#21 「美しい」は平均にある ── 究極のスタンダードを見出す経営者の目
的場仁利
Mat N. Studio代表
メインMC
纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
MC
今日のテーマは「『美しい』は平均にある──究極のスタンダードを見出す経営者の目」です。
このエピソードで話していること
- 心理学の「平均顔仮説」──多くの顔をモーフィングした平均顔を人は美しいと感じる
- 偏りのなさ=健康・遺伝的多様性──生存への安心感が脳にインプットされている
- デザインも経営も、必ずしも尖ることだけが正義ではない
- かっこいいは「何かを捨てて選ぶ」、美しさは「安心感と調和」
- 美しさは佇まい・本質・存在感、かっこよさは表層・フォルム
- 的場さんの仕事の指針「いらんことしない」──引っかかりがないものを作る
- 引っかかりは後から加える、まずはスタンダードの土台を作る
- 業界や文化における究極のスタンダードを見つけることが、もう一つの美の形
- 経営者の審美眼の見せどころは「美のポジションをどこに置くか」の判断
- 平均は時代とともに変わる──トレンドの嗅覚を保つには「遊ぶ」
- 本屋で平積みを眺める、街で遊ぶ、アウトドアなら実際にキャンプへ
- 「若い人にデザインを任せれば流行が分かる」は雑な発想
- トレンドだけでなく「スタンダードになり得るか」の目聞きが必要
- 理念を根っこに置き、その上で多様なトレンドを審美眼で見つめる
こんな方におすすめ
- デザインの「美しさ」と「かっこよさ」の違いを言語化したい
- 尖ったデザインに頼らずブランドの信頼を作りたい
- 自社のデザイン判断軸を磨きたい経営者
- トレンドと本質のバランスに悩んでいる
- 若手任せのデザイン依頼に違和感を感じている
このエピソードからわかるQ&A
なぜ「平均顔」が美しいと感じられるのですか?
心理学の「平均顔仮説」と呼ばれる研究に基づくと的場さんは紹介しています。多くの顔をモーフィングして作った平均顔を、人はより美しいと感じる傾向があります。その理由は生物学的なもので、極端な特徴や偏りがないことが「エラーのなさ」「健康健全さ」「遺伝的な多様性」を示し、結果的に「生存への安心感」が脳にインプットされているからだと考えられています。意識して判断しているわけではなく、本能と密接に結びついた無意識の反応であるという点が興味深いポイントです。
「美しい」と「かっこいい」はどう違うのですか?
向いているベクトルが大きく違うと的場さんは語っています。かっこいいは「何かを捨てて選ぶ」決断の結果として現れるもので、尖りや造形的なフォルム、表層に近い概念です。一方の美しさは「安心感」「調和」「リズム」「佇まい」など、本質や存在感に近い概念で、捨てる決断より整える判断に近いものです。たとえば「かっこいいですね」は表面を見たときに出やすい言葉で、「美しい」は本質を見たときに出やすい言葉だという感覚があると纐纈さんも同意しています。
的場さんが大切にしている「いらんことしない」とはどういう意味ですか?
引っかかりがないものを作るという意味だと的場さんは説明しています。的場さん自身の仕事の指針として、究極のスタンダードを目指す上で「余計な要素を加えない」ことを重視しています。もし面白みがほしい場合は、後から「引っかかり」となる尖った要素を一部に加えればよく、全部が引っかかっていてはただただ引っかかるだけになってしまうため、土台となる調和した美しさが前提として必要だと語っています。スタンダードの上に意図的な尖りを乗せる、という設計思想です。
究極のスタンダードを目指すのと、トレンドを追うのはどう両立すればいいですか?
平均は時代とともに変わるため、トレンドの嗅覚を保ち続けることが大切だと的場さんは語っています。その手段として推奨されているのが「遊ぶこと」で、タイポグラフィであれば本屋に行って雑誌や本を眺める、アウトドア用品ならキャンプに行く、街中のものなら街で遊ぶといった現場の感覚を持ち続けることが重要だと説明されています。年齢を重ねるにつれてトレンドへの嗅覚は衰えがちなので、意識的に若く保つ努力が必要です。
若い人にデザインを任せれば流行を取り込めるのではないですか?
「若い人にどう?」と任せるのは雑な発想だと的場さんは指摘しています。確かに若手はトレンドに敏感ですが、それは「今流行っているもの」を知っているだけで、「それがスタンダードになり得るかどうか」を見極める目聞きとは別物です。プロジェクトを成功させるには、トレンドを追う視点とスタンダードを見抜く視点の両方が必要で、ここがデザイン審美眼の役割になります。理念を根っこに置いた上で、多様な視点で見ていくことが経営者にも求められるとまとめられています。
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メインMC
的場仁利
Mat N. Studio代表
https://japan-designers.jp/profile/1453/
タイポグラフィーの論客として、多数のデザイン書に携わる。高校でデザインを学び、大学で技術経営を専攻。営業職として年間1億円超の案件を担当した経験も持つ。現在は本・冊子・パッケージのデザイン、タイポグラフィ執筆を手がける傍ら、浮世絵・春画をモチーフにしたアートプロジェクト「艶絵グレース」のクリエイティブディレクターを務める。中部デザイン協会75年誌のブックデザイン・編集に携わるなど、デザインと経営の両面に精通。公益社団法人日本グラフィックデザイン協会会員、アドビ コミュニティエキスパート。
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纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。
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私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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