Home ナレッジ対談で相手の言葉が変わるのは30分を過ぎてから。200名超の対談で見てきたこと

対談で相手の言葉が変わるのは30分を過ぎてから。200名超の対談で見てきたこと

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この記事でわかること

  • 最初の10分から20分に起きていること
  • 30分を過ぎたあたりで変わるもの
  • 変わり目の手前で終わる対談
  • 待つために私がしていること
  • 番組の尺を30分から決めた理由

私は2018年から2023年までの5年間、毎週、経営者インタビューの映像を制作してきました。訪問した会社は250社を超え、直接お話をうかがった経営者は200名を超えています。

その5年で、繰り返し起きたことがあります。最初の10分から20分のあいだは、よそゆきの言葉が続きます。30分を過ぎたあたりから、相手の言葉がその人自身のものへ変わります。

この記事では、その変わり目に何が起きているのかを書きます。あわせて、この経験がポッドキャストの収録時間の決め方につながっていることもお伝えします。


最初の10分から20分に起きていること

対談の冒頭で返ってくる言葉は、多くの場合、すでに一度どこかで話された言葉になります。

返ってくるのは、会社案内に書いてある創業の経緯、採用の場面で使っている理念の説明、業界紙の取材で答えた内容といったものです。こうした言葉は整っていますし、間違ってもいません。ただ、その日その場でしか聞けない話とは別のものです。

この時間帯の相手の方は、私という初対面の人間が何を聞きたいのかを測っています。答えを組み立てながら、こちらの反応も見ています。私はここを、急いで飛ばさないようにしています。

30分を過ぎたあたりで変わるもの

30分を過ぎたあたりから、話し手の話し方そのものが変わってきます。

私が見てきたかぎり、変わるのは3つです。ひとつ目は言葉の速さで、用意された説明を話すときよりも少しゆっくりになります。ふたつ目は固有名詞の量で、取引先の名前、当時いた社員の名前、地名が話の中に増えてきます。3つ目は言い直しで、「いや、そうじゃなくて」と自分の言葉を自分で直しはじめます。

この3つが出てきた回は、後で編集をしていても手応えがはっきりと違ってきます。私が「今日は良い回になった」と感じるのは、たいていこの3つが揃ったときになります。

変わり目の手前で終わる対談

対談の時間を短く組んだ場合、話し手の言葉はこの変わり目の手前のところで終わります。

私が制作していた経営者インタビューでは、1回あたり1時間から2時間をいただいていました。私はこの時間を確保していたからこそ、30分を過ぎたあとのお話を素材にできました。編集の工程では、私はその1時間から2時間の素材を10分から15分へ縮めています。

もし私が対談を30分で切り上げていたら、集まる素材は冒頭のよそゆきの言葉だけになります。そこから10分の映像を作ることもできますが、出来上がるのは会社案内を読み上げたものに近い内容です。

なぜ30分なのか

なぜ30分あたりなのかという点について、私は数字で説明できる根拠を持っていません。ここから先は、私の見立てとしてお読みいただければと思います。

相手の方が私という人間を測るのに、そのくらいの時間が要るのだと考えています。この人は自分の話を本当に面白がっているのか、それとも段取りをこなしているだけなのか。相手の方はそこを、こちらの相づちの打ち方と次の質問のしかたから判断しています。

段取りをこなしているだけの聞き手だと相手が判断した場合、その方の言葉は最後までよそゆきのままです。私はこれを、質問の内容よりも聞き方のほうの問題だと受け止めています。

待つために私がしていること

この30分を待つあいだ、私は3つのことを心がけています。

ひとつ目は、取材先を調べ込んでおくことです。私が事前に押さえるのは、会社の沿革、直近の取り組み、そして業界の動きの3つになります。ここを押さえておくと、冒頭の20分で聞くべき質問が減ります。

ふたつ目は、こちらから誘導しないことです。私が用意した結論へ話を運ぼうとした場合、相手はそれをすぐに察します。察した相手は、こちらの求める答えのほうを返しはじめます。そこから先、その方の言葉は変わりません。

3つ目は、聴く順番をあらかじめ設計しておくことです。私は現在の事業のお話から入り、過去へ戻り、これからの話で閉じる順番を取っています。この順番であれば、相手は答えやすい話から入っていけます。

調べ込みが逆に働く場面については、取材先の調べ込みと、先回りの問題で詳しく記載しています。

ラジオとテレビで身につけたこと

私は東海ラジオでナビゲーターを務め、三重テレビでもメインナビゲーターとして番組に出てきました。生放送の現場では、相手の言葉が変わる瞬間をゆっくり待つだけの余裕がありません。

この経験は、逆の形で役に立っています。私は限られた時間で話を引き出す組み立てと、時間をかけて待つ組み立ての両方を持っています。だから私は、その日の相手に合わせてどちらかを選べます。

寡黙な方が相手の場合、私は最初の30分を短い質問で重ねていきます。話が長くなる方が相手であれば、私は口を挟まずに待ちます。どちらの場合も、私が目指しているのは同じ変わり目のところです。

ポッドキャストの尺をどう決めたか

アストライドのポッドキャストは、番組尺を15分、1エピソードあたりの収録を30分程度としています。この30分という数字は、ここまで書いてきた経験から置いたものです。

私たちは30分収録して15分の番組を作りますので、およそ半分は使わない計算になります。この使わない半分の中に、変わり目の手前のよそゆきの言葉が入ります。

収録をさらに短くしてほしいというご要望をいただくこともあります。ただ、20分の収録から15分の番組を作った場合、残せるのは冒頭の説明だけになります。私たちが30分をお願いしているのは、そのためです。

収録の回数と時間については、収録は月1回で足りるのかで詳しく記載しています。

変わり目が来ない回もある

30分を過ぎても言葉が変わらない回もあります。

多いのは、社内で答えの範囲が決まっている場合です。広報の確認が入る前提でお話しになる方は、最後まで整った言葉のほうを選ばれます。これはその方のご判断ですので、私はそこを崩さずに受け止めています。

その場合、私は引き出す方向のほうを変えます。想いや背景を離れて、具体的な手順や数字をうかがう形へ切り替えます。整った言葉であっても、他社が知らない手順であれば、聴く側にとっては新しい話になります。

まとめ

対談で相手の言葉がその人自身のものへ変わるのは、私の経験では30分を過ぎたあたりです。私は2018年から2023年まで毎週、250社を超える会社をたずね、200名を超える経営者と向き合ってきました。

変わり目で私が見ているのは3つです。話し手の言葉の速さがゆっくりになり、固有名詞が増え、そして言い直しが出はじめます。

対談を短く組んだ場合、話し手の言葉はこの手前で終わります。私が制作していた経営者インタビューでは1回1時間から2時間をいただき、そこから10分から15分の映像を作っていました。

アストライドのポッドキャストで1エピソードの収録を30分程度としているのは、この経験から置いた数字です。30分収録して15分の番組を作りますので、およそ半分は使いません。

もし社内で対談形式の企画をお持ちであれば、収録の時間を30分より長めに取ってみてください。その30分から先のところに、その日にしか聞けない話が置かれています。

この記事からわかるQ&A

対談は何分くらい取ればよいですか

私の経験では、対談の時間が30分では足りません。相手の言葉がその人自身のものへ変わるのが30分を過ぎたあたりですので、その先の話を素材にするには1時間から2時間が要ります。私が制作していた経営者インタビューでは、1回あたり1時間から2時間をいただき、そこから10分から15分の映像に編集していました。

言葉が変わったかどうかは、どう分かりますか

私は次の3つの変化を、言葉が変わった目印にしています。言葉の速さが少しゆっくりになること、取引先や社員の名前といった固有名詞が増えること、そして「いや、そうじゃなくて」という言い直しが出はじめることの3つです。この3つが揃った回は、編集していても手応えが違います。

事前に調べておくべきですか

調べておいてください。会社の沿革、直近の取り組み、業界の動きの3つを押さえておくと、冒頭の20分で聞くべき質問が減ります。ただし、調べた内容から結論を用意して話を運ぼうとした場合、相手はそれを察します。察した相手は、こちらの求める答えを返しはじめます。

質問の順番に決まりはありますか

私は、現在の事業のお話から入り、過去へ戻り、これからの話で閉じる順番を取っています。この順番であれば、相手は答えやすい話から入れます。過去の話から始めた場合、相手は記憶をたどるところから入りますので、立ち上がりに時間がかかります。

ポッドキャストの収録も30分ですか

アストライドは、1エピソードあたりの収録を30分程度としています。番組尺は15分ですので、収録した30分のうちおよそ半分は使いません。この半分に、変わり目の手前のよそゆきの言葉が入ります。収録日全体では、3〜4時間をお預かりしています。

出典

  • 纐纈智英「CBN営業戦略」講演台本 v17(2026年6月18日/伝七ステーションでの2018年から2023年まで5年間・毎週の経営者インタビュー制作、訪問250社以上・経営者200名超、1〜2時間の対談を10〜15分へ編集、対談で大事にしてきた3つ、言葉が変わる30分過ぎの場面)
  • アストライド「ポッドキャスト制作・運用代行 月15万円〜|収録は月1回|三重・全国対応」番組尺15分・収録日3〜4時間(2026年8月時点) https://ast-ride.com/service/service-podcast/
  • アストライド「経営者インタビュー」インタビュー実績200社以上(2026年8月時点) https://ast-ride.com/service/service-interview/
  • アストライド「ポッドキャスト番組制作のご提案」2026年6月26日版・全18ページ p2(代表の4つの力、三重テレビ「三重県応援団」メインナビゲーター、東海ラジオ「コウケツトモヒデの Go to 伝七ステーション」ナビゲーター)/p3(質問設計の一気通貫、構成力)
  • 纐纈智英(アストライド代表)への確認記録「ポッドキャスト契約条件の確定事項」2026年8月9日版・確定3件(1エピソードあたりの収録時間30分程度、収録日全体の長さ)

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。