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#05 なぜ「調達」を軽視する会社は潰れるのか

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今日のテーマは「なぜ『調達』を軽視する会社は潰れるのか」です。

これまでインドの話を中心に届けてきた本番組ですが、今回は内藤さんの本領「調達」を深掘り。直接材・間接材の違いから、鉄板1枚を選ぶ基準、間接材(おしぼり・割り箸入れ)の見直し、銀行取引の見直しまで。売上を伸ばすより確実に収益を生む「守りの戦略」としての調達の世界を、元アイシン調達マン・内藤さんが解説します。


このエピソードで話していること

  • これまで4回のインドの話から離れ、内藤さんの本領「調達」を深掘りする回
  • 調達には「直接材」と「間接材」があり、内藤さんが担当してきたのは直接材
  • 直接材は形になる前の部品を、設計・品質・生産技術と一緒に作り込む仕事
  • 鉄板1枚も「電炉材か高炉材か」「板厚の精度はどこまで必要か」で選び方が変わる
  • 材料を高くすると加工難易度が下がり、結果的にトータルコストが下がる場合もある
  • 最近はCO2排出量など環境負荷も含めた経済合理性が問われる
  • 調達は売上を上げる活動より確実に収益を生む「守りの戦略」
  • お店に行くと壁紙やおしぼり、割り箸入れまで「いくらでできてるか」が見えてしまう
  • 飲食店の間接材(紙ナプキン・割り箸入れ・布のおしぼり)にも見直しの余地がある
  • 調達コスト削減で浮いたお金を、より良いポップやデザインに回す総合提案
  • 無料相談・チェックリストでの簡易診断も提供している
  • 借入や銀行取引も、昔からの付き合いだけで見直されていないケースが多い
  • 銀行は条件が大きく違うので、フラットに見直すと大きな改善余地がある
  • オフレコ事例:会社の経費に「For My Sons」項目で家族にお金を流していたケース
  • 5月からはタイのデザイナーも交え、日本・インド・タイの文化とデザインを語る予告

こんな方におすすめ

  • 売上拡大よりも固定費削減で収益体質を改善したい中小企業経営者
  • 調達・購買の役割を改めて見直したい製造業の方
  • 取引先銀行・借入条件をフラットに見直したい経営者
  • 飲食・サービス業で間接材の見直しに興味がある方
  • インドビジネスだけでなく、業務効率化・コスト改善に関心がある方

この記事からわかるQ&A

「直接材」と「間接材」の調達の違いは何ですか?

直接材は製品に直接組み込まれる部品や材料の調達で、まだ形になっていないものを設計・品質・生産技術の担当者と一緒に作り込んでいく仕事だと内藤さんは説明しています。一方、間接材はテープ・糊・消耗品など、すでに形が決まっている既製品の調達。直接材は「どんな材料・形状・加工法で作るのが最適か」を提案するクリエイティブな業務で、内藤さんは長年こちらを担当してきました。

鉄板1枚を選ぶのに、どんな判断基準があるのですか?

「電炉材か高炉材か」「板厚の精度をどこまで求めるか」で大きく変わると内藤さんは語っています。電炉材はスクラップを溶かして作るため鉄の純度が低くバラつきが大きい代わりに安価。板厚も「2.2mmプラスマイナス○○mm」という公差があり、精度が緩い方が安い。ただし、材料を少し高くしても加工難易度が下がれば金型の持ちが良くなり、最終的な総コストは下がるケースもある。「ただ買う」のではなく経済合理性で全体を判断する仕事だと話されています。

調達は売上を上げるよりも大事だ、というのはどういう意味ですか?

売上は相手次第で動くが、製造原価・固定費を下げる活動は「やったらやっただけ収益が上がる」と内藤さんは話しています。製品やサービスがどれだけ良くても、相手に依存するのが売上活動。それに対して調達は社内で完結し、相手に依存しない「守りの戦略」。会社を守るためには、売上拡大だけでなく固定費削減も同じくらい重要であり、その出発点になる部署こそが調達だという視点です。

飲食店や小規模ビジネスでも、調達の見直しは効果がありますか?

あります。飲食店にほぼ必ずある割り箸・おしぼり・レシート立てなども調達品で、布のおしぼりか紙か、紙の割り箸入れの材質などで値段は大きく変わると内藤さんは語っています。「あえて高いものを選んでいるなら問題ないが、ただ慣れで選んでいるならもっと安く買えるかもしれない」という視点を提供。年間・月間で何十万〜何百万円のコスト差が生まれるケースもあり、その分をデザイン投資など別の改善に回す総合提案も可能だと話されています。

銀行や借入の見直しも調達の領域なのですか?

専門的には税理士・会計士・FPの領域だが、内藤さんも会社の体質を見る際に必ずチェックする項目だそうです。中小企業に多いのが「やたら多くの銀行と付き合っている」「おじいちゃんの代から同じ銀行を使い続けている」というケース。銀行ごとに返済利息の条件は大きく違うため、付き合う銀行を変えるか減らすだけでも資金繰りが大きく改善することがある。過去のしがらみで内部からは言いづらいことを、外部の視点でフラットに見直すのが意味のあるサポートだと語られています。

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番組情報

ガンジス川でスクロール〜日本人がインドで失敗する方法〜

アイシンで12年、KPMGで5年。製造業の調達現場でインド駐在4年を含む実務経験を積んできたインドビジネスの専門家・内藤健司が、パンフレットには載っていないインドビジネスの現実──通訳の落とし穴、賄賂の実態、時間感覚のズレ、カーストの影響──を失敗談として赤裸々に語るビジネス番組。「成功を真似るより、失敗を避ける方が確実」をコンセプトに、インド市場への進出を考える経営者・ビジネスマンに実務者目線のリアルな知恵をお届けします。毎週木曜配信。

メインMC

内藤健司
みなりパートナーズ株式会社 代表取締役
https://minari-partners.co.jp/

アイシン(旧アイシン精機)で12年間、製造業の調達業務に従事。うちインド駐在4年を含む現場経験を持つ。その後KPMGコンサルティングでシニアマネージャーとして5年間を経て、2025年に独立。現在はサプライチェーン戦略・調達コスト削減・インド北部における業務支援を専門とする。インド企業・インド人との直接的なパイプを持ち、日本人ネットワーク経由ではない現場のリアルを知り尽くした実践者。美術学生サポート財団 理事長。著書に『それでもWin-Winなコンサル転職』。

サブMC

纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
https://www.ast-ride.com⁠

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。

kenji.naito@minari-partners.co.jp

制作

アストライド-Astride-(⁠https://www.ast-ride.com⁠

サウンドロゴ(クレジットコール):松島史奈

カバーデザイン

みなりパートナーズ株式会社

※ この番組は「THE VIOCE PLATFORM」から配信されています。企業の番組参加については こちら

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。