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財務諸表に載らない資産。経営者の想いと物語

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この記事でわかること

  • 財務諸表に載るものと載らないもの
  • 250社で見てきた「載らないもの」の中身
  • 想いが言葉になるまでの時間
  • 「想いをカタチに変えてみせましょう」の由来
  • 言葉にしなかった場合に起きること

私は2018年から2023年までの5年間、毎週、経営者インタビューの映像を制作してきました。訪問した会社は250社を超え、直接お話をうかがった経営者は200名を超えています。

その5年で私が見てきたのは、会社の価値のうち財務諸表に載る部分がごく一部だという点でした。載らない部分は、多くの場合、経営者の頭の中にだけ置かれています。

この記事では、その載らない部分に何が置かれているのかについて書いていきます。あわせて、アストライドが掲げている「想いをカタチに変えてみせましょう」という言葉が、どこから生まれたのかもお伝えします。


財務諸表に載るものと載らないもの

私ははじめに、載るものと載らないものを並べてお示しします。

載るもの載らないもの
売上高、利益なぜその事業を選んだのか
資産、負債どの取引先をどう守ってきたか
従業員数誰にどんな技術を継いできたか
設備、在庫どの局面で何を捨てたか

右の列に並んだ4つの項目は、数字には置き換わりません。ただし、会社が今の形になった理由は、そのほとんどが右の列の側に置かれています。

250社で見てきた「載らないもの」

対談の中で私がうかがってきたのは、判断の理由にあたる部分でした。

経営者の方はなぜその設備を、その年に入れたのか。なぜその取引先との付き合いを、条件が悪くなっても続けてこられたのか。なぜご子息を差し置いて、その社員に継がせようとお考えになったのか。

こうした判断の理由は、社内の資料には残っていません。決裁の書類に残るのは決めた内容であって、決めた理由のほうは経営者の頭の中に置かれたままです。

私が250社をたずねる中で気づいたのは、この理由が語られる場が会社の中にほとんどないという点でした。

想いが言葉になるまでの時間

こうした判断の理由は、対談の冒頭では出てきません。

最初の10分から20分のあいだは、よそゆきの言葉が続きます。30分を過ぎたあたりから、相手の言葉がその人自身のものへ変わります。判断の理由が出てくるのは、この変わり目より後になります。

言葉が変わる場面については、対談で相手の言葉が変わるのは30分を過ぎてからで詳しく記載しています。

私が1回の対談に1時間から2時間をいただいてきたのは、この変わり目より先に時間を残しておくためでした。

本人も気づいていなかった言葉

対談の中には、ご本人が自分の言葉に驚かれる場面があります。

自分が話したことを聞き返して、「そんなふうに考えていたんですね」とおっしゃる。私は5年のあいだに、この場面へ立ち会ってきました。

判断の理由は、決めたその時点では言葉になっていません。決めた本人の中でも、その理由は感覚のまま置かれています。ご本人がそれを人へ説明しようとしたとき、その理由は初めて言葉の形を取ります。

私が編集した10分から15分の映像をご覧になった経営者の方から、「自分でも気づいていなかった」というお言葉をいただいた場面がありました。

「想いをカタチに変えてみせましょう」の由来

アストライドが掲げている「想いをカタチに変えてみせましょう」という言葉は、ここから生まれています。

私が5年間で見てきたのは、経営者の中に確かにあるものが、外から見えない状態で置かれている姿でした。それは本人の中では明らかであっても、社員にも取引先にも伝わっていません。

この状態を、私は形にする仕事だと考えるようになりました。デザインでも、映像でも、音声でも、私たちがやっていることは同じです。私たちの仕事は、中にあるものを外から見える形へ移す作業にあたります。

「変えてみせましょう」という言い方にしているのは、こちらが引き受ける仕事だからです。経営者ご自身へ「言葉にしてください」とお願いする形を、私たちは取っていません。

言葉にしなかった場合に起きること

経営者が言葉にしないままでも会社の日々は進んでいきます。

判断の理由が経営者の頭の中にあるかぎり、その方が現場にいる間は誰も困りません。会社が困るのは、その方が現場を離れたあとになります。

同じ判断を求められた社員は、答えを持っていません。過去の決裁書類には決めた内容が残っていますが、なぜそう決めたのかは書かれていないためです。

代替わりの場面で消える知恵については、代替わりとともに消える知恵をどう残すかで詳しく記載しています。

番組という形で残す

ポッドキャストという形は、この判断の理由を残す器のひとつになります。

1エピソードあたりの収録は30分程度で、そこから15分の番組を作ります。週1回配信で年48本の番組であれば、1年で48本ぶんの話が音源として残ります。

音源は、Spotify、Apple Podcasts、Amazon Music、KOEGURAの4媒体に掲載されます。掲載の数は48本×4媒体=年間192件になり、この192件は番組を止めたあとも並び続けます。

アストライドの自社4番組も、合計で34回+34回+21回+8回=97回を公開しています。この97回にも、私たちがその時々に考えていたことが入っています。

残した言葉が使われる場面

言葉にして残したものを、御社は3つの場面でお使いいただけます。

ひとつ目は、採用の場面です。求人票に書ける情報は限られていますが、経営者が判断の理由を語った回があれば、入る前にその会社の考え方が伝わります。

ふたつ目は、商談の場面にあたります。「その話は第◯回で詳しくお話ししています」と伝えられる回が1本あるだけで、会話の入り方が変わります。

3つ目は、社内での共有にあたります。経営者が同じ話を全社員へ個別にすることはできませんが、音源であれば全員に聴いていただけます。

株主と金融機関へ向ける場合は、株主と金融機関に向けた音声発信という選択肢にまとめています。

まとめ

会社の価値のうち、財務諸表に載る部分はごく一部です。載らないのは判断の理由です。そこに含まれるのは、なぜその事業を選んだのか、どの取引先をどう守ってきたか、誰にどんな技術を継いできたか、どの局面で何を捨てたかという4つになります。

こうした理由は、社内の資料に残っていません。決裁の書類に残るのは決めた内容であって、決めた理由のほうは経営者の頭の中に置かれたままです。

判断の理由が語られるのは、対談で30分を過ぎたあとです。私が1回の対談に1時間から2時間をいただいてきたのは、この変わり目より先に時間を残しておくためでした。

「想いをカタチに変えてみせましょう」という言葉は、この経験から生まれています。中にあるものを外から見える形へ移す作業を、こちらが引き受けるという意味です。

もし社内で番組の企画をお持ちであれば、経営者が過去に下した判断を1つ選び、その理由を10分ほど話してみてください。そこから第1回が作れます。

この記事からわかるQ&A

財務諸表に載らない資産とは何ですか

判断の理由にあたる部分です。含まれるのは、なぜその事業を選んだのか、どの取引先をどう守ってきたか、誰にどんな技術を継いできたか、どの局面で何を捨てたかという4つになります。この4つは数字に置き換わりませんが、会社が今の形になった理由はそのほとんどがここにあります。

なぜ社内の資料に残っていないのですか

決裁の書類に残るのは決めた内容であって、決めた理由のほうは書かれないためです。判断の理由は決めたその時点では言葉になっておらず、決めた本人の中でも感覚のまま置かれています。ご本人がそれを人へ説明しようとしたとき、その理由は初めて言葉の形を取ります。

話を引き出すのにどれくらいかかりますか

私は1回の対談に1時間から2時間をいただいてきました。最初の10分から20分はよそゆきの言葉が続き、30分を過ぎたあたりから相手の言葉がその人自身のものへ変わります。判断の理由が出てくるのは、この変わり目より後になります。

「想いをカタチに変えてみせましょう」はどこから生まれたのですか

私が5年間で250社を超える会社をたずねる中で見てきた光景から生まれています。経営者の中に確かにあるものが、外から見えない状態で置かれている。私はその状態を形にすることが自分の仕事だと考えるようになりました。「変えてみせましょう」という言い方にしているのは、こちらが引き受ける仕事だからです。

残した言葉はどこで使えますか

御社は3つの場面でお使いいただけます。採用の場面であれば、入る前にその会社の考え方が伝わります。商談の場面であれば、「その話は第◯回で詳しくお話ししています」とお伝えいただけます。3つ目は社内での共有にあたります。週1回配信で年48本の番組であれば、1年で48本ぶんの話が音源として残る計算です。

出典

  • 纐纈智英「CBN営業戦略」講演台本 v17(2026年6月18日/伝七ステーションでの2018年から2023年まで5年間・毎週の経営者インタビュー制作、訪問250社以上・経営者200名超、1〜2時間の対談を10〜15分へ編集、言葉が変わる30分過ぎの場面)
  • アストライド「ポッドキャスト番組制作のご提案」2026年6月26日版・全18ページ p3(取材先の選定から質問設計までの一気通貫、経営者本人すら気づいていなかった想いを言葉に変えてきたこと、構成力)
  • アストライド「ポッドキャスト制作・運用代行 月15万円〜|収録は月1回|三重・全国対応」番組尺15分・配信先4媒体・配信頻度別の年間本数(2026年8月時点) https://ast-ride.com/service/service-podcast/
  • アストライド 自社制作ポッドキャスト4番組(Webマーケティング特捜部34回/デザイン審美眼34回/ガンジス川でスクロール21回/三重ノチカラ8回、合計97回、2026年8月時点) https://ast-ride.com/service/service-podcast/
  • アストライド「経営者インタビュー」インタビュー実績200社以上(2026年8月時点) https://ast-ride.com/service/service-interview/

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。