Webサイト制作の相談前に準備すべきこと:スムーズな制作のための準備

この記事でわかること
- 制作会社への相談前に整理すべき「目的」「ターゲット」「伝えたいこと」の考え方
- ロゴ・写真・文章など、準備すべき素材とその形式
- 参考サイトの効果的な集め方と、良い点の言語化方法
- 予算・スケジュールの目安と、制作会社への伝え方
- 決裁者の特定と確認フローなど、社内調整で押さえるべきポイント
「制作会社に相談したいけれど、何を準備すればいいのかわからない」——Webサイト制作を検討している担当者から、こうした声をよく聞きます。
準備が不十分なまま制作会社に相談すると、ヒアリングに時間がかかったり、見積もりの精度が下がったり、場合によっては制作開始後に大幅な手戻りが発生することもあります。逆に、事前準備をしっかり行えば、制作会社とのコミュニケーションがスムーズになり、より適切な提案を受けられる可能性が高まります。
この記事では、制作会社への相談前に準備すべきことを5つの観点から整理します。すべてを完璧に準備する必要はありませんが、できる範囲で整理しておくことで、制作プロジェクトの成功確率は格段に上がるでしょう。
制作会社への相談前に整理すべきことは何か?
制作会社に相談する前に、最も重要なのは「なぜWebサイトを作るのか」を明確にすることです。ここが曖昧なまま進めると、完成したWebサイトが期待した成果を生まない可能性があります。
Webサイトの「目的」を明確にする
まず、Webサイトを通じて何を実現したいのかを言語化しましょう。目的が明確であれば、制作会社も適切な提案がしやすくなります。
目的の例:
- 問い合わせや資料請求を増やしたい(リード獲得)
- 会社の信頼性を高めたい(ブランディング)
- 採用応募者を増やしたい(採用強化)
- 商品・サービスの認知度を上げたい(認知拡大)
- 既存顧客へのサポートを充実させたい(顧客満足向上)
目的は1つに絞る必要はありませんが、優先順位をつけることが大切です。「すべてを同じくらい重視したい」という状態では、デザインやコンテンツの方向性が定まりにくくなります。
「ターゲット」を具体的に想定する
次に、Webサイトを見てほしい相手を具体的に想定します。ターゲットが明確であれば、デザインのトーンや掲載する情報の優先順位が決めやすくなります。
ターゲットを考える際のポイント:
- 年齢層・性別・職業
- どのような課題や悩みを持っているか
- どのような情報を求めてWebサイトを訪れるか
- 競合他社のWebサイトも見ているか
BtoB企業であれば「30代〜40代の製造業の購買担当者」、採用サイトであれば「地元で働きたい20代の新卒・第二新卒」など、できるだけ具体的にイメージすることが重要です。
「伝えたいこと」の優先順位を決める
Webサイトで伝えたいことは多岐にわたりますが、すべてを同じ重みで伝えることはできません。訪問者の注意は限られているため、優先順位を決めることが必要です。
整理しておくとよい項目:
- 自社の強み・他社との違い
- 主力商品・サービスの特徴
- 会社の歴史・理念・ビジョン
- 実績・導入事例
- 顧客の声・評価
「最も伝えたいことは何か」「次に伝えたいことは何か」を整理しておくと、トップページの構成やナビゲーション設計がスムーズに進みます。
制作会社に渡すべき素材には何があるか?
Webサイト制作では、テキストや画像などの「素材」が必要です。素材の準備状況によって、制作のスピードや仕上がりの品質が大きく変わります。
ロゴデータの準備
企業ロゴは、Webサイトのヘッダーやフッター、ファビコン(ブラウザのタブに表示される小さなアイコン)など、様々な場所で使用されます。
理想的なロゴデータの形式:
- ベクターデータ(AI形式、EPS形式、SVG形式)があれば最適
- ない場合は、できるだけ高解像度のPNG形式(背景透過)
- 横長バージョン、縦長バージョンなど複数パターンがあれば併せて提供
ロゴデータがWord文書やPowerPointに貼り付けられた状態しかない場合は、制作会社に相談してみましょう。元データを探す方法や、再作成の可否について提案してもらえます。
写真・画像素材の準備
Webサイトの印象を大きく左右するのが写真です。ストックフォト(有料・無料の素材サイト)も活用できますが、自社のオリジナル写真があると、より説得力のあるサイトになります。
準備しておくとよい写真:
- 社屋・オフィスの外観・内観
- 社員の働いている様子
- 製品・サービスのイメージ
- 代表者・経営陣のポートレート
- 製造現場・作業風景(製造業の場合)
写真は高解像度のものを用意しましょう。スマートフォンで撮影した写真でも、十分な解像度があれば使用できることが多いです。ただし、暗い写真やピントが合っていない写真は、加工しても限界があります。プロのカメラマンによる撮影を制作会社に依頼できるケースもあるため、相談してみるとよいでしょう。
テキスト原稿の準備
意外と時間がかかるのがテキスト原稿の準備です。完璧な文章である必要はありませんが、以下の情報は事前に整理しておくと制作がスムーズに進みます。
準備しておくとよいテキスト:
- 会社概要(社名、所在地、設立年、代表者名、資本金、従業員数など)
- 事業内容・サービス内容の説明
- 会社の沿革
- 代表あいさつ・経営理念
- 主要取引先・実績
テキスト原稿は、制作会社側でライティングを担当してもらえるケースもあります。ただし、その場合は取材やヒアリングの時間が必要となり、費用も追加で発生することが一般的です。自社で準備できる範囲と、外注したい範囲を事前に整理しておきましょう。
参考サイトはどのように集めればよいか?
制作会社への相談時に「こんなサイトにしたい」という参考サイトを提示できると、イメージの共有がスムーズになります。ただし、単に「このサイトがいい」と伝えるだけでは、意図が正確に伝わらないことがあります。
ギャラリーサイトを活用する
参考サイトを探す際は、Webデザインのギャラリーサイトが便利です。業種やテイストで絞り込み検索ができるため、効率的に参考サイトを見つけられます。
代表的なギャラリーサイト:
- SANKOU!:カテゴリ分類が細かく、国内サイトが充実
- MUUUUU.ORG:縦長レイアウトの高品質なサイトを厳選
- Web Design Clip:国内外のサイトをタブで切り替え可能
- 81-web:コーポレートサイトやサービスサイトが豊富
まずは自社と同じ業種のサイトを5〜10サイト程度ピックアップし、その中から「いいな」と感じたサイトを3〜5サイト程度に絞り込むとよいでしょう。
「良いと思った点」を言語化する
参考サイトを制作会社に共有する際は、「なぜそのサイトが良いと思ったのか」を言語化することが重要です。言語化しておくことで、制作会社が意図を正確に汲み取りやすくなります。
言語化の例:
- 「全体的に落ち着いた配色で、信頼感がある」
- 「写真が大きく使われていて、事業内容がイメージしやすい」
- 「スクロールしたときの動きが心地よい」
- 「問い合わせボタンが目立っていて、導線がわかりやすい」
- 「文字が読みやすく、情報が整理されている」
逆に、「ここは参考にしたくない」というポイントも伝えると、より正確にイメージを共有できます。「デザインは好きだけど、動きが多すぎるのは避けたい」といった伝え方も有効です。
予算とスケジュールの目安はどう考えればよいか?
予算とスケジュールは、制作会社への相談時に必ず聞かれる項目です。正確な金額や日程がわからなくても、ある程度の目安を伝えられると、提案の精度が上がります。
予算の目安を把握する
Webサイト制作の費用は、サイトの規模や機能、依頼先によって大きく異なります。2025年現在の一般的な相場を把握しておきましょう。
中小企業向けWebサイト制作の費用目安:
- テンプレートを活用したシンプルなサイト:30万円〜50万円
- オリジナルデザインの中小規模サイト:50万円〜150万円
- 多機能・大規模なサイト:150万円〜300万円以上
費用は、ページ数、デザインのオリジナリティ、機能(お問い合わせフォーム、CMS導入など)、ライティングや撮影の有無によって変動します。予算が限られている場合は、その旨を正直に伝えることが大切です。制作会社は予算内で最大限の効果を出すための提案を考えてくれます。
公開希望日から逆算する
スケジュールについては、「いつまでに公開したいか」を軸に考えます。公開希望日が決まっていれば、そこから逆算して制作会社への相談時期を決められます。
一般的な制作期間の目安:
- シンプルなコーポレートサイト(5〜10ページ程度):2〜3ヶ月
- 中規模サイト(10〜30ページ程度):3〜4ヶ月
- 大規模サイト・機能が多いサイト:4〜6ヶ月以上
制作期間には、企画・設計、デザイン、コーディング、テスト・修正の各工程が含まれます。さらに、発注者側での確認・フィードバックの時間も必要です。「イベントに合わせて公開したい」「年度内に完成させたい」といった要望がある場合は、早めに相談を始めることをおすすめします。
社内調整で押さえるべきポイントは何か?
Webサイト制作は、担当者だけで完結するプロジェクトではありません。制作開始前に社内の体制を整えておくことで、プロジェクトの進行がスムーズになります。
決裁者を明確にする
Webサイト制作のプロジェクトにおいて、最終的な意思決定を行う「決裁者」を明確にしておくことが重要です。
確認しておくべきこと:
- 予算を承認する権限は誰にあるか
- デザインの最終判断は誰が行うか
- コンテンツの内容を承認する権限は誰にあるか
決裁者が明確でないと、「上に確認します」というやり取りが何度も発生し、プロジェクトが停滞する原因になります。可能であれば、決裁者にプロジェクトの初期段階から関わってもらうか、少なくとも重要な意思決定のタイミングでは同席してもらうようにしましょう。
確認フローを事前に決めておく
制作会社からデザイン案やページ案が提出された際に、社内で誰がどの順番で確認するかを事前に決めておきます。
確認フローの例:
- 担当者が内容を確認し、一次フィードバックをまとめる
- 関係部署(営業部、人事部など)に確認依頼を出す
- 決裁者が最終確認を行う
- 担当者がフィードバックを取りまとめて制作会社に返す
確認フローが明確でないと、「誰に確認すればいいかわからない」「確認に時間がかかりすぎる」といった問題が発生します。制作会社との契約時に、確認期間の目安(例:デザイン提出から1週間以内に回答)を決めておくと、プロジェクト全体のスケジュール管理がしやすくなります。
関係部署との事前調整
Webサイト制作では、複数の部署から情報や素材を集める必要があることが多いです。
事前に調整しておくとよいこと:
- 営業部:製品・サービス情報、導入事例、よくある質問など
- 人事部:採用情報、社員インタビューなど
- 経営企画部:経営理念、ビジョン、中期計画など
- 広報部:プレスリリース、メディア掲載情報など
関係部署に事前に声をかけ、プロジェクトの概要とスケジュール、協力してほしい内容を伝えておくと、素材収集がスムーズに進みます。
まとめ
制作会社への相談前に準備すべきことを整理してきました。
事前準備のポイント:
- 「目的」「ターゲット」「伝えたいこと」を明確にする
- ロゴ・写真・テキストなどの素材を整理する
- 参考サイトを集め、良いと思った点を言語化する
- 予算・スケジュールの目安を把握する
- 決裁者の特定と確認フローの整備を行う
すべてを完璧に準備する必要はありませんが、できる範囲で整理しておくことで、制作会社とのコミュニケーションがスムーズになり、より良いWebサイトを作れる可能性が高まります。
準備段階で「わからないこと」「決められないこと」があれば、それ自体を制作会社に相談するのも一つの方法です。経験豊富な制作会社であれば、一緒に整理しながら進めてくれるでしょう。大切なのは、「何がわかっていて、何がわかっていないか」を把握しておくことです。
この記事からわかるQ&A
参考サイトは何サイトくらい用意すればよいですか?
3〜5サイト程度が適切です。多すぎると方向性がぼやけてしまうため、業種やテイストで絞り込んだ上で、「なぜそのサイトが良いと思ったか」を言語化できるものを選びましょう。
予算が決まっていない場合、どう伝えればよいですか?
「予算は検討中ですが、おおよその相場を教えてほしい」と正直に伝えましょう。制作会社は複数のプランを提示してくれることが多く、それをもとに社内で予算を検討できます。
写真素材がない場合はどうすればよいですか?
ストックフォト(素材サイト)の活用や、制作会社を通じたカメラマン手配が可能です。ただし、オリジナル写真があるとサイトの説得力が増すため、スマートフォンでも構わないので撮影しておくことをおすすめします。
社内で決裁者が明確でない場合、どうすればよいですか?
プロジェクト開始前に、上司や経営層と「誰が最終判断を行うか」を確認しておきましょう。決裁者が曖昧なまま進めると、制作途中で大幅な変更が発生するリスクがあります。
準備が不十分でも相談して大丈夫ですか?
大丈夫です。制作会社は準備段階からサポートしてくれることが多いです。ただし、「何がわかっていて、何がわかっていないか」を整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
引用・参考資料
- 才流「Webサイト制作プロジェクトにおける、130の工程別チェックリスト|BtoB企業向け」(https://sairu.co.jp/method/2615/)
- Web幹事「Web制作チェックリスト80項目|公開前に便利なチェックツールも紹介【2025年最新版】」(https://web-kanji.com/posts/homepage-creation-checklist)
- クラウドサーカス「Webサイト制作の発注で失敗しないために!事前準備でやるべきタスクをまとめました!」(https://bluemonkey.jp/media/column/web-task/)
- QUERYY「Web制作の相談・発注前に必要な手順とは?」(https://n-works.link/blog/webdesign/web-production-consultation-procedure)
- PRONIアイミツ「ホームページ作成費用の相場と費用を抑える方法【2025年】」(https://imitsu.jp/cost/hp-design/)
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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