#16 色・素材・文字 ── 人がデザインを認識する順序の話

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今日のテーマは「色・素材・文字──人がデザインを認識する順序」です。

第2部がスタートし、ここからは具体的なデザインの話題に踏み込んでいきます。日本を代表する現代アーティスト・味岡伸太郎さんが田中一光さんから受け継いだ「デザインで重要な要素は色・素材・文字」という言葉を起点に、人がデザインを認識する順番を車や商業施設の具体例で紐解きます。三要素の中で最も重要なのは何か──的場さんが明快に答えます。


このエピソードで話していること

  • 第2部がスタート──ここから具体的なデザインの話題に踏み込んでいく
  • 味岡伸太郎さんが田中一光さんから受け継いだ言葉「デザインで重要な要素は色・素材・文字」
  • 車の認識プロセス:「黒い大きなもの」→「つや消しか光沢か」→「ランドクルーザー」ではなく「レクサスLX」だった!
  • 人間の情報認識は色→素材→文字の順で進む──自然の摂理に沿った考え方
  • グラフィックデザイナーの言葉に「素材」が含まれている意外性と重要性
  • 商業施設での認識:壁面の色→服の素材感→ブランド名や価格の文字へ
  • JR高島屋のブランドフロア──大理石の壁やカーペットで高級感が素材として伝わる
  • 中部デザイン協会75年史への味岡伸太郎さんからのフィードバック──「開きがいい方がいい」
  • 造本と素材選び:薄い本で厚い紙を選ぶとスカは出るが開きが悪くなるジレンマ
  • 紙の種類の豊かさ:上質紙、コート紙、マットコート、キャストコート、ファンシーペーパー
  • ファンシーペーパーの廃版増加──コストと流通の問題で選択肢が狭まっている現状
  • デジタル時代に素材感が「スマホの画面」に統一されがちな中、認知の順序は変わるのか
  • 名刺や製品など物理的な接点では素材の重要性は変わらない
  • 三要素の優先順位は「色」が一番──遠くからでも伝わり、手に取る前に判断されるから

こんな方におすすめ

  • デザインの良し悪しを判断する基準が欲しい経営者
  • 自社の名刺やパンフレットの紙選びに迷っている方
  • 「色・素材・文字」というフレームワークでデザインを整理したい方
  • デジタルと印刷物でデザインの見せ方をどう変えるべきか知りたい方
  • デザイナーとのコミュニケーションで共通言語を持ちたい方

この記事からわかるQ&A

「色・素材・文字」という考え方は誰の言葉ですか?

的場さんによると、この言葉はJAGDA(日本グラフィックデザイン協会)で的場さん自身も指導を受けている現代アーティスト・味岡伸太郎さんがよく説明で使う言葉で、もともとは無印良品のアートディレクションで知られる田中一光さんから聞いた言葉だそうです。的場さんはこの言葉を「自然の摂理に沿った、二人のフィルターを経た言葉」と評価しています。

「色→素材→文字」の順で認識するとは、具体的にどういうことですか?

的場さんが車の例で説明しています。歩いていて遠くから「黒い大きなものが来た」とまず色で認識する。近づくと「つや消しか光沢か」と塗装の素材感が分かる。さらに近づいて「ランドクルーザーだ」と形で判別し、最後に「レクサスLXだった」とエンブレムの文字で確定する。商業施設でも同様で、壁面の色→服の素材感→値段やブランド名の文字という順番で情報を処理していると語っています。

グラフィックデザイナーの言葉になぜ「素材」が入っているのですか?

纐纈が「色と文字はイメージがつくが、グラフィックデザイナーの言葉に素材が入っているのが興味深い」と指摘したのに対し、的場さんは「デザインって何でもデザインできる」という感覚を持っており、自分にとって素材は違和感がないと答えています。実際に中部デザイン協会75年史の制作で味岡伸太郎さんから「開きがいい方がいい」「風合いのある紙でもいいのでは」と紙の素材について具体的なアドバイスをもらったエピソードからも、グラフィックデザイナーにとって素材は重要な関心事であることが分かります。

デジタルの時代に「素材」は関係なくなるのでは?

纐纈がまさにこの点を質問しています。スマートフォンのディスプレイという均一な素材の上では、色やフォントで印象が決まるのではないかと。的場さんは「情報発信だけがデザインではない」と答え、バーチャルの企業でも名刺は持っているし、製品を作る企業には素材が不可欠だと指摘。むしろ画面に情報が集約されていく時代だからこそ、物理的な接点での素材の感度がますます重要になると語っています。

色・素材・文字の中で、まず何から意識すればいいですか?

的場さんの答えは明確で「色が一番大事」です。理由は、色は遠くからでも伝わる最初の情報だから。ランドクルーザーの例でも、まず「黒い車が来た」と色で認識する。文字は手に取ってからでないと見えないし、手に取ってもらう前に「違うわ」と判断されてはいけない。だからまずは色を正しく設計することが最優先だと結論づけています。

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番組情報

デザイン審美眼──社長の第六感をカタチにするデザインの話

タイポグラフィを探求し続けるデザイナー・的場仁利が、デザインの世界で積み上げられてきた「判断の原理」を経営者の言葉に翻訳し、社長の「第六感」を確かな判断軸に変えていくビジネス番組。AIがあらゆる選択肢を出力する時代に、「これは自社に合っているか」を見定める力——それが「デザイン審美眼」。毎週木曜配信。

メインMC

的場仁利
Mat N. Studio代表
https://japan-designers.jp/profile/1453/

タイポグラフィーの論客として、多数のデザイン書に携わる。高校でデザインを学び、大学で技術経営を専攻。営業職として年間1億円超の案件を担当した経験も持つ。現在は本・冊子・パッケージのデザイン、タイポグラフィ執筆を手がける傍ら、浮世絵・春画をモチーフにしたアートプロジェクト「艶絵グレース」のクリエイティブディレクターを務める。中部デザイン協会75年誌のブックデザイン・編集に携わるなど、デザインと経営の両面に精通。公益社団法人日本グラフィックデザイン協会会員、アドビ コミュニティエキスパート。

サブMC

纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
https://www.ast-ride.com⁠

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。

matnuovo@gmail.com

制作

アストライド-Astride-(⁠https://www.ast-ride.com⁠

サウンドロゴ(クレジットコール):松島史奈

カバーデザイン

的場仁利(Mat N.Studio)

※ この番組は「THE VIOCE PLATFORM」から配信されています。企業の番組参加については こちら

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。