TikTokとは?企業が知っておくべき可能性と限界

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この記事でわかること

  • TikTokの基本的な仕組みと、従来のSNSとの違い
  • 企業がTikTokを活用する4つの主要パターン
  • TikTok活用で期待できる効果と、具体的な数値データ
  • 運用を始める前に知っておくべき限界と注意点
  • 自社にTikTokが適しているかを判断するためのポイント

「TikTokって若者が踊っているアプリでしょう?うちの会社には関係ない」——そう考えている経営者や担当者は少なくありません。

しかし、2025年11月時点でTikTokの国内月間利用者数は4,200万人を突破し、約3年で2倍に成長しました(日本経済新聞、2025年11月27日)。利用者層も10代・20代中心から30代・40代へと広がりを見せており、企業のマーケティングや採用活動において無視できない存在となっています。

本記事では、TikTokの基本的な仕組みから、企業が活用できる4つのパターン、期待できる効果、そして見落としがちな限界と注意点まで、中小企業の視点で整理していきます。


TikTokとは何か?従来のSNSと何が違うのか?

TikTokは、15秒から3分程度の短尺動画を投稿・視聴できるプラットフォームです。中国のByteDance社が運営しており、2017年に国際版がリリースされて以降、急速に普及しました。

従来のSNSとの最大の違いは、「アルゴリズム主導のコンテンツ配信」にあります。XやInstagramでは、フォロワーの多さやエンゲージメント数が投稿の露出に大きく影響します。一方、TikTokでは独自のレコメンドアルゴリズムが機能し、フォロワー数が0の状態でも、動画の内容次第で数万回再生されることがあります。

TikTokの主な特徴

縦型全画面の没入体験
スマートフォンに最適化された縦型フルスクリーン表示により、視聴者の注意を引きやすい設計になっています。

スワイプによる連続視聴
興味がなければ上にスワイプして次の動画へ移動できるため、最初の数秒で視聴者の関心を捉えることが求められます。

音楽・エフェクトの活用
流行の楽曲やエフェクトを組み合わせることで、トレンドに乗った動画を制作しやすい環境が整っています。

「おすすめ」フィードの優位性
ユーザーの多くは「おすすめ」フィードを中心に動画を視聴するため、フォロワー以外へのリーチが生まれやすい構造となっています。


企業がTikTokを活用する4つのパターンとは?

企業のTikTok活用は、大きく4つの目的に分類できます。それぞれの特徴を把握した上で、自社に合った活用法を検討することが重要です。

1. 採用活動

TikTokを採用チャネルとして活用する企業が増えています。ある調査によると、Z世代の就活生の約80%がTikTokで企業の動画を視聴した経験があり、そのうち約66%が実際にエントリーしたと回答しています(Z世代就活生TikTok活用実態調査)。

求人票や採用サイトでは伝えきれない「職場の雰囲気」や「社員の人柄」を動画で可視化できる点が、採用活動における大きな強みとなっています。

2. ブランディング・認知拡大

商品やサービスの認知を広げる目的でTikTokを活用するケースも増加しています。TikTokが日本経済に直接貢献した額は、2024年に4,855億円に達したとの調査結果もあり(TikTok Socio-Economic Impact Report)、消費行動への影響力は無視できません。

特に、飲食店やカフェ、美容室といった生活密着型のサービス業、旅行・レジャー産業での活用事例が目立ちます。

3. 店舗集客

地域密着型の店舗ビジネスにおいて、TikTokは新たな集客チャネルとして機能しています。地元の名前や特定のハッシュタグを活用することで、広告費を抑えながらターゲット層へアプローチできる点がメリットです。

料理が完成する様子や美容施術のビフォーアフターなど、視覚的にわかりやすいコンテンツが効果を発揮しやすい傾向にあります。

4. EC・商品販売

2025年6月には日本でも「TikTok Shop」がスタートし、動画を見てその場で購入できる「ディスカバリーEコマース」の環境が整いつつあります。コスメやアパレル、家電などのカテゴリで成果が報告されています。


TikTokで期待できる効果は?

TikTokを活用した企業の実態調査から、いくつかの具体的な効果が見えてきます。

認知度向上と新規顧客獲得

TikTokを活用している中小企業のマーケティング担当者を対象にしたアンケート調査では、45.6%が「企業やサービスの認知度が向上した」と回答。また35.0%が「新規顧客を獲得できた」と実感しています。

フォロワー0からのリーチ獲得

TikTok最大の特徴は、フォロワー数に関係なくコンテンツが拡散される可能性がある点です。XやInstagramのように「まずフォロワーを増やす」というステップを経ずに、動画の内容次第で多くのユーザーにリーチできます。

採用活動における効果

TikTokを活用した採用活動を行う人事担当者への調査では、72.4%が「応募人数が増えた」と回答。また、47.6%が「3ヶ月以内で採用の月単価が求人広告の運用時よりも低くなった」と、コストメリットを実感しています(Suneight調査、2023年)。

若年層〜30代へのアプローチ

NTTドコモ・モバイル社会研究所の調査(2024年1月)によると、10代のTikTok利用率は約55%、20代は33.7%、30代は22.3%となっており、いずれも前年比で10ポイント以上増加しています。

「若者だけのアプリ」というイメージは過去のものになりつつあり、30代の3人に1人、40代でも4人に1人以上が利用しているという調査結果も出ています。


TikTokの限界と注意点は?運用前に知っておくべきことは?

TikTokには多くの可能性がある一方で、万能ではありません。導入を検討する前に、以下の限界と注意点を理解しておく必要があります。

直接的な購買・応募への転換は限定的

TikTokは認知拡大やブランディングには効果を発揮しますが、動画を見た瞬間に購入や応募といった行動に直結するケースは限定的です。「興味を持つきっかけ」として機能することが多く、最終的なコンバージョンまでには、Webサイトや採用ページなど他のチャネルとの連携が求められます。

継続的な運用リソースが必要

TikTokで成果を出すためには、継続的なコンテンツ制作と投稿が欠かせません。週に数本のペースで動画を投稿し続けるには、企画立案、撮影、編集、投稿といった一連の工程を担う体制が必要です。

「最初は熱心に取り組んでいたが、数ヶ月で更新が止まってしまった」というケースは少なくありません。運用開始前に、継続できる体制を整えておくことが重要です。

全ての企業に向いているわけではない

TikTokは視覚的なインパクトや親しみやすさが求められるプラットフォームです。そのため、以下のような企業・商材には向きにくい傾向があります。

  • ターゲット層が50代以上中心の企業
  • BtoBで購買プロセスが長い商材
  • コンプライアンス上、カジュアルな表現が難しい業種
  • 動画で伝えにくい無形サービス

炎上リスクへの対応

TikTokは拡散力が高い分、意図しない形でネガティブな反応が広がるリスクもあります。投稿前に複数人でのチェック体制を設ける、センシティブなテーマは避けるといった事前対策が必要です。

商用ライセンスの制限

企業アカウントでは、商用ライセンスを持たない楽曲が使用できないという制限があります。人気のBGMが使えないことで、動画の拡散力に影響が出る可能性があるため、TikTokが提供する商用ライブラリの活用や、オリジナル楽曲の制作といった工夫が求められます。


まとめ

TikTokは、国内4,200万人以上が利用する主要なSNSへと成長しました。アルゴリズム主導のコンテンツ配信により、フォロワー0からでも多くのユーザーにリーチできる点は、他のSNSにはない大きな特徴です。

企業の活用パターンは、採用活動、ブランディング・認知拡大、店舗集客、EC・商品販売の4つに大別され、特に採用領域では約80%の就活生がTikTokで企業に興味を持った経験があるというデータもあります。

一方で、直接的な購買・応募への転換には他チャネルとの連携が必要であり、継続的な運用リソースの確保、炎上リスクへの対応といった課題も存在します。

TikTokの導入を検討する際は、「自社のターゲット層がTikTokを利用しているか」「継続的に運用できる体制があるか」「伝えたいメッセージが動画で表現できるか」といった観点から判断することをお勧めします。

この記事からわかるQ&A

TikTokの国内利用者数はどれくらいですか?

2025年11月時点で、TikTokの国内月間利用者数は4,200万人以上です。2022年11月時点の2,120万人から約3年で2倍に成長しています。

TikTokは若者だけが使っているのですか?

10代・20代の利用率が高いことは事実ですが、30代の約22%、40代でも4人に1人以上が利用しており、利用者層は年々広がっています。「若者だけのアプリ」というイメージは変化しつつあります。

TikTokを採用活動に活用する効果はありますか?

調査によると、TikTokを活用した採用活動で72.4%の人事担当者が「応募人数が増えた」と回答しています。また、Z世代の就活生の約80%がTikTokで企業に興味を持った経験があり、そのうち約66%が実際にエントリーしています。

TikTokはどのような企業に向いていますか?

視覚的にわかりやすいコンテンツが作りやすい業種(飲食、美容、小売、観光など)、若年層〜30代をターゲットとする企業、採用活動でZ世代にアプローチしたい企業に向いています。一方、ターゲット層が50代以上中心の企業や、購買プロセスが長いBtoB商材には向きにくい傾向があります。

TikTok運用を始める前に確認すべきことは?

継続的に運用できる体制(企画・撮影・編集・投稿)があるか、自社のターゲット層がTikTokを利用しているか、伝えたいメッセージが動画で表現できるか、炎上リスクへの対応体制があるか、といった点を事前に確認することをお勧めします。

引用・参考資料

  • 日本経済新聞「TikTok、日本の利用者数は月間4200万人 3年で2倍に」(2025年11月27日)
  • NTTドコモ モバイル社会研究所「10代のSNS利用動向調査」(2024年4月22日)
  • TikTok「Socio-Economic Impact Report」(2024年)
  • 株式会社Suneight「TikTok採用に関する実態調査」(2023年1月)
  • 総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

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