ポッドキャストのユーザー層:「若者だけ」は誤解、企業が知るべき最新データ

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この記事でわかること

  • 国内ポッドキャストリスナーの年代別構成比と利用率の推移
  • 40代・50代の聴取傾向と好まれる番組の長さ
  • 企業の決裁権者がどの程度ポッドキャストを聴いているか
  • リスナーの所得・情報感度の特徴
  • B2B企業がターゲットに届く可能性

「ポッドキャストって、若い人が聴くものでしょう?」

B2B企業の経営者やマーケティング担当者から、よくこのような声を聞きます。確かに若年層の利用率が高いことは事実ですが、最新の調査データを見ると、この認識は一面的であることがわかります。

実は、ポッドキャストユーザーには企業の決裁権者が多く含まれています。オトナル・朝日新聞社の調査によると、ポッドキャストユーザーのうち企業の決裁権者(経営者、役員、管理職)は13.1%を占め、非ユーザーと比べて3.9ポイント高い水準にあります。

この記事では、国内の最新調査データをもとに、ポッドキャストリスナーの実像を明らかにします。


国内のポッドキャスト利用率はどのくらいか?

PODCAST REPORT IN JAPAN 第5回調査(オトナル・朝日新聞社、2025年2月発表)によると、国内のポッドキャスト利用率は全年代平均で17.2%に達しています。2020年の第1回調査時点では14.2%でしたから、5年間で3ポイント増加しました。

この17.2%という利用率は、全年代ではTikTokに次ぐ水準です。NetflixやFacebook、雑誌、ABEMAを上回る数字であり、ポッドキャストがニッチなメディアではなくなりつつあることを示しています。

年代別の利用率を見てみましょう。

年代利用率特徴
15〜19歳34.0%約3人に1人が利用
20代27.3%約4人に1人が利用
30代約16%ビジネスパーソンの中核層
40代約13%TikTokに次ぐ水準
50代約11%Netflix・Facebookを上回る
60代約9%シニア層にも浸透

確かに若年層ほど利用率が高い傾向がありますが、40代で約13%、50代で約11%という数字は決して小さくありません。国内のポッドキャスト利用者は推計1,700万人以上とされており、40代・50代だけでも相当数のリスナーが存在することになります。


年代によって聴取スタイルはどう違うのか?

興味深いのは、年代によって好まれる番組の長さが異なる点です。同調査によると、ユーザー全体の約5割が「30分未満の番組」を好んで聴取しています。

しかし年代別に見ると、傾向が分かれます。

  • 15〜19歳:約4割が「20分未満の番組」をよく聴取
  • 40代以上:「40分以上の番組」を好む傾向

若年層は短尺コンテンツを好み、中高年層は長尺コンテンツを好む。この傾向は、B2B向けのポッドキャストを企画する際に重要な示唆を与えてくれます。

ビジネステーマを深掘りする30〜40分程度の番組は、むしろ中高年層に受け入れられやすい可能性があります。「若者向けだから短くしなければ」という思い込みは、ターゲットを40代以上に設定する場合には当てはまりません。


企業の決裁権者はどのくらいポッドキャストを聴いているのか?

B2Bマーケティングにおいて最も重要なのは、意思決定者にリーチできるかどうかです。この点で、国内の調査データは注目に値します。

決裁権者の比率が高いメディア

PODCAST REPORT IN JAPAN 第4回調査(2024年3月発表)では、7つのメディアユーザーの職業比較を行っています。その結果、ポッドキャストユーザーのうち企業の決裁権者(経営者、役員、管理職)は13.1%を占め、比較対象のメディアの中で最も高い割合となりました。

非ポッドキャストユーザーでは決裁権者の割合が9.2%ですから、3.9ポイントの差があります。

さらに、朝日新聞ポッドキャストユーザーに限定した調査では、決裁権者の割合は18.1%に上昇します。ニュースや時事問題を扱う番組は、経営層や管理職に好まれる傾向があるようです。

高年収層の比率も高い

同調査では、朝日新聞ポッドキャストユーザーの約4分の1が年収700万円以上であることも明らかになっています。ポッドキャストユーザーは、高所得層の比率が高いという特徴を持っています。

YouTube、TikTok、Instagramといった他のメディアと比較しても、ポッドキャストユーザーは高年収層の比率が最も高い結果となりました。


ポッドキャストユーザーの情報感度はどの程度高いのか?

ポッドキャストユーザーのもう一つの特徴は、情報感度の高さです。

複数のメディアユーザーの情報感度を比較した調査では、すべての回答項目でポッドキャストユーザーが最上位となりました。特に以下の項目では、非ユーザーと比べて3倍近いポイント差が出ています。

  • 「製品や新しいサービスを取り入れるのが人よりも早い」
  • 「新しい流行について人に聞かれることが多い」

ポッドキャストは「学び」や「情報収集」を目的として聴取されることが多く、その利用目的がユーザー特性にも反映されていると考えられます。

聴いた内容に基づいて行動する

ポッドキャストユーザーは、番組で得た情報に基づいて実際に行動を起こす傾向があります。第5回調査によると、ポッドキャストユーザーの65.1%が何らかのサービスや商品について検索した経験があり、55.3%が聴いた商品を購入または訪れたことがあると回答しています。

受動的に聴き流すのではなく、能動的に情報を活用する。この特性は、B2Bマーケティングにおいてリードの質を重視する企業にとって、大きな魅力となります。


どのようなシーンでポッドキャストは聴かれているのか?

ポッドキャストがどのような場面で聴かれているかを理解することは、コンテンツ設計において重要です。

第5回調査によると、国内リスナーの聴取シーンは以下の通りです。

聴取シーン割合
就寝前29.7%
歩いている時23.5%
公共交通機関22.6%
車の運転中22.4%
家事中約20%

上位の聴取シーンがほぼ同率で並んでいることが特徴的です。リスナーの大多数が「ながら時間」に聴取しており、ポッドキャストが日常生活のさまざまな場面に浸透していることがわかります。

コロナ禍以前の生活スタイルへの回帰

第5回調査では、聴取シーンの変化も明らかになりました。前回調査では上位だった「家事中」や「趣味の作業中」が減少し、「就寝前」「歩いている時」「公共交通機関」「車の運転中」などが上昇しています。

通勤やオフィス勤務を主軸としたコロナ禍以前の生活に戻りつつあることが、ポッドキャストの聴取シチュエーションにも影響していると考えられます。

B2Bターゲットとなるビジネスパーソンは、通勤時間や移動時間に聴取している可能性が高い。この点は、番組の企画や配信タイミングを検討する際の参考になります。


B2B企業にとってポッドキャストはどのような可能性を持つのか?

ここまでのデータから、B2B企業にとっての示唆を整理します。

ターゲットは確実に存在する

40代・50代の利用率は10%台であり、若年層と比較すると低い水準ではあります。しかしこれは「ターゲットがいない」ことを意味しません。

  • 国内ポッドキャスト利用者は推計1,700万人以上
  • ユーザーの約2割が企業の決裁権者
  • 約4分の1が年収700万円以上

これらのデータは、B2Bマーケティングにおけるポッドキャストの可能性を示しています。

長尺コンテンツが受け入れられる

40代以上では「40分以上の番組」を好む傾向があります。これは、B2Bテーマを深掘りする番組にとって追い風です。

複雑なビジネステーマを扱う場合、短尺では十分な情報を伝えきれないことがあります。ポッドキャストであれば、長尺でも聴いてもらえる可能性があり、専門性の高いコンテンツを届けるメディアとして適しています。

情報感度の高い層にリーチできる

ポッドキャストユーザーは情報感度が高く、聴いた内容に基づいて検索や購買行動を起こす傾向があります。「聴いて終わり」ではなく、次のアクションにつながりやすいメディアといえます。

これは、リードの質を重視するB2Bマーケティングにおいて、大きなメリットとなります。


まとめ

「ポッドキャストは若者向けメディア」という認識は、データが示す実態とは異なります。

確かに若年層の利用率が高いことは事実ですが、40代・50代にも一定の利用者が存在し、特にポッドキャストユーザーには企業の決裁権者が多く含まれています。ユーザーの約2割が決裁権者であり、約4分の1が年収700万円以上という調査結果は、B2Bマーケティングにおける可能性を示唆しています。

また、40代以上のユーザーは「40分以上の番組」を好む傾向があり、ビジネステーマを深掘りする長尺コンテンツとの相性が良いことも特徴です。

次の記事では、ポッドキャストと他のメディア(ブログ、YouTube)を比較し、自社に最適なメディア選定の判断軸を提供します。

この記事からわかるQ&A

国内のポッドキャスト利用率はどれくらいですか?

PODCAST REPORT IN JAPAN 第5回調査(2025年2月発表)によると、国内のポッドキャスト利用率は全年代平均で17.2%です。これはTikTokに次ぐ水準で、NetflixやFacebookを上回ります。

40代・50代の利用率はどの程度ですか?

同調査によると、40代は約13%、50代は約11%の利用率です。若年層より低いものの、国内利用者数が推計1,700万人以上であることを考えると、相当数のリスナーが存在します。

ポッドキャストユーザーに企業の決裁権者はどれくらい含まれていますか?

PODCAST REPORT IN JAPAN 第4回調査によると、ポッドキャストユーザーのうち企業の決裁権者(経営者、役員、管理職)は13.1%を占め、非ユーザーより3.9ポイント高い水準です。

年代によって好まれる番組の長さは違いますか?

15〜19歳は「20分未満の番組」を好む傾向がある一方、40代以上では「40分以上の番組」を好む傾向があります。ビジネステーマを深掘りする長尺コンテンツは、中高年層に受け入れられやすい可能性があります。

ポッドキャストユーザーは聴いた内容に基づいて行動しますか?

第5回調査によると、ユーザーの65.1%が番組で聴いた商品やサービスについて検索した経験があり、55.3%が購入・訪問したことがあると回答しています。受動的な消費ではなく、能動的な行動につながりやすいメディアです。

引用・参考資料

  • PODCAST REPORT IN JAPAN 第5回ポッドキャスト国内利用実態調査(オトナル・朝日新聞社、2025年2月発表)
  • PODCAST REPORT IN JAPAN 第4回ポッドキャスト国内利用実態調査(オトナル・朝日新聞社、2024年3月発表)
  • 朝日新聞ポッドキャストユーザーの特徴(第5回ポッドキャスト国内利用実態調査 連動調査)

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

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