企業の成長と、地域の深化を——THE VOICE PLATFORMが届けたいもの

この記事でわかること
- 2026年1月から開始するポッドキャスト事業「THE VOICE PLATFORM」の全体像
- 縦長動画全盛の時代に、音声メディアを選んだ背景
- ポッドキャストが経営者層・高年収層に届くメディアである理由
- 3つのフェーズで届けたい価値:経営の「手段」、地域の「文化」、事業を「文化」として紡ぐこと
- 三重県から発信することの意味

2026年1月1日、私たちアストライドは「THE VOICE PLATFORM」として、ポッドキャスト事業を開始します。
経営に必要な「手段」を知る。自分が立つ土地の「文脈」を理解する。その上で、「この事業は地域にどのような価値を残すのか」を問い直す。
届けたいのは、不確実性の高い現代においても地域の価値を後世に紡いでいくための知識と視座です。その地域固有の文化と共に、企業も地域も深みを増していく。これが私たちの目指す「知のインフラ」の姿です。
前職での経験と、アストライドが継承したもの
200社以上の経営者インタビュー
私は2019年から約4年間(2022年まで)、前職において三重県内の経営者200社以上のインタビュー映像制作に携わりました。インタビュアーとして多くの経営者と対話を重ね、その想い——事業への情熱、継承への覚悟、未来への展望——を映像として記録してきました。
「30年後にも価値を持つ映像を残す」。それが前職での取り組みの核心でした。
独立後の変化
現在、前職では新たな経営者インタビュー映像制作の事例は減少しました。アストライドは、その当時の想いや価値、意義を引き継ぎ、自社の事業として展開しています。経営者インタビュー映像制作は、現在もアストライドの主力事業の一つです。
コロナ禍を経て市場のニーズは変化しました。その変化を踏まえ、経営者の想いを届けるメディアとして、ポッドキャストに取り組むことにしました。
市場環境:短尺動画時代の注意力をめぐる問題
TikTok以降の変化
TikTokの普及以降、動画コンテンツは大きく変容しました。縦長フォーマット、短尺、開始直後から興味を引く構成——これらが動画制作の標準となりつつあります。
2024年に『Psychological Bulletin』誌で発表された大規模メタ分析によれば、TikTok、Instagram Reels、YouTube Shortsなどの短尺動画への高い関与は、注意力の低下と衝動抑制の減退と関連していることが示されています。頻繁に視聴するユーザーほど、タスクへの集中や衝動的な反応の抑制に困難を示す傾向があります。
SGAnalytics(2023年)の報告では、学生が学校関連の活動に10分以上集中することが困難になっていると指摘されています。
注意の奪い合い
こうした環境下で、SNSや動画プラットフォームは「アテンションエコノミー」——注意経済の戦場となりました。開始1秒で興味を引き、スワイプされる前にメッセージを届ける。この競争の中で、コンテンツはますます短く、断定的になっています。
黒は黒、白は白。明確に言い切ることが求められ、曖昧さは視聴者にとってわかりづらく、スワイプされる要因となります。
経営者の想いは「グレーのグラデーション」
200社以上の経営者と対話を重ねてきた中で、一つの実感があります。
経営者の想いは、白黒で割り切れるものではありません。
黒と白の間には無数のグレーがあり、その濃淡は一人ひとり異なります。やや黒に寄ったグレー、白に近いグレー。そのグラデーションは時間とともに移ろいます。創業時の想い、成長期の葛藤、継承を考え始めた今の心境——同じ経営者でも、語る内容は変化します。
経営者インタビューとは、このグラデーションを時間をかけて丁寧に表現する営みです。
縦長動画との構造的な齟齬
60秒で完結することを前提とした動画フォーマットに、このグラデーションを収めようとすると無理が生じます。断定的な言い切りを求めるトレンドと、曖昧さの中にこそ本質がある経営者の言葉。両者の間には溝があります。
2025年に入り、Instagramがリール機能をさらに強化したことで、この傾向は一層顕著になりました。経営者インタビューを縦長動画に当てはめようとした場合、その本質——グラデーションを丁寧に伝えること——が損なわれてしまいます。
この問題意識が、ポッドキャストという選択の出発点です。
ポッドキャストという選択:経営者層に届くメディア
経営者層・高年収層に届くメディア特性
オトナルと朝日新聞社が共同で実施した「第4回ポッドキャスト国内利用実態調査」(2023年12月実施)によれば、YouTube、TikTok、Instagramと比較した場合、ポッドキャストユーザーは情報感度が全項目で高く、高年収層の比率が最も高いという結果でした。
朝日新聞ポッドキャストユーザーを対象とした連動調査(第5回調査、2024年12月実施)では、以下の結果が示されています。
- 約2割が企業の決裁権者
- 約4分の1が年収700万円以上
- 約半数が15〜29歳のZ世代、約3分の2が15〜39歳
経営者インタビューのコンテンツは、経営者や事業責任者に届いてこそ価値を発揮します。ポッドキャストは、そうした層に届きやすいメディア特性を備えています。意思決定層にリーチできるメディアであること——これが、ポッドキャストを選んだ理由です。
「耳の可処分時間」
ポッドキャストユーザーの87.1%が「ながら聴き」をしています。通勤中、車の運転中、家事をしているとき、トレーニング中——目と手は別のことをしながら、耳で情報を受け取る。
アテンションエコノミーが目と手の奪い合いであるとすれば、ポッドキャストは別の領域を開拓しています。短尺動画のように数秒で離脱されるリスクが低く、比較的長い時間、コンテンツと向き合ってもらえる可能性があります。
この特性は、経営者の想いを丁寧に伝えたいという私たちの志向と親和性があります。
音楽キャリアとの接続
私は名古屋市役所に勤務していた時代から、楽曲制作を続けてきました。キャリアの年数で言えば、映像制作よりも音楽制作に費やした時間の方が長いです。
音に向き合うノウハウ——ノイズリダクション、イコライザー調整、コンプレッションによる声の整え方——これらは経営者インタビューの映像制作にも活かされてきました。
ポッドキャストという「音だけで聴かせる」メディアにおいて、このノウハウを最大限に活用できます。経営者との対話、映像制作、音楽制作——これまでのキャリアが収斂する場所が、ポッドキャストです。
3つのフェーズで届けたい価値
THE VOICE PLATFORMでは、3つのフェーズで番組を展開していきます。
phase 01:経営の「手段」を知る
現代の経営に必要な実務知識を、各分野の専門家から学ぶ番組群です。知識が増えれば、選択肢が広がります。
具体的には、デザインから審美眼を養うこと、Webマーケティング、生成AI時代の経営判断、人材獲得戦略、組織経営・ガバナンス、各種トピック(DX、GX、IoT)などを扱います。
phase 02:地域の「文化」を知る
芸能、信仰、風土、暮らし。その土地で人々がどう生きてきたかを知ることで、経営者としての土台が深まります。
伝統芸能・工芸の継承者たち、風土と暮らしの知恵、地域を形づくってきた人物史、観光・文化財・景観の訴求——こうしたテーマを取り上げていきます。
phase 03:事業を「文化」として紡ぐ
経済的な成功と、文化的な価値。その両方を次世代に積み上げていく経営を考える番組群です。
老舗企業に学ぶ継承の哲学、事業と地域文化の共生、次世代に何を残すか、経営者が語る「紡ぐ」ということ——こうした問いに向き合います。
2026年1月から始まる2つの番組
現在アストライドは3名体制で運営しています。映像制作と比較してポッドキャストの編集工数は短く、番組数の増加にも対応していける見込みです。まずは2つの番組からスタートし、ここから、より多くの番組に着手していきます。
「Webマーケティング特捜部〜企業HPを稼ぐ営業マンに変える〜」
株式会社アスターリンクの硯里(すずり)宏幸さんとの共同制作です。phase 01「経営の手段を知る」に位置づけられます。
企業のコアとなる発信媒体は公式ウェブサイトです。SNSでの発信は入口であり、自社の想いや価値を体系的に伝え、24時間働く営業マンとして最終的に機能するのは、丁寧に作り込まれたウェブサイトです。
地域の中だけを商圏としていた企業が、全国、世界に向けて発信していくために、ウェブをどう活用すべきか。その実践的な知見を届けていきます。
「デザイン審美眼──社長に役立つデザインの話」
Mat N. Studioの的場仁利(のりよし)さんとの共同制作です。こちらもphase 01に位置づけられますが、phase 02、phase 03への接続も視野に入れています。
的場さんの専門は組版やタイポグラフィーです。文字の配置、余白の取り方、書体の選択——こうした要素が生み出す美しさについて、経営者の視点も交えながら考えていきます。
生成AIの普及により、デザインは誰でも簡単に作れるようになりました。AIが生成したデザインの良し悪しを、社内で誰がジャッジできるのか。ロゴのレギュレーション違反、トーン&マナーのズレ——内製化が進むからこそ、見落とされるリスクが増えています。
また、不確実性の高い時代において、経営者には多角的な判断が求められます。その判断基準の一つとして「審美眼」を提案します。何が美しく、何が美しくないかを見極める力。組版やタイポグラフィーの世界で培われたこの視点は、ゆくゆくは日本の伝統工芸が持つ佇まいや凄みへと接続していきたいと考えています。
三重県から発信する理由
私のキャリアを育ててくれたのは、三重県という土壌であり、そこで出会った経営者の皆様です。200社以上のインタビューを通じて蓄積した経験は、この地域からの贈り物です。
今回のポッドキャスト事業は、その恩返しでもあります。培ってきたノウハウを、三重県の企業の発展のために還元したい。
地域に根ざすということ
現代のスタートアップは、市場規模や資金調達額といった定量的な指標で語られることが多いです。ユニコーン企業を目指し、グローバルに展開する。それ自体は素晴らしいことです。
ただ、どこでやっても変わらない事業——東京でも、アメリカでも、ヨーロッパでも同じように成立するビジネス——それは、その土地に根ざした価値を生んでいると言えるのか。
三重県でなければ成立しない事業。この地域の文化と接続し、ここで事業を営む経営者のマインドを前向きにする。そうした営みを目指しています。
短期的な経済合理性だけを追うつもりはなく、地域の良さ、素晴らしい経営者の存在を届けていく。その姿勢は、前職から変わりません。
おわりに
2026年1月1日、私たちは「THE VOICE PLATFORM」として歩み始めます。
まずは2つの番組からスタートしますが、phase 01からphase 03まで、より多くの番組に着手していきます。経営の手段、地域の文化、そして事業を文化として紡ぐこと。この3つの軸で、三重県の経営者に届く「知のインフラ」を構築していきます。
番組制作に関心のある方、ゲストとして出演いただける方、リスナーとして聴いていただける方——さまざまな形でのご協力をお待ちしています。
記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英
アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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