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ポッドキャスト制作の納品物は何か。完成音源と、品質の基準

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ポッドキャスト制作を外部へ頼むとき、納品物や作業範囲が分からないまま、見積もりを比較していませんか?回ごとに納品するのは編集を終えた完成音源で、品質の基準と費用に含まれる作業を確かめることが、比較の手がかりです。

この記事では、完成音源の納品と品質の基準、配信先への掲載、概要欄や番組の設計、月額と初期費用に含まれる作業について取り上げます。納品物に含まれないものと、契約終了後も使える音源についてもお伝えします。

この記事でわかること

  • 回ごとに納品する完成音源の形式と仕様
  • 収録・編集で音源の品質を決める要素と音量の基準
  • 配信先への番組登録と各回の掲載の仕組み
  • 検索に配慮した概要欄とタイトルの作成内容
  • 番組の設計内容と見直し、契約終了後の音源の扱い
  • 月額と初期費用の対象作業、追加料金と別途費用
  • 納品対象外の収録データと聴取集計の扱い

回ごとに納品するもの

各回の制作に含まれる作業と、番組立ち上げ時の作業は、次の表のとおりです。

項目頻度中身
完成音源(納品物)回ごとに1本WAV 24bit/48kHz
配信の登録回ごとに1回KOEGURA へ登録し、RSS フィードを通じて Spotify、Apple Podcasts、Amazon Music へ反映させる
タイトルと概要欄回ごとに1本検索に配慮して作成する
番組の設計立ち上げのときに作り、配信を続けながら見直すコンセプト、ターゲット設定、年間エピソード案

このうち御社へ納品するのは、完成音源です。年間48本を配信する場合、私たちは1年間で48本の完成音源を納品します。

Apple Podcasts が RSS フィードで受け付ける音声の形式は、MP3 と AAC の2つです。Appleは、リスナーの通信量に配慮し、配信用には適切に圧縮した音声ファイルの利用を案内しています。Apple Podcasts で再生されるのは、この配信用の圧縮音声ファイルです。一方、御社には編集後のマスター音源(配信用ファイルの元になる音源)としてWAVファイルを納品します。

音源の品質を決めるもの

音源の品質は、収録から編集までの複数の工程で決まります。私たちが品質のために行っているのは、次の作業です。

工程行うこと
収録話し手ごとにマイクを用意し、32bit float(録音レベルの設定に余裕を持たせやすく、予期しない大きな音が入った場合でも、収録後のレベル調整に対応しやすい記録方式)で収録する
編集不要部分をカットし、フィラー(「えー」「あのー」「まあ」などのつなぎ言葉)を取り除き、言い直しや、前の話題へ戻った箇所を整理する。発言の間は、話し手の呼吸とリズムに合わせて整え、クリップノイズが出ないように仕上げる
ノイズ除去とMA環境ノイズを抑え、話し手ごと・発言ごとの音量の差を小さくする。MAは、声・音楽・効果音などの音量と音質を調整し、配信できる状態に仕上げる工程

音量については、代表の纐纈智英が、ラウドネス -14 LUFS、トゥルーピーク -1 dBTP を仕上げの基準として定めています。

指標基準外したときに起きること
ラウドネス-14 LUFS再生時にプラットフォーム側で音量が自動調整される
トゥルーピーク-1 dBTP再生機器によって音が割れる

ラウドネスは、国際電気通信連合(ITU)が勧告 ITU-R BS.1770 で測り方を定めた、人が感じる音の大きさを表す数値です。各プラットフォームは再生時に音量をそろえる仕組みを持っているため、この範囲から外れた音源は自動で調整され、こちらが意図した聞こえ方から離れていきます。

トゥルーピークは、アナログ再生時に推定される信号の最大レベルを示す指標です。デジタル音声では、記録された点(サンプル)と点の間に、サンプルの値の最大値を上回るピークが生じることがあります。ITU-R BS.1770 がトゥルーピークの測定方法を定めているのは、不可逆圧縮などの処理によって、このサンプル間のピーク(インターサンプルピーク)が増える可能性があるためです。

Appleは制作者向けガイドで、圧縮前の音源についてトゥルーピークを -1 dBTP以下に抑えることを推奨しています。Apple が挙げる理由は、圧縮してもラウドネスは多くの場合変わらず、トゥルーピークが推奨値を超えると圧縮のときに音が割れるおそれがある点です。欧州放送連合(EBU)も勧告 R 128 で、制作の段階のトゥルーピークの上限を -1 dBTP と定めています。

私自身、音楽活動を通じて楽曲制作に携わり、島村楽器「録れコングランプリ2014」で総合グランプリを受賞しました。音の質感や会話の間の取り方を判断するときにも、その経験を生かしています。数値の基準を満たすことと、聴いて心地よいことは、私にとって別々の判断です。

配信先への掲載

音源の公開先は、KOEGURA の番組ページと、Spotify、Apple Podcasts、Amazon Music の4か所です。各回の公開時に KOEGURA へ登録した音源、タイトル、概要欄などは、番組ごとに発行した RSS フィード(番組の更新を配信先へ知らせる仕組み)を通じて、各配信先に自動で反映されます。

Spotify、Apple Podcasts、Amazon Music で番組が聴けるようになるのは、それぞれのサービスで番組の登録が済んでからです。Apple Podcasts は、RSS フィードで届いた新しい番組を、技術的な検証と審査を経てから公開します。Amazon Music での登録の手順は、RSS フィードの入力、番組の確認、確認のメールの受信、番組の持ち主であることの確認の順です。

この登録は番組を始めるときの1回で済みます。Apple によれば、RSS フィードの変更が Apple Podcasts に反映されるまでの時間は、多くの場合数時間以内です。

概要欄とタイトル

各エピソードでは、検索で見つけられやすいタイトルと概要欄を作成します。概要欄に書くのは、その回のテーマと、話の主な論点です。

番組を検索で見つけてもらう手がかりになるのは、配信先の概要欄と、アストライドのホームページに公開する回ごとのページです。アストライドのホームページにも、配信日時にあわせてエピソードごとのページを公開します。

番組の設計

私たちは番組の設計を立ち上げのときに作り、その費用は初期費用に含まれます。設計に含まれる項目は、コンセプト、想定リスナー、そして年間のエピソード案です。

私たちはこの設計を、配信を続けながら臨機応変に見直します。見直すきっかけの一つは、配信を重ねるうちに、御社の担当者や出演者の中で、番組のテーマ、呼びたいゲスト、扱いたい論点が具体化してくることです。

たとえば「ガンジス川でスクロール」は、始めた当初は、インドビジネスに精通する方を次々とゲストにお迎えする番組になるとは想定していませんでした。メインMCの内藤さんの中で番組のテーマやゲスト像が固まったことで、いまはインドビジネスに関わる多くの方をゲストにお迎えしています。

番組サムネイル(アートワーク)の制作と、BGM・サウンドロゴの選定も初期費用に含まれます。サウンドロゴは、番組の冒頭や切り替えで用いる短い識別音です。

契約が終わったあとも、契約期間中に公開したエピソードの音源は、引き続きお使いいただけます。

月額と初期費用に含まれるもの、含まれないもの

サービスページでは、私たちがお引き受けする作業を10項目に分けて載せています。前半の5つは、企画立案、台本・質問設計、収録とディレクション、進行役(インタビュアー)やサブMCの対応、そして編集です。後半の5つには、ノイズ除去とMA、番組サムネイルとBGM、配信入稿、概要欄とタイトルの作成、そして公開後の運用支援が入ります。このうち初期費用に含まれるのは番組全体の企画と番組サムネイル・BGMで、回ごとの作業は月額費用の対象です。

公開後の運用支援には、三重県を中心とする経営者向けメーリングリストで、新エピソードの公開を案内する作業も含まれます。

月額の料金は、番組尺15分を前提に決めています。番組尺が15分を超える場合、収録が月1回・最大4時間を超える場合、別日に収録する場合、1エピソードにつき2回目以降の修正をする場合は、追加料金の対象です。交通費、録音スタジオ使用料などの実費、および配信基盤KOEGURAの利用料は、月額料金とは別途ご負担いただきます。

納品物に含まれないもの

編集前の収録データは、編集で削った部分も含めてお渡ししておらず、編集で除いた発言や素材を、別エピソード用に再編集・再利用するご依頼にも対応していません。1エピソードあたりの収録は30分程度で、番組の長さは話の密度に合わせて決めるため、削る量は回ごとに変わります。

再生数などの集計は納品物に含めておらず、お求めがあればご報告します。KOEGURA で確かめられるのは、回ごとの再生数、完了率(最後まで再生された回数÷再生が始まった回数)、推定ユニークリスナー数の3つで、どれも個人を特定しない集計データです。KOEGURA は聴く人にログインを求めない仕組みのため、私たちも御社も、誰がどこまで聴いたかを個人単位では確かめられません。

自社で作るか外へ頼むかの判断は、内製と外注の分かれ目で取り上げています。

まとめ

ポッドキャスト制作で回ごとに納品するのは、編集を終えた完成音源です。私たちは、圧縮をかけていない 24bit/48kHz の WAV ファイルでお渡しします。

音源の品質は、話し手ごとに用意したマイクと 32bit float での収録、ノイズの抑制、話し手どうしの音量差の調整、フィラーの処理、そして間の取り方まで含めた編集で決まります。音量の仕上げの基準は、代表の纐纈智英が定めたラウドネス -14 LUFS、トゥルーピーク -1 dBTP です。

回ごとの配信の作業は、音源とタイトル、概要欄を KOEGURA へ登録する1回で、各配信先には RSS フィードを通じて自動で反映されます。番組を検索で見つけてもらう手がかりは、配信先の概要欄と、アストライドのホームページに公開する回ごとのページです。

番組の設計は立ち上げのときに作り、配信を続けながら臨機応変に見直します。契約が終わったあとにお使いいただけるのは、契約期間中に公開したエピソードの音源です。

お読みいただいたあとは、御社の方が番組で語れる題材を10個ほど書き出してみてください。書き出した一覧は、年間エピソード案を考えるときのたたき台に使えます。

初期費用に含まれる作業の内訳については、番組開設の初期費用20万円は何に使われるかで詳しく紹介しています。月額と年間の総額については、ポッドキャスト制作の費用は月いくらかをご覧ください。

この記事からわかるQ&A

納品されるのは音源だけですか

回ごとに納品するのは編集を終えた完成音源で、圧縮をかけていない 24bit/48kHz の WAV ファイルでお渡しします。番組設計など立ち上げ時の作業は初期費用に、各回の台本作成、収録、編集、配信登録、タイトルと概要欄の作成は月額費用に含まれ、担当するのはどれも私たちです。番組の公開にあわせて、アストライドのホームページに回ごとのページを載せ、メールマガジンでもお知らせしています。

音源の品質はどう決まりますか

品質を決めるのは、話し手ごとに用意したマイクと 32bit float での収録、ノイズの抑制、話し手どうしの音量差の調整、フィラーの処理、そして間の取り方まで含めた編集です。音量は、代表の纐纈智英が、ラウドネス -14 LUFS、トゥルーピーク -1 dBTP を仕上げの基準として定めています。基準を外れたときに起きるのは、プラットフォーム側での音量の自動調整や、再生機器による音割れです。

概要欄には何を書くのですか

各エピソードでは、検索で見つけられやすいタイトルと概要欄を作成します。概要欄に書くのは、その回のテーマと、話の主な論点です。番組を検索で見つけてもらう手がかりには、配信先の概要欄のほかに、アストライドのホームページに公開する回ごとのページもあります。

聴いた人が誰かは分かりますか

個人までは分かりません。KOEGURA は聴く人にログインを求めない仕組みのため、聴取ログで分かるのは、回ごとの再生数、完了率(最後まで再生された回数÷再生が始まった回数)、推定ユニークリスナー数の3つで、どれも個人を特定しない集計データです。再生数などの集計は、お求めがあればご報告します。

編集で削った素材はもらえますか

編集で削った部分を含む編集前の収録データはお渡ししておらず、編集で除いた発言や素材を、別エピソード用に再編集・再利用するご依頼にも対応していません。番組の長さは話の密度に合わせて決めるため、削る量も回ごとに変わります。

出典

この記事の著者

纐纈智英

纐纈智英アストライド-Astride- 代表

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「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。

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