YouTube用語集:企業担当者が知っておくべき基本用語

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この記事でわかること

  • YouTube運用に必要な基本用語(約30語)
  • 各用語の意味と企業活用における重要度
  • 制作会社との打ち合わせで使われる専門用語

「CTRが低いので、サムネイルを改善しましょう」「視聴維持率を上げるために、チャプターを設定しませんか」——制作会社との打ち合わせで、このような専門用語が飛び交うことがあります。

この記事では、YouTube運用に関する基本用語を4つのカテゴリに分けて解説します。制作会社との会話をスムーズに進めるための参考にしてください。


基本機能系の用語

YouTubeの基本的な機能に関する用語です。

チャンネル

YouTubeにおける「自社のページ」のようなもの。動画を投稿・公開するための場所で、企業の場合は「公式チャンネル」として運用します。チャンネルには、アイコン、バナー画像、概要文などを設定できます。

チャンネル登録

視聴者がチャンネルをフォローすること。チャンネル登録した視聴者には、新しい動画が公開されたときに通知が届きます。登録者数は、チャンネルの規模を示す指標の一つです。

動画(長尺動画)

通常の横型動画のこと。数分から数時間の長さの動画を投稿できます。2024年10月以降、3分以内の動画は「ショート動画」として扱われるようになりました。

ショート動画(YouTubeショート)

最大3分(2024年10月以降)の縦型短尺動画。スマートフォンでの視聴を前提としており、TikTokやInstagramリールのような形式です。通常の動画とは別のアルゴリズムで表示されます。

サムネイル

動画の表紙となる画像。検索結果やおすすめ欄に表示され、視聴者がクリックするかどうかを左右する重要な要素です。YouTubeでは、カスタムサムネイル(自分で作成した画像)を設定することが推奨されています。

タイトル

動画の見出し。検索結果に表示されるため、検索キーワードを含めつつ、視聴者の興味を引く内容にすることが重要です。

説明文(概要欄)

動画の詳細を記載する欄。動画の内容説明、関連リンク、タイムスタンプなどを記載します。検索アルゴリズムの評価対象にもなるため、キーワードを含めることが有効です。

タグ

動画に設定するキーワード。以前は検索順位に影響するとされていましたが、現在は影響度が低下しています。ただし、関連動画への表示には一定の効果があるとされています。

再生リスト

複数の動画をまとめたリスト。テーマごとに動画を整理でき、連続再生も可能です。視聴者の利便性を高めるとともに、総再生時間の向上にも寄与します。

チャプター(タイムスタンプ)

動画内の目次機能。説明文に「0:00 はじめに」「1:30 本題」のような形式で記載すると、視聴者が見たい部分にジャンプできるようになります。長尺動画では設定が推奨されます。

コミュニティ投稿

チャンネル登録者に向けて、テキストや画像を投稿できる機能。動画を公開しない日でも、視聴者とコミュニケーションを取ることができます。一定の登録者数(500人以上)が必要です。

プレミア公開

事前に設定した日時に動画を公開する機能。公開前にカウントダウンが表示され、視聴者とリアルタイムでチャットしながら動画を視聴できます。新商品発表など、イベント性を持たせたい場合に有効です。

ライブ配信

リアルタイムで動画を配信する機能。視聴者とチャットで交流しながら配信できます。配信終了後は、通常の動画としてアーカイブ(保存)することも可能です。


指標・分析系の用語

動画のパフォーマンスを測定するための指標に関する用語です。

インプレッション

動画のサムネイルが視聴者に表示された回数。検索結果、おすすめ欄、関連動画などで表示されるたびにカウントされます。

CTR(クリック率)

Click Through Rateの略。インプレッション数に対して、実際にクリックされた割合を示します。計算式は「クリック数 ÷ インプレッション数 × 100」。サムネイルやタイトルの効果を測る指標です。一般的に5〜10%が良好とされています。

視聴維持率(リテンション率)

動画がどこまで視聴されたかを示す割合。「視聴者が動画の何%まで見たか」を表します。視聴維持率が高いほど、アルゴリズムから高く評価されます。50%以上が目安とされています。

平均視聴時間

1回の再生あたり、平均して何分視聴されたかを示す指標。10分の動画で平均視聴時間が5分なら、視聴維持率は50%ということになります。

総再生時間(ウォッチタイム)

動画またはチャンネル全体で、視聴された累計時間。YouTubeのアルゴリズムは、再生回数よりも総再生時間を重視する傾向にあります。

登録者数

チャンネルを登録している視聴者の数。チャンネルの規模や影響力を示す指標の一つですが、登録者数が多くても視聴されなければ意味がありません。

総再生回数

チャンネル内のすべての動画が再生された累計回数。チャンネルの歴史や蓄積を示す指標です。

ユニーク視聴者数

一定期間内に動画を視聴した視聴者の実数。同じ人が複数回視聴しても1人としてカウントされます。

トラフィックソース

視聴者がどこから動画にたどり着いたかを示すデータ。「YouTube検索」「おすすめ」「関連動画」「外部サイト」などに分類されます。

YouTube Studio

チャンネルの管理画面。動画のアップロード、編集、分析などを行うための公式ツールです。ブラウザ版とアプリ版があります。

アナリティクス

YouTube Studio内の分析機能。視聴回数、視聴維持率、トラフィックソースなど、動画やチャンネルのパフォーマンスを確認できます。


収益・ビジネス系の用語

収益化やビジネス活用に関する用語です。

収益化

動画に広告を表示し、収入を得ること。YouTubeパートナープログラムに参加する必要があります。

YouTubeパートナープログラム(YPP)

収益化を行うためのプログラム。参加条件は、登録者数1,000人以上、かつ過去12か月の総再生時間4,000時間以上(または過去90日間のショート動画視聴回数1,000万回以上)などがあります。

広告収入

動画に表示される広告から得られる収入。視聴者が広告を視聴したり、クリックしたりすることで収益が発生します。企業チャンネルでは、広告収入よりも認知拡大や信頼構築を目的とする場合が多いです。

スーパーチャット(スパチャ)

ライブ配信中に視聴者が送る有料コメント。投げ銭のような機能で、クリエイターの収益源の一つです。

メンバーシップ

月額料金を支払う視聴者向けの特典機能。メンバー限定動画やバッジなどを提供できます。一定の登録者数が必要です。

ブランドコネクト

企業とクリエイターをマッチングするYouTubeの公式サービス。企業はクリエイターに商品紹介などを依頼できます。


制作・編集系の用語

動画制作に関する用語です。

エンドカード(終了画面)

動画の最後に表示される画面。他の動画やチャンネル登録ボタンへの誘導に使用します。動画の最後20秒間に設定でき、視聴者の次のアクションを促すために重要です。

カード

動画再生中に表示できる小さなポップアップ。関連動画やWebサイトへのリンクを設定できます。視聴者が興味を持ったタイミングで表示することで、関連コンテンツへの誘導が可能です。

アスペクト比

動画の縦横比率。通常の動画は16:9(横長)、ショート動画は9:16(縦長)が標準です。

解像度

動画の画質を示す指標。1080p(フルHD)、4K(2160p)などがあります。現在のYouTubeでは1080p以上が推奨されています。

エンコード

動画ファイルを特定の形式に変換すること。YouTubeにアップロードする際は、MP4形式が推奨されています。

字幕(キャプション)

動画内の音声をテキストで表示する機能。YouTubeでは自動生成字幕も利用できますが、精度向上のために手動で修正することが推奨されます。

BGM / SE

BGMは背景音楽、SEは効果音(Sound Effect)のこと。著作権に注意が必要で、YouTubeオーディオライブラリから無料で使用できる音源もあります。

コールトゥアクション(CTA)

視聴者に行動を促す呼びかけ。「チャンネル登録お願いします」「詳しくは概要欄のリンクから」などが該当します。


まとめ:用語を理解して、スムーズな運用を

YouTube運用に必要な基本用語を解説しました。

特に重要な用語:

用語重要な理由
サムネイルクリック率を左右する最重要要素
CTRサムネイル・タイトルの効果を測る指標
視聴維持率アルゴリズム評価に直結する指標
総再生時間チャンネル成長の基盤となる指標
YouTube Studio運用に必須の管理ツール

すべての用語を暗記する必要はありませんが、制作会社との打ち合わせで出てきたときに「それは何ですか?」と確認できる程度には把握しておくと、コミュニケーションがスムーズになります。

わからない用語が出てきたときは、この記事を参考にしていただければ幸いです。

次の記事では、日本のYouTube市場の現状とトレンドについて解説します。

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。前職を含め地域企業を中心とした200社以上の経営者インタビュー映像を制作。現在は「左脳と右脳のハイブリッド」を掲げ、戦略設計から映像・Web・各種コンテンツ制作まで手がける。 これまで音楽家として楽曲提供、行政職員として12年間 制度運用・予算編成等に従事。その後、NPO法人、映像・マーケティング分野に転じ、現在に至る。現在は大学非常勤講師として映像編集ソフトの操作指導も行う。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。