YouTube vs TikTok vs Instagram:中小企業はどのSNSを選ぶべきか

この記事でわかること
- YouTube、TikTok、Instagramそれぞれの基本特性と違い
- 3プラットフォームの動画尺・検索性・制作工数の比較
- 目的別(信頼構築・認知拡大・ブランディング)に適したプラットフォーム
- 複数プラットフォームを組み合わせる際の考え方
- 自社に最適なSNSを選ぶための判断フローチャート
「動画を活用したい」と考えたとき、最初に直面するのが「どのプラットフォームを使うべきか」という問題です。YouTube、TikTok、Instagram——いずれも動画配信が可能ですが、それぞれの特性は大きく異なります。
総務省の調査によると、YouTubeの全年代利用率は80.8%、Instagramは52.6%、TikTokは33.2%。数字だけを見ればYouTubeが圧倒的に見えますが、「利用率が高い=自社に最適」とは限りません。
本記事では、3つのプラットフォームの特性を客観的に比較し、中小企業が自社の目的やリソースに応じて最適な選択をするための判断軸を提示します。
3つのプラットフォームにはどのような違いがあるのか?
YouTubeの特性:長尺・検索型・ストック資産
YouTubeは「世界第2位の検索エンジン」と呼ばれるプラットフォームです。Google検索の結果にもYouTube動画が表示されるため、検索流入を期待できる点が最大の特徴となっています。
動画の長さに制限がなく、10分、30分、1時間以上の長尺コンテンツも投稿可能。視聴者は「知りたいこと」「解決したいこと」を検索して動画にたどり着くため、教育的なコンテンツやハウツー動画との相性が良好です。
一度投稿した動画は検索され続けるため、「ストック型資産」として長期的に価値を発揮します。ただし、企画・撮影・編集に高度な技術と時間を要するため、制作工数は3プラットフォームの中で最も大きくなります。
TikTokの特性:短尺・発見型・フロー拡散
TikTokは「おすすめ」アルゴリズムを中心とした「発見型」プラットフォームです。ユーザーが検索するのではなく、アルゴリズムが視聴者の興味に合った動画を次々と表示する仕組みになっています。
最大の特徴は、フォロワー数に関係なく動画が拡散される可能性があること。新規アカウントでも、コンテンツの質が高ければ数十万回再生を獲得できる場合があります。
動画尺は最大10分まで対応していますが、主流は15〜60秒の短尺。アプリ内で編集が完結するため、制作工数は比較的軽く、スマートフォン1台で投稿まで可能です。
一方で、動画は「フロー型」であり、投稿から時間が経つと視聴されにくくなる傾向があります。継続的な投稿が求められる点は留意が必要です。
Instagramの特性:ビジュアル・関係性・ブランディング
Instagramはもともと写真共有サービスとして始まり、現在はリール(短尺動画)機能が中心的な役割を担っています。リールは最大90秒で、縦型フォーマットが基本です。
TikTokとの大きな違いは、フォロワーとの「関係性」がアルゴリズムに影響する点。DMでのやり取り、ストーリーズへのリアクション、プロフィール訪問といった双方向のアクションが、コンテンツの表示優先度に反映されます。
InstagramのCEOは「シェアが最も重要な指標」と明言しており、友人や知人にDMでシェアされるコンテンツが優遇される傾向にあります。ブランドの世界観を統一的に表現し、既存顧客との関係を深める用途に向いています。
3プラットフォームを比較するとどのような違いが見えるか?
以下の表は、中小企業が動画マーケティングを検討する際に重要な5つの観点から3プラットフォームを比較したものです。
| 項目 | YouTube | TikTok | |
|---|---|---|---|
| 動画尺 | 制限なし(長尺可) | 最大10分(主流15-60秒) | リール最大90秒 |
| 検索性 | 高い(Google検索にも表示) | 低い(おすすめ中心) | 中程度(発見タブあり) |
| アーカイブ性 | 高い(ストック型資産) | 低い(フロー型) | 中程度 |
| 制作工数 | 大きい | 小さい | 中程度 |
| 主な用途 | 信頼構築・検索流入・技術伝承 | 認知拡大・バイラル拡散 | ブランディング・UGC活用 |
利用率の年代別比較
総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和7年6月公表)によると、各プラットフォームの年代別利用率は以下のとおりです。
| 年代 | YouTube | TikTok | |
|---|---|---|---|
| 10代 | 95.7% | 65.7% | 75.0% |
| 20代 | 97.2% | 58.7% | 78.0% |
| 30代 | 97.9% | 39.7% | 70.5% |
| 40代 | 91.8% | 39.9% | 67.0% |
| 50代 | 83.0% | 25.5% | 52.7% |
| 60代 | 71.2% | 18.8% | 34.7% |
YouTubeは10〜40代で90%を超え、60代でも71.2%と全年代で高い浸透率を示しています。TikTokは10〜20代で50%超、30〜40代でも約40%が利用。Instagramは10〜40代で60%を超えています。
注目すべき点として、TikTokは全年代の利用率で前年比+0.7ポイントと唯一のプラス成長を記録しています。他のプラットフォームが横ばいまたは微減の中、成長を続けている点は押さえておきたいところです。
目的別に見ると、どのプラットフォームが適しているのか?
信頼構築・専門性の訴求にはYouTube
「この会社は信頼できる」「専門性がある」という印象を築きたい場合、YouTubeが適しています。
長尺動画では、製品の詳細な説明、技術的なノウハウの解説、経営者の考え方など、深い情報を伝えることが可能です。視聴者は「知りたい」という明確な意図を持って動画を探すため、情報の質が高ければ信頼につながりやすい構造になっています。
また、検索経由で継続的に視聴されるため、一度制作した動画が数年にわたって新規顧客との接点を生み出すこともあります。製造業の技術紹介、士業の専門知識解説、BtoB企業の事例紹介などが典型的な活用例です。
認知拡大・若年層リーチにはTikTok
「まず自社の存在を知ってもらいたい」「若い世代にアプローチしたい」という場合は、TikTokが選択肢となります。
TikTokのアルゴリズムは、フォロワー数ではなくコンテンツの質を評価します。視聴完了率、複数回再生、保存数などが高ければ、新規アカウントでも広く拡散される可能性があります。
採用活動においては、職場の雰囲気や社員の人柄を短い動画で伝えることで、求職者の興味を引くことが可能です。「TikTok採用」という言葉が生まれるほど、若年層の採用チャネルとして注目を集めています。
ただし、拡散は「可能性」であり、必ず成果が出るわけではありません。継続的な投稿と試行錯誤が前提となる点は理解しておく必要があります。
ブランディング・世界観の構築にはInstagram
「ブランドの世界観を伝えたい」「既存顧客との関係を深めたい」という場合は、Instagramが向いています。
Instagramはビジュアルの統一感が重視されるプラットフォーム。プロフィール画面に並ぶ投稿のトーンや色使いが、ブランドイメージの形成に直結します。
リール機能を活用すれば、商品の使用シーン、店舗の雰囲気、スタッフの日常など、ブランドの「空気感」を伝えることが可能。フォロワーとのDMやストーリーズでの双方向コミュニケーションを通じて、顧客との関係性を深める効果も期待できます。
飲食店、アパレル、美容、インテリアなど、ビジュアルが購買意欲に影響しやすい業種との相性が良好です。
「どれか一つ」ではなく「組み合わせ」という選択肢はあるか?
複数プラットフォームの併用メリット
3つのプラットフォームは、それぞれ異なる強みを持っています。目的が複数ある場合や、リソースに余裕がある場合は、組み合わせて活用することで相乗効果を得られる可能性があります。
たとえば、TikTokで認知を獲得し、興味を持った視聴者をYouTubeの詳細解説動画へ誘導する流れ。あるいは、Instagramでブランドの世界観を伝えつつ、YouTubeで信頼構築を図るといった組み合わせが考えられます。
横展開による効率化
縦型短尺動画は、複数プラットフォームへの横展開が比較的容易です。TikTokで制作した動画を、Instagramリールやyoutube Shortsに投稿することで、1つのコンテンツから複数の接点を生み出せます。
ただし、各プラットフォームで好まれるコンテンツの傾向は異なります。完全に同一の動画を投稿するよりも、プラットフォームごとに微調整を加えた方が効果的な場合もあります。
リソースに応じた優先順位
「すべてを同時に始める」のは現実的ではありません。自社のリソース(人員、時間、予算)を踏まえ、まず1つのプラットフォームに集中し、軌道に乗ったら次のプラットフォームを追加するというアプローチが堅実です。
制作工数の観点からは、TikTokが最も始めやすく、次いでInstagram、YouTubeの順となります。ただし、「始めやすさ」と「自社の目的に合っているか」は別の問題。目的を起点に優先順位を決めることが重要です。
自社に最適なプラットフォームをどう選べばよいか?
以下のフローチャートは、目的とリソースから最適なプラットフォームを判断するための一つの指針です。
判断フローチャート
Step 1: 主な目的は何か?
- 信頼構築・専門性の訴求 → YouTube検討へ
- 認知拡大・若年層リーチ → TikTok検討へ
- ブランディング・世界観構築 → Instagram検討へ
Step 2: ターゲット層の年代は?
- 全年代に幅広くリーチしたい → YouTube(全年代で高浸透)
- 10〜30代を中心にリーチしたい → TikTokまたはInstagram
- 40代以上のビジネス層 → YouTubeまたはInstagram
Step 3: 投入できるリソースは?
- 制作に時間と予算をかけられる → YouTube長尺動画
- 少ないリソースで始めたい → TikTok短尺動画
- 中程度のリソースがある → Instagram リール
Step 4: どのような情報を伝えたいか?
- 詳細な説明、ノウハウ、ストーリー → YouTube
- インパクト重視、トレンド活用 → TikTok
- ビジュアル、世界観、雰囲気 → Instagram
このフローチャートはあくまで目安です。実際には複数の要素が絡み合うため、自社の状況を総合的に判断する必要があります。
まとめ
YouTube、TikTok、Instagramは、いずれも動画を活用できるプラットフォームですが、その特性は大きく異なります。
YouTubeは検索型・ストック型で、信頼構築や専門性の訴求に向いています。TikTokは発見型・フロー型で、認知拡大や若年層へのリーチに強みがあります。Instagramは関係性を重視し、ブランディングや世界観の構築に適しています。
「どのプラットフォームが優れているか」ではなく、「自社の目的に合っているのはどれか」という視点で選択することが重要です。リソースに限りがある中小企業であれば、まず1つのプラットフォームに集中し、成果を確認しながら展開を広げていくアプローチが現実的な選択肢となります。
この記事からわかるQ&A
3つのプラットフォームの中で、最も利用率が高いのはどれですか?
総務省の調査(令和7年6月公表)によると、全年代での利用率はYouTubeが80.8%で最も高く、次いでInstagramが52.6%、TikTokが33.2%となっています。YouTubeは10〜40代で90%を超える浸透率を示しています。
制作工数が最も小さいプラットフォームはどれですか?
TikTokが最も制作工数が小さいとされています。短尺動画が主流で、アプリ内で撮影から編集まで完結できるため、スマートフォン1台で投稿が可能です。YouTubeは長尺動画の企画・撮影・編集に時間を要するため、制作工数は最も大きくなります。
フォロワーが少なくても拡散されやすいのはどのプラットフォームですか?
TikTokはフォロワー数に関係なく、コンテンツの質(視聴完了率、複数回再生、保存数など)によって拡散が決まる仕組みです。新規アカウントでも、コンテンツの質が高ければ広く拡散される可能性があります。
複数のプラットフォームを同時に運用するのは可能ですか?
可能ですが、リソースに限りがある場合は、まず1つのプラットフォームに集中することが推奨されます。TikTokで制作した短尺動画をInstagramリールやYouTube Shortsに横展開する方法で、効率的に複数プラットフォームを運用する選択肢もあります。
BtoB企業の場合、どのプラットフォームが適していますか?
本記事では、信頼構築・専門性の訴求にはYouTubeが適しているとしています。長尺動画で詳細な情報を伝えられ、検索経由で継続的に視聴されるストック型資産となるため、BtoB企業の技術紹介や事例解説との相性が良好です。
引用・参考資料
- 総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和7年6月27日公表)
- StockSun株式会社「TikTokの動画長さ完全マニュアル」(2025年6月)
- pamxy「TikTokの最新アルゴリズムを解説」(2025年9月)
- タタップ「Instagramリール徹底攻略」(2025年12月)
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
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