YouTubeとは?中小企業向け長尺動画の可能性と限界を解説

この記事でわかること
- YouTubeの基本的な仕組みと、Googleが運営する「検索エンジン」としての側面
- 長尺動画プラットフォームとしての特徴(アーカイブ性、検索流入、信頼構築)
- TikTokやInstagramとの違いと、中小企業にとっての使い分け
- 採用・ブランディング・技術伝承・商品紹介の4つの活用シーン
- YouTubeの可能性と限界を踏まえた、導入判断のポイント
「動画の時代」と言われて久しく、SNSやWebサイトで動画コンテンツを目にする機会が増えました。その中心にあるのがYouTubeです。
しかし、「YouTubeは若者向けのエンタメ」「自社には関係ない」と考える経営者も少なくありません。総務省の調査によると、YouTubeの利用率は全年代で80.8%。30代では97.9%、40代でも91.8%が利用しており、ビジネス層への到達手段としても機能しています。
この記事では、YouTubeの基本的な仕組みから、中小企業における活用の可能性と限界までを整理します。動画マーケティングの第一歩として、まずはプラットフォームの特性を正しく理解しましょう。
YouTubeとは何か?世界最大の動画プラットフォームの基本
YouTubeは、2005年にサービスを開始し、翌年Googleに買収された動画共有プラットフォームです。現在、世界で月間約26億人のアクティブユーザーを抱え、Facebookに次ぐ世界第2位のソーシャルネットワークとなっています。
日本国内では、18歳以上の月間視聴者数が7,370万人を超えています(2024年5月時点、Google発表)。これは18歳以上の日本人口の68%以上に相当する数字です。
「検索エンジン」としてのYouTube
YouTubeの特徴として見落とされがちなのが、「検索エンジン」としての側面です。
Googleに次いで世界で2番目に検索クエリが多いプラットフォームとされており、「○○ やり方」「○○ 比較」「○○ レビュー」といったキーワードで動画を探すユーザーが数多く存在します。製品の使い方を調べたいとき、文字の説明書ではなく動画で見たいというニーズが高まっているためです。
GoogleとYouTubeは同じAlphabet傘下にあり、Google検索の結果にYouTube動画が優先的に表示されることも少なくありません。動画を含むWebページは、Google検索の1ページ目に表示される確率が最大53倍高いという調査結果もあります(Forrester Research)。
つまりYouTubeに動画を投稿することは、Google検索からの流入経路を増やすことにもつながるわけです。
長尺動画プラットフォームとしてどのような特徴があるのか?
YouTubeは、数十秒のショート動画から数時間のセミナー動画まで、多様な長さのコンテンツに対応しています。その中でも特に強みを発揮するのが「長尺動画」です。
深い情報を伝えられる
動画は、文字や画像よりも多くの情報を短時間で伝えることができます。
ある調査によると、1分間の動画にはWebページ約3,600ページ分、180万語に相当する情報量が含まれるとされています。製品の操作方法、サービスの利用イメージ、職場の雰囲気など、文字だけでは伝わりにくい情報を効果的に届けられるのが動画の強みです。
特に長尺動画は、15秒や60秒では説明しきれない複雑な内容を丁寧に伝えるのに適しています。製造業の加工工程、専門サービスの導入プロセス、経営者の想いといった、時間をかけて説明すべき内容との相性が良いといえます。
「ストック型」のコンテンツ資産になる
TikTokやInstagramのリールは「フロー型」のコンテンツが中心です。投稿直後に一気に拡散され、その後は急速に埋もれていく傾向があります。
一方、YouTubeは「ストック型」の特性を持ちます。一度投稿した動画は、検索結果やおすすめ表示を通じて、数カ月後、数年後にも視聴され続ける可能性があります。
製品マニュアルや会社紹介の動画が、投稿から2年後も毎月一定の再生数を維持している——そうした「長く働き続けるコンテンツ」を作れるのがYouTubeの特徴です。この性質を「資産性」や「アーカイブ性」と呼びます。
信頼構築に時間をかけられる
15秒の動画では、企業の信頼性を伝えるのに限界があります。
長尺動画であれば、経営者が自社の歴史や理念を語る時間を確保でき、視聴者との間に信頼関係を構築しやすくなります。BtoB企業や高単価サービスを扱う企業にとって、「この会社は信頼できそうだ」と思ってもらうことは重要な課題です。長尺動画は、そうした信頼構築のプロセスを支援するメディアとして機能します。
なぜ今、中小企業がYouTubeに注目するのか?
YouTubeはエンタメや大企業のプロモーション向けと思われがちですが、中小企業にとっても活用の機会が広がっています。
ビジネス層・決裁者層への到達
YouTubeの利用は若年層に限りません。総務省「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、年代別の利用率は以下のとおりです。
- 10代:95.7%
- 20代:97.2%
- 30代:97.9%
- 40代:91.8%
- 50代:83.0%
- 60代:71.2%
45〜64歳の視聴者は2,740万人以上に達し、同世代人口の79%以上を占めています。経営者や決裁権を持つビジネスパーソンの多くがYouTubeを日常的に利用しているといえます。
テレビ離れと動画視聴の日常化
コネクテッドTV(インターネット接続されたテレビ)でYouTubeを視聴する人が増えています。2020年から2023年の3年間で、コネクテッドTVによるYouTube視聴時間は2倍以上に伸びました。
リビングのテレビでYouTubeを見る習慣が定着したことで、動画コンテンツの視聴時間全体が増加しています。こうした視聴環境の変化は、企業の情報発信にとっても追い風となっています。
制作・配信のハードルが下がった
かつて動画制作は専門業者に依頼するのが当然で、1本あたり数十万円から数百万円のコストがかかりました。
現在は、スマートフォンでも十分な画質の動画が撮影でき、無料または安価な編集ソフトも充実しています。YouTubeへの投稿は無料で、特別な審査もありません。中小企業が自社で取り組める環境が整ってきたといえます。
中小企業における4つの活用シーンとは?
YouTubeを活用する目的は企業によって異なりますが、中小企業では主に以下の4つのシーンで活用されています。
1. 採用活動での活用
求職者にとって、企業のWebサイトやパンフレットだけでは「実際に働くイメージ」がつかみにくいという課題があります。
YouTubeで社員インタビューや職場紹介の動画を公開することで、社風や雰囲気を伝えられます。「この会社で働きたい」と思ってもらうきっかけになると同時に、入社後のミスマッチ防止にもつながります。
大手企業と比較して知名度で劣る中小企業でも、「人」や「雰囲気」を見せることで差別化が可能です。
2. ブランディング・信頼構築
経営者の想いや企業の歴史、商品へのこだわりを伝える動画は、ブランドイメージの形成に寄与します。
文字で「品質にこだわっています」と書くよりも、実際に経営者が語る姿や、製造現場の映像を見せるほうが説得力があります。特にBtoB企業や高単価商材を扱う企業では、「信頼できるパートナー」という印象を持ってもらうことが重要です。
3. 技術伝承・ノウハウ共有
製造業やサービス業では、熟練者の技術やノウハウを次世代にどう引き継ぐかが課題になります。
作業手順を動画で記録しておけば、新人教育の効率化につながります。社外向けに公開すれば、自社の技術力をアピールするコンテンツにもなりえます。
「職人の手元の動き」や「機械の操作音」など、文字マニュアルでは伝えにくい情報を残せる点が動画の強みです。
4. 商品・サービス紹介
商品の使い方や導入事例を動画で紹介することで、購買検討中の顧客に情報を届けられます。
「実際に使っている様子」を見せることで、文字や写真だけでは伝わらない使用感やサイズ感を伝えられます。ECサイトやサービスサイトに埋め込むことで、コンバージョン率の向上も期待できます。
YouTubeで「できること」と「できないこと」は何か?
YouTubeには多くの可能性がありますが、万能ではありません。導入を検討する際は、できることとできないことを正しく理解しておく必要があります。
期待できる効果
検索からの継続的な流入
SEO(検索エンジン最適化)と同様に、適切なタイトルや説明文、タグを設定した動画は、YouTube検索やGoogle検索から継続的にアクセスを集められます。
長期的に働く「資産」の形成
一度投稿した動画は削除しない限り残り続けます。営業資料として活用したり、Webサイトに埋め込んだり、多目的に使い回せる資産となります。
複雑な情報のわかりやすい伝達
製品の特徴や導入プロセスなど、文字では説明しにくい内容を視覚と聴覚の両方で伝えられます。
幅広い年齢層へのリーチ
10代から60代まで、各年代で高い利用率を誇るため、特定世代に偏らない情報発信が可能です。
限界と注意点
即効性は期待しにくい
YouTubeは「投稿してすぐにバズる」プラットフォームではありません。チャンネル登録者数や再生回数が伸びるまでには、数カ月から1年以上かかることが一般的です。短期的な成果を求めるなら、広告出稿など別の手段を併用する必要があります。
継続的な投稿が前提
1本の動画を投稿して終わりではなく、定期的な更新が求められます。最低でも月1〜2本、理想的には週1本程度のペースで投稿を続けることで、チャンネルの評価が高まり、視聴者との接点が増えていきます。
リソース(時間・人材・スキル)が必要
企画、撮影、編集、投稿、分析——動画運用には一定のリソースが必要です。社内で対応するにしても、外部に委託するにしても、継続できる体制を整える必要があります。
競合が多く、新規チャンネルの認知獲得は難しい
YouTubeには膨大な数のチャンネルと動画が存在します。後発で参入する場合、独自性のあるコンテンツやニッチな領域での専門性がないと、埋もれてしまうリスクがあります。
まとめ
YouTubeは、世界最大の動画共有プラットフォームであり、Googleが運営する「検索エンジン」としての側面を持ちます。長尺動画を通じて深い情報を伝え、信頼を構築し、長期的に働く「資産」を形成できる点が特徴です。
中小企業にとっては、採用活動、ブランディング、技術伝承、商品紹介といった多様なシーンで活用の可能性があります。
一方で、即効性は期待しにくく、継続的な投稿とリソースの確保が前提となります。「とりあえず始めてみよう」という姿勢ではなく、目的を明確にし、継続できる体制を整えた上で取り組むことが成功への第一歩です。
この記事からわかるQ&A
YouTubeの国内利用者数はどれくらいですか?
2024年5月時点で、18歳以上の月間視聴者数は7,370万人を超えています(Google発表)。これは18歳以上の日本人口の68%以上に相当します。
YouTubeは若者向けのプラットフォームではないのですか?
利用率は10代〜30代で95%以上、40代で91.8%、50代で83.0%、60代でも71.2%と、全年代で高い水準にあります(総務省「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」)。ビジネス層や決裁者層への到達手段としても機能しています。
YouTubeとTikTokの違いは何ですか?
TikTokはショート動画中心で「フロー型」の拡散力が強みです。一方、YouTubeは長尺動画に対応し、検索経由の流入や長期的な資産形成(ストック型)に優れています。目的に応じた使い分けが有効です。
中小企業がYouTubeを始めるには、どの程度のコストがかかりますか?
YouTubeへの投稿自体は無料です。動画制作を内製化すればコストを抑えられますが、クオリティを求める場合は外部への委託も選択肢となります。本記事では費用の詳細には踏み込んでいませんが、継続できる体制を整えることが重要です。
YouTubeを始めてすぐに効果は出ますか?
即効性は期待しにくいプラットフォームです。チャンネル登録者数や再生回数が安定するまでには、数カ月から1年以上かかることが一般的です。継続的な投稿と長期的な視点が求められます。
引用・参考資料
総務省「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
Google「YouTube Brandcast 2024」発表データ
日本経済新聞「YouTube国内月間視聴者7370万人」(2024年10月)
Forrester Research「Video SEO Study」
Statista「YouTube Global Statistics」
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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