YouTubeユーザー層と市場動向|企業が知るべきデータ

この記事でわかること
- 国内YouTubeの月間アクティブユーザー数と市場における位置づけ
- 年代別の利用率データと「若者向けプラットフォーム」という誤解の実態
- コネクテッドTV(テレビでのYouTube視聴)の急速な普及状況
- 視聴目的の多様化(エンタメから学び・情報収集・購買検討へ)
- BtoB企業や採用活動におけるYouTube活用の可能性
YouTubeを活用したマーケティングや採用活動を検討する際、最初に確認しておきたいのが「誰が、どのように視聴しているのか」という実態です。
「YouTubeは若者向けのプラットフォーム」「エンタメ目的の視聴が中心」といった印象を持つ経営者やマーケティング担当者は少なくありません。しかし、実際のデータを見ると、その認識は大きく修正が必要です。
本記事では、総務省調査やGoogle公式発表などの一次データを中心に、国内YouTubeユーザーの実像と市場動向を整理します。自社のターゲット層にYouTubeでリーチできるのか、データに基づいて判断するための材料を提供します。
国内YouTubeユーザー数は現在どれくらいなのか?
月間7,370万人という規模
2024年5月時点で、国内の18歳以上のYouTube月間アクティブユーザー数は7,370万人に達しています(Google「YouTube Brandcast 2024」発表)。この数字は、日本の18歳以上人口の約7割に相当します。
世界全体では、月間アクティブユーザー数が27億人を超え、Googleに次ぐ世界第2位の検索エンジンとしても機能しています。
他のプラットフォームとの比較
総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、主要SNS・動画プラットフォームの全年代利用率は以下のとおりです。
| プラットフォーム | 利用率(全年代) | 前年比 |
|---|---|---|
| LINE | 91.1% | -3.8pt |
| YouTube | 80.8% | -7.0pt |
| 52.6% | -3.5pt | |
| X(旧Twitter) | 43.3% | -5.7pt |
| TikTok | 33.2% | +0.7pt |
| 26.8% | -3.9pt |
LINEに次ぐ2位の利用率を維持しており、InstagramやX、TikTokと比較しても圧倒的な普及率を誇っています。なお、2024年と比較すると主要SNSの利用率は軒並み低下傾向にありますが、TikTokのみがプラス成長を維持しています。
YouTubeは依然として「日本で最も多くの人が利用する動画プラットフォーム」としての地位を保っており、企業がターゲット層へリーチするための基盤として機能しています。
年代別の利用状況はどうなっているのか?
30代・40代・50代でも高い利用率
YouTubeを「若者向けのプラットフォーム」と捉えている方は多いかもしれません。しかし、年代別の利用率データを見ると、その印象は修正が必要です。
同じく総務省調査による年代別利用率は以下のとおりです。
| 年代 | 利用率 |
|---|---|
| 10代 | 95.7% |
| 20代 | 97.2% |
| 30代 | 97.9% |
| 40代 | 91.8% |
| 50代 | 83.0% |
| 60代 | 71.2% |
特筆すべきは、30代の利用率が97.9%と全年代で最も高い点です。40代でも91.8%、50代でも83.0%と、ビジネスの意思決定層にあたる年代で非常に高い利用率を示しています。
「若者向け」という誤解の背景
YouTubeが「若者向け」と認識されがちな背景には、エンタメ系コンテンツやYouTuberの存在感が大きいことが挙げられます。しかし、実際の利用実態を見ると、30代〜50代のビジネスパーソンにとっても日常的な情報源となっていることがわかります。
Google公式発表によれば、45歳〜64歳のYouTubeユーザーは2,740万人以上に達しており、これは同世代人口の79%以上に相当します。中高年層へのリーチという観点でも、YouTubeは有力なプラットフォームです。
視聴デバイスはどのように変化しているのか?
コネクテッドTVの急速な普及
YouTubeの視聴環境において、近年最も大きな変化が「コネクテッドTV(CTV)」の台頭です。コネクテッドTVとは、インターネットに接続されたテレビやストリーミングデバイス(Fire TV Stick、Chromecast、Apple TVなど)を通じて動画を視聴する形態を指します。
Google公式発表によると、2020年から2023年の3年間で、日本国内におけるテレビでのYouTube視聴時間は2倍以上に増加しました。
YouTube CEOのニール・モハン氏は、2025年のカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルにおいて「視聴者は毎日10億時間以上もテレビでYouTubeを視聴している」「世界で最も視聴されているYouTubeチャンネルトップ100のうち、半数以上はテレビで視聴されている」と発表しています。
日本国内のCTV視聴状況
REVISIO・クロス・マーケティングによる「コネクテッドTV白書2025」によると、CTV視聴世帯における平均視聴時間は、YouTubeが1日あたり60.1分で、地上波を含む全チャンネル中1位となりました。
この結果は、YouTubeがもはや「スマホで移動中に見るもの」ではなく、「リビングのテレビで家族と一緒に見るもの」へと変化していることを示しています。
企業にとっての意味
コネクテッドTVの普及は、企業のYouTube活用において重要な意味を持ちます。
テレビ画面での視聴は、スマホでの視聴と比較して、より落ち着いた環境で、長時間の動画も視聴されやすい傾向があります。企業の製品紹介や技術解説、経営者インタビューなど、一定の尺を必要とするコンテンツにとって、この視聴環境の変化は追い風となります。
なお、モバイル視聴は依然として全体の67%を占めており(2025年5月時点、Similarweb調査)、デスクトップは約33%です。視聴デバイスの多様化を前提としたコンテンツ設計が求められています。
視聴目的はどう多様化しているのか?
エンタメから「学び」「情報収集」へ
YouTubeの視聴目的は、エンタメ中心から「学び」や「情報収集」へと広がっています。
グローバルの調査データによると、92%のユーザーが「情報と知識を集めるため」にYouTubeを利用しており、同じく92%が「実際に問題を解決する方法を学んでいる」と回答しています。
日本国内においても、ナイル株式会社が2023年に実施した調査では、YouTube利用者の約4割(41.3%)が「ビジネス系YouTubeチャンネルの動画を視聴する」と回答。その目的として「ビジネススキルを向上させるため」(44.1%)、「市場や業界の情報収集」(43.3%)が上位に挙がっています。
購買検討時の活用
YouTubeは購買行動にも強い影響を与えています。Googleの調査によると、40%以上の購入者がYouTubeで視聴した商品を実際に購入しています。
製品レビュー、開封動画(アンボクシング)、デモンストレーション動画など、実際の使用感を伝えるコンテンツが購買検討の材料として活用されています。BtoC商材だけでなく、BtoB商材においても、導入事例や機能解説の動画が検討段階で参照されるケースが増えています。
ニュース情報源としての役割
Pew Research Centerの2024年調査によると、ニュース情報源としてYouTubeを利用する人の割合は32%に達し、Facebookとほぼ同等の水準となりました。
YouTubeは単なるエンタメプラットフォームではなく、情報収集、学習、購買検討、ニュース取得など、多様な目的で利用される総合的な動画プラットフォームへと進化しています。
企業チャンネルの現状はどうなっているのか?
BtoB企業の参入が加速
YouTubeチャンネルを運営する企業は、BtoC領域だけでなく、BtoB領域でも増加傾向にあります。
Google「YouTube Brandcast 2024」によると、チャンネルを運営している中小企業の74%が「YouTubeで新しい視聴者層にリーチすることで、顧客基盤の拡大に役立った」と回答しています。
BtoB企業においては、製品紹介や企業情報の発信にとどまらず、企業の思想や専門性、カルチャーを伝える「コミュニケーションの場」としてYouTubeを活用する動きが広がっています。セミナーやホワイトペーパーの内容を動画化してYouTubeで公開し、リード獲得につなげる活用方法も見られます。
採用活動での活用増加
企業のYouTube活用において、特に注目されているのが採用領域です。
調査によると、就職活動中の学生のうち約5割がYouTubeで採用動画を視聴した経験があり、動画を視聴した学生の約8割が「志望度が上がった」と回答しています。
採用のメインターゲットである20代〜30代の利用率が97%を超えている点、テキストでは伝わりにくい「社内の雰囲気」や「社員の人柄」を動画で伝えられる点が、YouTube採用が注目される背景となっています。
企業ターゲットへのリーチは可能なのか?
BtoB層への到達可能性
BtoB企業がYouTubeを活用する場合、「ターゲット層に届くのか」という懸念が生じることがあります。
しかし、前述のデータが示すとおり、30代〜50代のビジネスパーソン層でも80%以上の利用率を維持しています。また、ビジネス系動画の視聴目的として「市場や業界の情報収集」「経営者の話を聞きたい」といった回答が上位に挙がっており、BtoB領域の情報ニーズは確実に存在しています。
YouTubeはGoogleに次ぐ検索エンジンとしても機能しているため、業界固有のキーワードで検索するビジネスパーソンに対して、検索結果から動画コンテンツを届けることが可能です。
採用ターゲット(20代〜30代)へのリーチ
採用活動においては、20代〜30代の利用率が97%を超えているYouTubeは、求職者へのリーチ手段として有力です。
求人サイトやナビサイトでは伝えきれない「職場の雰囲気」「社員の人柄」「経営者の想い」を動画で伝えることで、入社後のミスマッチを減らし、志望度を高める効果が期待できます。
YouTubeに投稿した動画は、採用サイトへの埋め込み、SNSでのシェア、説明会での上映など、多目的に活用できる点も採用活動における利点です。
まとめ
YouTubeは、国内月間アクティブユーザー7,370万人、全年代利用率80.8%を誇る、日本で最も多くの人が利用する動画プラットフォームです。
「若者向け」という印象に反して、30代〜50代のビジネスパーソン層でも高い利用率を示しており、視聴目的も「エンタメ」から「学び」「情報収集」「購買検討」へと多様化しています。コネクテッドTVの普及により、リビングのテレビで落ち着いて視聴される機会も増えました。
BtoB企業や採用活動においても、YouTubeを活用する企業は増加傾向にあります。自社のターゲット層がYouTubeを利用しているかどうか、本記事で紹介したデータを参考に検討してみてください。
この記事からわかるQ&A
国内YouTubeの月間アクティブユーザー数はどれくらいですか?
2024年5月時点で、18歳以上の月間アクティブユーザー数は7,370万人です。これは日本の18歳以上人口の約7割に相当し、LINEに次ぐ2位の利用率(全年代80.8%)を維持しています。
YouTubeは若者向けのプラットフォームですか?
データを見ると、その認識は修正が必要です。30代の利用率は97.9%と全年代で最も高く、40代91.8%、50代83.0%と、ビジネスの意思決定層にあたる年代でも非常に高い利用率を示しています。
コネクテッドTVとは何ですか?
インターネットに接続されたテレビやストリーミングデバイス(Fire TV Stick、Chromecast、Apple TVなど)を通じて動画を視聴する形態です。日本国内では2020年から2023年の3年間で視聴時間が2倍以上に増加しており、CTV視聴世帯ではYouTubeが1日あたり60.1分と全チャンネル中1位の視聴時間となっています。
YouTubeの視聴目的はどのように変化していますか?
エンタメ中心から「学び」「情報収集」「購買検討」へと広がっています。国内調査では約4割がビジネス系動画を視聴し、その目的として「ビジネススキル向上」「市場・業界の情報収集」が上位に挙がっています。また、40%以上の購入者がYouTubeで視聴した商品を実際に購入しているというデータもあります。
BtoB企業でもYouTubeを活用できますか?
活用可能です。30代〜50代のビジネスパーソン層で80%以上の利用率があり、ビジネス系動画の視聴ニーズも確認されています。チャンネルを運営している中小企業の74%が「顧客基盤の拡大に役立った」と回答しており、製品紹介、セミナー動画、導入事例など多様なコンテンツでBtoB層へのリーチが可能です。
引用・参考資料
- 総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年6月公開)
- Google「YouTube Brandcast 2024」(2024年10月発表)
- 日本経済新聞「YouTube国内月間視聴者7370万人」(2024年10月25日)
- REVISIO・クロス・マーケティング「コネクテッドTV白書2025」
- ナイル株式会社「YouTubeビジネス動画に関するアンケート調査」(2023年10月実施)
- Pew Research Center「Social Media Fact Sheet」(2024年)
- Similarweb「YouTube Traffic Statistics」(2025年5月)
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

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