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ポッドキャストの成果はどこまで測れるか。取れる数字と、取れない数字

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この記事でわかること

  • 配信基盤から取れる3つの数字
  • 個人単位の視聴を追えない理由
  • 同じ再生数でも意味が変わる場面
  • 再生数で見えるところの境目
  • 接触の先を測る方法

商談の席で費用の話をしたあと、次に確かめられることの多い項目が成果の測り方です。「ユーザーが何人で、視聴数がどれくらいで、成果がどれくらいか」という順番でお尋ねいただくこともあります。

先にお伝えしておくと、ポッドキャストで取れる数字は3つに限られます。その3つは、回ごとの再生数、完了率、そして聴かれた時間帯です。誰がどこまで聴いたかを個人単位で確認する使い方は、配信基盤の仕様として行えません。

この記事では、取れる数字と取れない数字の境目をお伝えします。あわせて、同じ再生数でも意味が変わってしまう場面、そして再生数では見えない部分をどう補うかも記載していきます。測れる範囲を先に決めておけば、始めたあとで数字の解釈に迷うことがなくなります。


配信基盤から取れる3つの数字

アストライドが使う配信基盤 KOEGURA の聴取ログは、匿名の集計値です。取れる数字は次の3つとなります。

指標分かること
再生数回ごとに、何回再生されたか
完了率再生された回のうち、最後まで聴かれた割合
時間帯どの時間に聴かれているか

この3つは回ごとに出ますから、月1回配信であれば年間12組、週1回配信であれば年間48組の数字が並びます。1回の収録から4本を作る番組なら、収録1日あたり4組が積み上がる計算です。配信頻度ごとの本数と月額については、ポッドキャスト制作の費用は月いくらかで詳しく記載しています。

3つのうち、番組の設計を直すときに使いやすい指標は完了率です。再生数は番組の外側にある要因、たとえば社内での案内や配信先の一覧での見え方によって上下します。完了率は、中身と尺のどちらかに理由があります。

聴かれた時間帯は、次の回の公開時刻を決めるときに使います。通勤の時間帯に集中しているなら、公開は前日の夜に置くほうが届きやすくなります。

個人単位の視聴は追えません

KOEGURAは、再生する側にログインを促す仕組みを持ちません。したがって、誰がどこまで聴いたかを個人単位で確認する使い方はできません。

社内向けの番組で「聴いていない社員に督促したい」という運用をお考えの場合、この方法は合わない設計となります。研修の受講管理のように、個人ごとの進捗を追う必要がある用途であれば、学習管理システムのように個人を識別する仕組みをお選びいただくほうが目的に合います。

一方で、ログインを求めない設計には別の面もあります。聴く側にとって、名前が記録される場では正直な聴き方をしにくくなるからです。社長の考えを社員へ届ける番組であれば、誰が聴いたかを記録しないほうが、かえって聴かれる回数は増えます。

私たちは、ここを制約でなく設計上の選択として扱っています。測れないものを測れると申し上げないという一点は、契約の前に必ずお伝えしている項目です。

同じ再生数でも、分母で意味が変わります

再生数が100回だったとします。この数字だけでは、多いか少ないかを判断できません。

社内向けの番組であれば、全社員を分母にするのか、対象の部署に限るのかで、同じ100回の意味が変わります。社員300名の会社であれば、この数字は100回÷300名で33パーセントとなります。対象が50名の部署に限られる場合、割合は100回÷50名=200パーセントとなり、1人あたり平均2回聴いている計算です。

分母の置き方再生数100回の読み方
全社員300名100回÷300名=33パーセント。3人に1人が1回聴いた計算
対象部署50名100回÷50名=200パーセント。1人あたり平均2回聴いた計算

外向けの番組でも同じです。既存の取引先に案内した回と、検索から偶然たどり着いた回では、同じ再生数でも起きていることが違います。

分母をどこに置くかは、番組を始める前に決めておいてください。始めたあとで分母を変えると、前後の数字は比べられなくなります。

再生数が示しているのは接触までです

再生数が示しているのは、聴き手が番組に接触したところまでとなります。話した内容が相手の判断に使われているかどうかは、この数字では見えません。

社内向けの番組でいえば、社長の考えが再生されたことは分かっても、その考えが現場の判断に反映されたかどうかまでは分かりません。外向けの番組でいえば、聴かれたことは分かっても、聴いた相手が発注を検討したかどうかまでは追えません。

ここを取り違えると、再生数が伸びているのに問い合わせが増えないという状態を、番組の失敗として読んでしまいます。接触の数と判断の数は、別々に測る必要があります。

数字を読んだあと、次の回で何を変えるか

完了率が下がった回には、中身と尺のどちらかに理由があります。ただし1回ぶんの数字は、どちらが理由かを示しません。

3回ぶんを並べると、傾向が見えてきます。尺が長い回だけ完了率が下がっていれば、理由は尺のほうです。尺が同じで題材だけが違う回で下がっていれば、理由は中身にあります。

私は前職で5年間、毎週の映像配信を続け、どの回が最後まで見られたかを見続けてきました。数字が出てから直す方法もありますが、収録の場で確かめられることもあります。話し手の言葉は、最初の10分から20分はよそゆきのままで、30分を過ぎたあたりから本人のものへ変わります。その部分が入っているかどうかは、編集の段階で確認します。

接触の先を測る方法

再生数では見えない部分については、半年に1回、社員や取引先へ直接お聞きする方法があります。聞く項目は3つです。

項目聞くこと
認知番組があることを知っているか
共感的理解話されている考えを、自分の言葉で説明できるか
行動聴いた内容をもとに、実際に何かを変えたか

この3つを半年ごとに並べると、接触から判断までの流れが見えてきます。認知だけが高くて共感的理解が低ければ、話す題材が抽象的すぎる可能性があります。共感的理解が高くて行動が低ければ、番組の外側に理由があります。

聞き取りには手間がかかりますから、毎月行う必要はありません。半年に1回でも、月1回配信なら6か月ぶん6回分、年間では12回分の再生数と並べられますから、判断の材料は十分にそろいます。

公開範囲を絞ると、数字はどう変わるか

KOEGURAでは、公開の範囲を番組ごとに4段階で設定できます。URLを知っている人だけが聴ける形から、社内イントラへの埋め込みに限る形までが選べます。

番組の立ち上げ時に公開範囲を決める流れについては、番組開設の初期費用20万円は何に使われるかで詳しく記載しています。

公開範囲を絞るほど、再生数の絶対値は下がります。同時に、分母がはっきりするため数字は読みやすくなります。社内イントラに限れば、聴き手は社員だけですから、社員数を分母に置いた計算がそのまま成り立ちます。

外向けの番組で範囲を広げれば再生数は増えますが、誰が聴いたかの手がかりは減ります。範囲の広さと数字の読みやすさは、片方を取れば片方が下がる関係にあります。どちらを優先するかは、番組の目的から決めていただくとよいと私たちは考えています。

始める前に決めておく2つ

測定について、番組を始める前に決めておいていただきたい項目が2つあります。

1つ目は分母です。全社員か、特定の部署か、取引先か、誰を対象にした番組なのかを人数で置いてください。ここが決まれば、再生数はそのまま割合として読めます。

2つ目は見直しの時期です。半年に1回と決めておけば、その時点までは数字の上下に反応せずに続けられます。毎月の再生数を追うと、たまたま伸びた回の作り方へ番組全体が引っ張られていきます。

この2つを決めたうえで始めれば、再生数が想定より低い月があっても、番組の設計を慌てて変える必要がなくなります。

まとめ

ポッドキャストで取れる数字は、回ごとの再生数、完了率、聴かれた時間帯の3つです。配信基盤にログインの仕組みがないため、誰がどこまで聴いたかを個人単位で追うことはできません。

同じ再生数でも、分母の置き方で意味が変わります。社員300名を分母にした100回は33パーセントですが、50名の部署に限れば200パーセントとなります。

再生数が示しているのは接触までです。話した内容が相手の判断に使われたかどうかは、半年に1回、認知と共感的理解と行動の3つを直接お聞きすることで補えます。

お読みいただいたあとは、全社員か、特定の部署か、取引先かを選び、番組の分母を人数で置いてみてください。この人数が決まれば、始めたあとの数字は割合として読めるようになります。

この記事からわかるQ&A

誰が聴いたかを個人単位で確認できますか

できません。KOEGURAは再生する側にログインを促す仕組みを持たないため、聴取ログは匿名の集計値となります。研修の受講管理のように個人ごとの進捗を追う必要がある用途であれば、個人を識別する別の仕組みをお選びいただくほうが目的に合います。

取れる数字は具体的に何ですか

取れる数字は、回ごとの再生数、完了率、聴かれた時間帯の3つです。月1回配信であれば年間12組、週1回配信であれば年間48組が並びます。番組の設計を直すときに使いやすい指標は完了率で、こちらは中身と尺のどちらかに理由が現れます。

再生数はどれくらいあれば成功と言えますか

分母が決まっていない状態では、多いか少ないかを判断できません。社員300名の会社で再生数100回なら100回÷300名で33パーセントですが、対象を50名の部署に限れば200パーセントとなります。番組を始める前に、誰を対象にするかを人数で置いてください。

再生数が伸びているのに問い合わせが増えません

再生数が示しているのは接触までであり、聴いた相手が発注を検討したかどうかまでは追えないためです。接触の数と判断の数は別々に測る必要があります。半年に1回、認知と共感的理解と行動の3つを直接お聞きすると、どこで止まっているかが見えてきます。

効果測定はどれくらいの頻度で行いますか

頻度は半年に1回をお勧めしています。毎月の再生数を追うと、たまたま伸びた回の作り方へ番組全体が引っ張られていきます。半年ぶん、月1回配信なら6回分の再生数と、認知・共感的理解・行動の聞き取りを並べれば、判断の材料としては十分です。

出典

記事を書いた人

アストライド代表 纐纈 智英

アストライド代表。「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した「論理的思考(左脳)」と、音楽コンテストでグランプリを受賞するなど「芸術的感性(右脳)」を併せ持つ、異色のバックグラウンド。これまでに200社以上の経営者インタビューを行った経験を活かし、経営者すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出して映像化する。

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
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