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自社の独自性を伝えられない企業が見落としている視点

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自社の強みを説明するとき、「お客様第一」「品質重視」といった言葉だけで他社との違いを説明しようとしていませんか?独自性を伝えるには、経営者が大切にしている想いや、仕事での具体的な判断を言葉にし、相手が理解できる伝え方を考える必要があります。

この記事では、独自性が伝わらない企業の特徴と、映像を使って想いや価値観を伝える方法について取り上げます。映像で伝えられることの限界と、自社ならではの判断を書き出すための最初の一歩もお伝えします。

この記事でわかること

  • 独自性が伝わらない企業に見られる3つの特徴
  • 映像で経営者の想いや価値観を伝えられる理由
  • 映像だけでは解決できない課題と活用の条件
  • 自社の独自性を言葉にするための最初の一歩

独自性が伝わらない企業に見られる3つの特徴

企業の独自性が伝わりにくい背景には、いくつかの共通した構造的な課題があります。

経営者の想いが言語化されていない

経営者が何を大切にしているのか、なぜこの事業をしているのかを、まず確かめる必要があります。こうした根本的な問いへの答えが明確な言葉になっていないことは、自社の独自性を説明しにくくする原因の一つです。

日本の人事部『人事白書2022』では、自社のパーパス(存在意義)を「明確化できている」と回答した企業は50.0%でした。業績別に見ると、明確化できていると答えた割合に差があります。その割合は、市況よりも業績が良い企業で54.7%、市況よりも業績が悪い企業で28.1%です。

経営者の頭の中にある想いや価値観が言語化されていないと、社員や顧客が「この会社は何が違うのか」を理解するための情報が不足する可能性があります。パンフレットやウェブサイトに書かれた「お客様第一」「品質重視」は、ほかの企業でも使える表現です。その言葉だけで自社ならではの考え方を説明できているか、具体的な行動や判断と照らして確かめる必要があります。

理念が「ふんわり」したままで具体性を欠く

パーソル総合研究所が行った「企業理念と人事制度の浸透に関する定量調査」では、従業員が自社の理念に対して抱く印象として「内容が綺麗ごとばかりだ」(36.9%)、「内容がふんわりしている」(36.7%)、「表面的な世間体をつくろっている」(36.4%)という評価が上位を占めました。

この結果からは、理念が抽象的な言葉として受け止められている可能性が考えられます。「社会に貢献する」「顧客満足を追求する」といった表現だけでは、その企業の具体的な行動や判断基準までは読み取れません。

「何をするか」に加え、「なぜそれをするのか」「どのようにするのか」を確かめることは、自社の独自性を考える手がかりになりえます。ただし、その理由や方法が言葉になっていなければ、外部の人が理解できるように説明することは困難です。

伝え方の手法がわからない

オリゾ社が経営者108名を対象に実施した調査では、パーパスが社内に浸透しているかという質問に、全体の26.9%が「あまりそう思わない」、3.7%が「全くそう思わない」と回答しました。浸透していないと答えた33名への質問では、課題として「パーパスに触れる機会が少ない」(42.4%)、「どのように発信すべきかわからない」(24.2%)が挙げられています。

また、日本経済社(日経社)とエスエムオーが2022年12月15日〜19日に、パーパスの策定に関与した400名を対象に実施した調査では、浸透で苦労した点として「社外への説明が難しい」(29.2%)、「パーパスの外部発信手法がわからない」(26.5%)という回答がありました。

自社の独自性を伝えるには、何を言葉にするかとともに、どのように発信するかも検討する必要があります。ウェブサイトに理念を掲載しても、相手が読む機会や、具体的な内容を理解するための情報が十分とは限りません。文章で説明する内容と、表情や声も含めて示したい内容を分けることが、伝え方を考える手がかりとなりえます。

なぜ映像が独自性を伝えるのに有効なのか

経営者インタビュー映像は、こうした課題に対する一つのアプローチとなりえます。

非言語情報が信頼性を伝える

経営者が語る際には、表情、声のトーン、間の取り方、目線の動きも確認できます。テキストだけでは、実際の声や動く表情をそのまま示すことは困難です。こうした非言語情報は、見る人や語る内容によって、相手の人柄や信頼性を判断する材料となる可能性があります。

例として挙げられるのは、経営者が「お客様のことを第一に考えています」と語る場面です。テキストで読む場合と、表情や声も確認する場合とでは、受け取る印象が異なる可能性があります。ただし、真剣な表情で語れば、その言葉の意味や大切さが必ず伝わるとは限りません。

語ることで言語化が進む

経営者インタビューには、もう一つの役割があります。経営者がインタビューを受けること自体を、自身の思考を整理する機会にできる点です。

自社の存在意義や独自性を考える時間を確保できていない場合、その機会の一つがインタビューです。インタビュアーからの問いに答える過程で、漠然と感じていたことを言葉にできる可能性があります。ただし、問いに答えるだけで想いが十分に整理されるとは限りません。

「なぜこの事業を始めたのか」「何を大切にしているのか」「どのような未来を描いているのか」といった問いへの答えを言葉にすることは、経営者自身が自社の独自性を整理する手がかりとなる可能性があります。

差別化と人材確保の関係

2024年版中小企業白書では、製品・サービスを差別化しているほど、人材の応募を獲得できている傾向があると報告されています。差別化度合いについては回答者の主観を含む点に留意が必要ですが、他社との差別化で自社の魅力を高めることが、採用面でも効果を持つ可能性があるという示唆です。

経営者インタビュー映像は、採用活動においても活用できます。「どのような想いを持った経営者のもとで働くのか」を知りたい求職者にとっては、経営者の考え方を確認するための資料です。表情や声も含めて経営者の人柄や価値観を示すことで、文章だけでは説明しにくい企業の特徴を伝えられる可能性があります。

映像活用の現実的な限界

もちろん、経営者インタビュー映像を制作しただけで、独自性が伝わるとは限りません。

映像はあくまで「伝える手段」です。伝えるべき独自性そのものが定まっていなければ、映像を作っても得られる成果は限られます。また、映像を見てもらう機会がなければ、制作した映像は使われないままになりかねません。ウェブサイトに掲載するだけでなく、採用活動や営業活動、社内研修など、具体的な活用場面を想定しておく必要があります。

さらに、インタビューの質も重要です。表面的な質問に対して用意された回答を読み上げるような映像では、独自性は伝わりません。経営者の本音や、これまで言語化されてこなかった想いを引き出すインタビュー技術が求められます。

独自性を伝えるための第一歩

「うちの会社、何が違うの?」という問いを考える際は、経営者自身が大切にしてきた想いや判断を振り返ることから始められます。その内容を言葉にできているか、相手に伝える手段を選べているかを、それぞれ確かめることが必要です。

まずは、自社の独自性について考えることから始めてみてください。なぜこの事業を始めたのか、何を大切にして仕事をしているのか、顧客にどのような価値を提供したいのか、10年後どのような会社でありたいのかを、自分に問いかけます。こうした問いへの答えは、紙に書き出しても構いません。信頼できる人に話してみることも選択肢です。そうした作業を通じて、自社の独自性を整理できるかもしれません。

経営者インタビュー映像は、経営者が想いを言語化し、その独自性を外部に伝えるために活用できる手段の一つです。ただし、映像という形式が自社に適しているかどうかは、業種や目的によって異なります。それでも、「独自性を伝えたい」という課題を抱えている経営者が検討できる選択肢の一つです。

経営者の想いが言葉になっていない企業の特徴は、ブランディングがうまくいかない企業に共通する「言語化」の問題で取り上げています。経営者インタビュー映像の制作を検討する場合は、アストライドの「経営者インタビュー映像制作」をご覧ください。

この記事からわかるQ&A

自社の独自性が伝わらないときは、何を確かめればよいですか?

経営者の想いが言葉になっているか、理念が具体性を持っているか、伝え方を選べているかを確かめます。「お客様第一」「品質重視」といった言葉を掲げている場合は、実際の行動や判断まで説明できているかが確認のポイントです。

文章に加えて映像を使うと、何を示せますか?

示せるのは、経営者が語る際の表情、声のトーン、間の取り方、目線の動きです。見る人は、言葉の内容とあわせて人柄や価値観を考える材料として確認できます。ただし、それらを示せば必ず信頼や理解が得られるとは限りません。

経営者インタビューを受ければ、独自性を言葉にできますか?

インタビュアーの問いに答えることは、自社の存在意義や大切にしている価値観を整理する機会となりえます。ただし、インタビューを受けるだけで、独自性が明確になるとは限りません。なぜ事業を始めたのか、何を大切にしているのかなど、具体的な問いへの答えを考える必要があります。

経営者インタビュー映像を制作するだけで、独自性は伝わりますか?

制作するだけで、独自性が伝わるとは限りません。何を伝えるかを整理し、見てもらう機会を考える必要があります。採用活動や営業活動、社内研修などの活用場面に加え、想いを引き出す質問も検討の対象です。

独自性を考えるために、最初に何をすればよいですか?

事業を始めた理由や、仕事で大切にしていること、顧客に提供したい価値を振り返ります。その答えを紙に書き出すことが、最初の一歩です。言葉にしにくい場合は、信頼できる人に話しながら整理する方法も試せます。

引用・参考資料

この記事の著者

纐纈智英

纐纈智英アストライド-Astride- 代表

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「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。

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