Webサイト制作とは|中小企業の「資産」となるサイト構築

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この記事でわかること

  • Webサイトが名刺やパンフレットとは異なる役割を持つ理由
  • 「コスト」として捉えるか「資産」として捉えるかで生まれる違い
  • Webサイトが企業にもたらす5つの価値
  • 投資対効果を考える際のポイント
  • 自社にとってWebサイトが必要かどうかを判断する基準

「うちもそろそろホームページを作った方がいいのかな」——取引先との会話の中で、あるいは採用面接で求職者から「御社のホームページはありますか」と聞かれた時に、そんな思いが頭をよぎったことはないでしょうか。

総務省の令和5年通信利用動向調査によると、従業員100人以上の企業では93.2%がWebサイトを開設しています。一方、中小企業6,744社を対象としたアイ・モバイル社の調査(2023年)では、その保有率は48.5%にとどまりました。つまり、中小企業の約半数はまだWebサイトを持っていません。

この記事では、Webサイト制作を初めて検討している経営者や担当者の方に向けて、Webサイトの基本的な役割と、それを「資産」として捉える考え方を解説します。


Webサイトとは何か?名刺やパンフレットとの違いは?

Webサイトとは、インターネット上に公開された企業の情報発信拠点です。会社概要、サービス内容、採用情報などを掲載し、24時間いつでも閲覧可能な状態で提供します。

名刺やパンフレットも企業の情報を伝えるツールですが、Webサイトには大きく異なる特徴があります。

情報量の制約がほとんどない
名刺は数行、パンフレットは数ページが限界です。Webサイトなら、必要な情報を必要なだけ掲載できます。

双方向のコミュニケーションが可能
問い合わせフォームや資料請求機能を設置すれば、興味を持った人がその場でアクションを起こせます。名刺交換のように「待ち」の姿勢ではなく、相手からの接触を受け止める仕組みを作れます。

更新と改善ができる
印刷物は一度作ったら修正が困難ですが、Webサイトは情報を随時更新できます。新サービスの告知、採用情報の変更、実績の追加など、常に最新の情報を届けられます。

検索エンジンからの流入が見込める
Googleなどの検索エンジンで会社名やサービス名を検索した際に表示されることで、自社を知らない人にもリーチする可能性が生まれます。

こうした特性を持つWebサイトは、単なる「デジタル版の会社案内」ではありません。取引先、求職者、潜在顧客といったステークホルダーとの接点を作り、関係構築の入り口となるものです。


なぜ「コスト」ではなく「資産」と考えるべきなのか?

Webサイト制作には費用がかかります。制作会社に依頼すれば数十万円から数百万円、その後も保守や更新の費用が発生します。この費用をどう捉えるかで、Webサイトへの向き合い方は大きく変わります。

「コスト」として捉えた場合
費用を抑えることが最優先になります。「とりあえず安く作ってもらえればいい」「名刺代わりになれば十分」という考え方です。このアプローチでは、制作後に活用されないまま放置されるケースが少なくありません。

「資産」として捉えた場合
初期投資に対して、どのようなリターンが得られるかを考えます。問い合わせの増加、採用応募の獲得、業務効率化など、Webサイトが生み出す価値を長期的な視点で評価します。

資産として捉える考え方の本質は、Webサイトが「24時間365日働く営業マン」になりうる点にあります。営業担当者が1日に対応できる顧客数には限りがあります。Webサイトなら、深夜でも休日でも、同時に何人でも対応可能です。

ただし、ここで強調しておきたいのは、Webサイトを作れば自動的に成果が出るわけではない、という点です。作っただけで放置すれば、その価値は急速に低下します。適切な運用と更新を続けることで、はじめてWebサイトは「資産」として機能します。


Webサイトが企業にもたらす5つの価値とは?

1. 信頼構築

「この会社、ホームページがないけど大丈夫かな」——BtoB取引の現場では、取引先を検討する際にまずWebサイトを確認することが一般的になっています。

トライベック・ブランド戦略研究所の「BtoBサイト調査2024」では、企業のWebサイトが製品・サービスの情報収集において重要な役割を果たしていることが示されています。Webサイトがない、あるいは情報が古いままの状態は、取引先からの信頼を得る上でハンディキャップとなりえます。

2. 集客

検索エンジンからの流入により、自社のサービスを求めている潜在顧客と出会う機会が生まれます。地域名+業種、課題+解決策といったキーワードで検索した人がWebサイトを訪れ、問い合わせにつながるケースは珍しくありません。

営業活動に十分な人員を割けない中小企業にとって、Webサイトは新規顧客との接点を作る数少ない手段の一つです。

3. 採用

求職者の情報収集行動において、企業のWebサイトは極めて重要な位置を占めています。

キャリタス社の「2025年卒採用ホームページに関する調査」によると、就職活動中に企業のコーポレートサイトに「目を通した」学生は93.4%に上ります。また、志望企業の研究に有益な情報源として「個別企業のホームページ」を挙げた学生は63.1%で最多でした。

同調査では、採用ホームページのデザインや情報の古さが就職志望度に「影響する」と回答した学生が87.8%に達しています。Webサイトがない、あるいは更新されていない状態は、採用活動において不利に働く可能性が高いといえます。

4. 業務効率化

「よくある質問」をWebサイトに掲載すれば、同じ内容の問い合わせ対応を減らせます。カタログや資料をダウンロード可能にすれば、郵送の手間とコストを削減できます。

こうした効率化は、すぐに目に見える成果にはなりにくいものの、積み重なれば相応の時間とコストの節約につながります。

5. ブランディング

企業の理念、歴史、強み、大切にしている価値観——こうした情報をWebサイトで発信することで、「どんな会社なのか」を伝えられます。

特に中小企業の場合、大企業のように広告費をかけてブランド認知を高めることは困難です。Webサイトは、限られた予算の中で自社のブランドを形作る有効な手段となります。


Webサイトの寿命はどれくらいなのか?

Webサイトには「寿命」があります。技術の進歩やデザインのトレンド変化、そして事業内容の変化に伴い、いずれは刷新が必要になります。

一般的には、3〜5年がWebサイトのリニューアル周期の目安とされています。Web担当者Forumの調査では2〜3年という回答も多く見られました。また、日経225構成企業を対象とした調査では、コーポレートサイトの平均リニューアル周期は約5.5年という結果も出ています。

リニューアルが必要になる主な理由は以下の通りです。

  • スマートフォン対応など、技術的な要件の変化
  • デザインの陳腐化
  • 事業内容や組織体制の変化
  • 集客・採用における課題の顕在化

5年間運用することを前提に考えると、制作費用を期間で割った月額コストが見えてきます。例えば150万円で制作し、5年間活用するなら、月額2.5万円。その間に何件の問い合わせや採用応募を獲得できるか——この視点で投資対効果を評価することが大切です。


自社にWebサイトは必要なのか?判断のポイントは?

「すべての企業にWebサイトが必要」とは言い切れません。事業の特性や現状によって、優先度は異なります。

Webサイトの優先度が高いと考えられるケース

  • 新規顧客との接点を増やしたい
  • 採用活動を強化したい
  • 取引先から信頼を得る材料が欲しい
  • 既存の紙媒体では伝えきれない情報がある

優先度がそれほど高くないケース

  • 既存顧客からの紹介だけで事業が成り立っており、新規開拓の必要がない
  • 採用は縁故やハローワークで十分に確保できている
  • BtoC向けの店舗ビジネスで、SNSや口コミサイトで十分に集客できている

とはいえ、現時点で「必要ない」と思っていても、事業環境は常に変化します。取引先の世代交代、採用難の深刻化、競合他社のWeb活用——こうした変化の中で、後からWebサイトの重要性に気づくケースは少なくありません。

「今すぐ必要か」だけでなく、「3年後、5年後にどうなっているか」という視点も持っておくことをお勧めします。


まとめ

Webサイトは、名刺やパンフレットとは異なる役割を持ち、適切に運用すれば長期的に価値を生み出す「資産」になりえます。

この記事で解説した5つの価値——信頼構築、集客、採用、業務効率化、ブランディング——のうち、自社にとって特に重要なのはどれでしょうか。その優先順位を考えることが、Webサイト制作を検討する第一歩となります。

費用は決して安くありませんが、「コスト」として消化するのか、「資産」として活かすのか。その姿勢の違いが、Webサイトの成果を大きく左右します。

この記事からわかるQ&A

中小企業のWebサイト保有率はどれくらいですか?

総務省の令和5年通信利用動向調査では従業員100人以上の企業で93.2%、アイ・モバイル社の中小企業調査(2023年)では48.5%でした。企業規模が小さくなるほど保有率は下がる傾向にあります。

求職者はどれくらい企業のWebサイトを見ていますか?

キャリタス社の調査(2024年)によると、就職活動中に企業のコーポレートサイトに「目を通した」学生は93.4%でした。また、志望企業の研究に「個別企業のホームページ」が有益と回答した学生は63.1%で最多となっています。

Webサイトの一般的な寿命(リニューアル周期)はどれくらいですか?

一般的には3〜5年が目安とされています。技術の進歩、デザインのトレンド変化、事業内容の変化などに伴い、定期的な刷新が必要になります。

Webサイトを「資産」として捉えるとはどういう意味ですか?

初期費用を「かかって終わりのコスト」ではなく、長期的にリターンを生み出す「投資」として考えることです。問い合わせ獲得、採用応募、業務効率化など、Webサイトがもたらす価値を運用期間全体で評価する考え方です。

Webサイトを持たないことのデメリットはありますか?

BtoB取引では、取引先候補の調査でWebサイトを確認することが一般的です。Webサイトがない、あるいは情報が古い状態は、信頼を得る上でハンディキャップとなりえます。また、採用活動においても、Webサイトの有無や情報の鮮度が志望度に影響するという調査結果が出ています。

引用・参考資料

  • 総務省「令和5年通信利用動向調査」(2024年)
  • アイ・モバイル株式会社「中小企業6,744社を対象としたホームページ保有状況調査」(2023年)
  • トライベック・ブランド戦略研究所「BtoBサイト調査2024」
  • 株式会社キャリタス「2025年卒採用ホームページに関する調査」(2024年7月)
  • Web担当者Forum「Webサイトリニューアル周期に関する調査」

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

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