTubeの利用目的は、エンターテインメントだけではありません。総務省の調査によると、「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために利用するメディアとして、10代から50代ではインターネット(YouTubeを含む)が最も選ばれています。
主な視聴目的
YouTubeで視聴されるコンテンツのジャンルは多岐にわたります。
エンタメ系:
- 音楽・MV
- バラエティ・お笑い
- ゲーム実況
- Vlog
情報・学習系:
- ニュース・時事解説
- ハウツー・チュートリアル
- ビジネス・自己啓発
- 商品レビュー・比較
実用系:
- 料理レシピ
- DIY・修理方法
- フィットネス・健康
- 子育て・教育
「検索して動画で学ぶ」行動の定着
「〇〇 やり方」「〇〇 使い方」といったキーワードでGoogle検索やYouTube内検索を行い、動画で学ぶという行動が定着しています。
この傾向は、企業にとってチャンスです。自社の製品やサービスに関連する「ハウツー」「使い方」「選び方」といったコンテンツを制作することで、情報を探しているユーザーに発見してもらえる可能性があります。
企業ターゲットへのリーチ
BtoB層への到達可能性
「YouTubeはBtoCの個人向け」という認識も、見直す必要があります。
BtoB層にリーチできる理由:
- ビジネスパーソンの利用率が高い
40代・50代の利用率が80%以上あり、企業の意思決定者層にリーチ可能 - ビジネス関連コンテンツの視聴が増加
自己啓発、業界動向、製品レビューなど、ビジネス目的での視聴が増加 - 検索経由での発見
業界特有のキーワードで検索したユーザーに、自社の動画を発見してもらえる
BtoB企業のYouTube活用例:
- 製品・サービスの詳細解説
- 導入事例・お客様インタビュー
- 業界動向・専門知識の発信
- 展示会・セミナーのダイジェスト
採用ターゲット(20代〜30代)へのリーチ
採用活動においても、YouTubeは有効な手段となり得ます。
20代〜30代の特徴:
- YouTube利用率は90%以上
- テレビよりもYouTubeを視聴する時間が長い
- 就職・転職活動において動画で情報収集する傾向
求職者が企業を調べる際、Webサイトの情報だけでなく、YouTubeで「会社名」を検索するケースも増えています。社員インタビュー、オフィス紹介、1日の仕事の流れといった動画があれば、会社の雰囲気を伝えることができます。
企業がYouTubeでリーチできる層
ここまでのデータを整理すると、企業がYouTubeでリーチできる層は以下のように整理できます。
リーチしやすい層
| ターゲット | 利用率・特徴 |
|---|---|
| 20代〜30代(採用ターゲット) | 利用率90%以上、動画での情報収集が当たり前 |
| 40代〜50代(意思決定者層) | 利用率80%以上、BtoB商談の相手先にリーチ可能 |
| 情報収集目的のユーザー | 「検索して動画で学ぶ」行動が定着 |
| コネクテッドTV視聴者 | 家族での視聴、大画面での視聴が増加 |
注意が必要な層
| ターゲット | 注意点 |
|---|---|
| 60代以上(シニア層) | 利用率は上昇傾向だが、他の世代より低い |
| デジタルに不慣れな層 | 動画よりも紙媒体や対面を好む場合がある |
| 即時の購買行動を期待する層 | YouTube単体での即時購買は起きにくい |
まとめ:データから見えるYouTubeの実像
YouTubeのユーザー層と視聴傾向をデータで見てきました。ポイントを整理します。
利用率について:
- 全年代で約80%が利用
- 40代・50代も80%以上が利用しており、ビジネス層にリーチ可能
- 「若者向け」というイメージは実態と異なる
視聴デバイスについて:
- スマホが主流だが、テレビ視聴(コネクテッドTV)が急成長
- リビングで家族と視聴するスタイルが一般化
視聴目的について:
- エンタメだけでなく、情報収集・学習目的での利用が増加
- 「検索して動画で学ぶ」行動が定着
企業ターゲットへのリーチ:
- BtoB層、採用ターゲット(20代〜30代)へのリーチが可能
- 検索経由での発見により、潜在顧客に出会える可能性
これらのデータは、自社のターゲット層がYouTubeを利用しているかどうかを判断する材料になります。次の記事では、YouTube・TikTok・Instagramの比較を行い、自社に最適なプラットフォームの選び方を解説します。
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。前職を含め地域企業を中心とした200社以上の経営者インタビュー映像を制作。現在は「左脳と右脳のハイブリッド」を掲げ、戦略設計から映像・Web・各種コンテンツ制作まで手がける。 これまで音楽家として楽曲提供、行政職員として12年間 制度運用・予算編成等に従事。その後、NPO法人、映像・マーケティング分野に転じ、現在に至る。現在は大学非常勤講師として映像編集ソフトの操作指導も行う。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表 纐纈がこれまで200社以上の経営者インタビュー映像を制作してきたノウハウとインタビュースキルを軸として、BtoBマーケティング視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた、各種クリエイティブをご提案・制作します。

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