地方の経営者に届けたい「声」がある——2026年元日、音声番組を始めます

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この記事でわかること

  • 地方の経営者が直面している「情報」に関する課題
  • 音声メディア(ポッドキャスト)が持つ可能性と特性
  • 2026年1月1日より配信を開始する2つの番組の概要
  • 私たちがこの取り組みを通じて目指す地域の未来

「良いモノを作っているだけでは、伝わらない」

これまで200名以上の経営者にお話を伺う中で、この言葉を何度も耳にしてきました。品質には自信がある。サービスにも誠意を込めている。けれど、その価値が市場に正しく届いていない。そんなもどかしさを抱える経営者は、決して少なくありません。

私自身、三重県を拠点に活動する中で、同じ課題を持つ経営者様にお会いしてきました。そして、その背景には「情報」という見えにくい壁があると感じています。

2026年1月1日、私たちは音声メディア(ポッドキャスト)の配信を開始します。この記事では、その背景と、私たちが描こうとしている未来についてお伝えします。


地方の経営者を取り巻く「情報」の課題

都市部との情報格差

東京や大阪といった大都市圏では、経営に関するセミナーや勉強会が日常的に開催されています。業界の第一人者と直接話す機会も、比較的手に入りやすい環境にある。

一方、地方ではどうか。

移動時間と交通費をかけて都市部に出向くか、書籍やWebの記事で独学するか。選択肢は限られます。もちろん、オンラインセミナーも増えてきましたが、画面の前に座る時間を確保すること自体が、多忙な経営者にとっては難しい。

この「情報へのアクセスの差」は、経営判断の質に直結する問題です。

「手段」の選択肢が見えにくい

デザイン、Web、SNS、動画、採用広報——。経営課題を解決するための「手段」は年々増え続けています。しかし、その手段がどのような効果を持ち、自社にとって適切かどうかを判断するための情報が、地方には届きにくい。

結果として、「よくわからないから手を出さない」という選択が生まれます。あるいは、「とりあえずやってみたけれど、期待した効果が出なかった」という経験を重ねることになる。

これは、経営者の判断力の問題ではありません。判断の材料となる「質の高い情報」が、そもそも手元にないことが原因です。


なぜ「音声」なのか(ポッドキャストを選択した理由)

多忙な経営者に届くメディア

経営者の一日は、会議、現場対応、来客、書類処理と、分刻みで動いています。スマートフォンやPCの画面をじっと見つめる時間を新たに作ることは、現実的ではありません。

しかし、通勤中の車内、移動時間、朝の準備中など、「手と目は塞がっているが、耳は空いている」時間は存在します。

ポッドキャストは、この「耳の可処分時間」を活用できるメディアです。オンデマンドで、好きなときに、好きな場所で聴取できる。ラジオのような「リアルタイム性」に縛られることもありません。

声が持つ「伝わる力」

テキストだけでは伝わりにくいものがあります。話し手の熱量、間の取り方、言葉選びの癖——。こうした非言語的な情報は、書き言葉では再現できません。

音声メディアには、話し手の「人となり」がそのまま乗る。だからこそ、聴き手は「この人の話をもっと聴きたい」という感覚を持ちやすい。信頼は、そうした積み重ねの中で生まれるものだと考えています。

アーカイブとして残り続ける

ラジオ放送は「流れて消える」メディアです。リアルタイムで聴かなければ、その情報には触れられません。

対してポッドキャストは、配信されたエピソードがアーカイブとして残り続けます。過去の放送も検索で見つけることができ、必要なときに必要な情報へアクセスできる。「ストック型」のメディアとして、長期的に価値を持ち続けます。


2026年1月1日、2つの番組をスタートします

私たちは、2026年元日より、地方の経営者に向けた2つのポッドキャスト番組の配信を開始します。

「デザイン審美眼」——社長に役立つデザインの話

MC:的場仁利(Mat N. Studio代表)

「デザインはセンスの問題」「自分にはわからない」——。そう感じている経営者は少なくないかもしれません。

しかし、デザインには論理があります。なぜこの配色なのか、なぜこのレイアウトなのか。その「なぜ」を理解することで、経営者自身がデザインを「判断」できるようになる。

MCを務める的場仁利氏は、タイポグラフィー(文字組み)の専門家として『文字の組み方』『怖くないタイポグラフィ』などの専門書執筆・監修を多数手がけてきました。JAGDA(日本グラフィックデザイン協会)正会員としても活動しています。

この番組では、経営者が「デザインを見る目」を養うための知見を、わかりやすくお届けします。ロゴ、名刺、パンフレット、Webサイト——。日々の経営判断に関わるデザインの「良し悪し」を、自分の言葉で語れるようになることが目標です。

「Webマーケティング特捜部」——企業HPを稼ぐ営業マンに変える

MC:硯里宏幸(株式会社アスターリンク代表取締役)

「ホームページは持っているけれど、何の役にも立っていない」

こうした声は、地方の中小企業において特に多く聞かれます。作っただけで終わっている。問い合わせが来ない。そもそも、何をすれば良いのかわからない。

MCを務める硯里宏幸氏は、名古屋工業大学大学院修了後、富士通でSE、エイチームでWebエンジニア・マーケティング責任者を経て独立。技術とマーケティングの両面から、企業のWeb活用を支援してきました。

この番組では、Webサイトを「放置された看板」から「24時間働く営業担当」に変えるための考え方と手法を、実践的に解説します。SEO、コンテンツ設計、アクセス解析——。専門用語に振り回されず、「自社のサイトで何をすべきか」を考えられるようになることを目指します。


配信プラットフォームと聴取方法

両番組は、以下のプラットフォームで聴取可能です。

  • Spotify
  • Apple Podcasts
  • Amazon Music
  • YouTube Music

スマートフォンにアプリをインストールし、番組名で検索するだけ。通勤中の車内、ランニング中、朝の身支度の間など、日常のすき間時間にお聴きいただけます。


私たちが描こうとしている未来

「知のインフラ」としての音声メディア

都市部ではない経営者が、経営判断に必要な「知見」に、日常的にアクセスできる環境を作りたい。

都市部に出向かなくても、高額なセミナー費用を払わなくても、質の高い情報に触れられる。そんな「知のインフラ」を、音声メディアを通じて構築することが、私たちの目標です。

経営の「選択肢」を広げる

「知らなかったから、選べなかった」

この状態を、少しでも減らしたいと考えています。

デザインについて知ることで、自社のブランディングに新たな視点が生まれるかもしれません。Webマーケティングの基礎を理解することで、ホームページの改善に着手できるかもしれません。

知識は、選択肢を広げます。選択肢が広がれば、経営判断の幅も広がる。その連鎖が、地域の企業を少しずつ前に進める力になると信じています。

地域に根ざした発信を続ける

この番組は、三重県四日市市を拠点に制作・配信します。

地方に拠点を置き、地方の経営者と日々向き合っている私たちだからこそ、伝えられることがある。大手メディアや都市部のコンサルタントとは異なる、「地域の目線」での情報発信を続けていきます。


おわりに

品質だけでは選ばれない時代。必要なのは、自社の価値を正しく定義し、届く形で伝える力です。

その力を養うための一助として、私たちは音声メディアという手段を選びました。

2026年1月1日、配信を開始します。

通勤中の車内で、朝のコーヒーを飲みながら、夜のランニング中に——。どこかのタイミングで、私たちの声が皆さんの耳に届けば幸いです。

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。