Home > Podcast Program > 三重ノチカララジオ > #15 普通科が「探究科」に変わった ── 三重県の予算から見る、これからの教育
三重ノチカララジオ 2026.10.15 25分53秒

#15 普通科が「探究科」に変わった ── 三重県の予算から見る、これからの教育

Podcastアプリでこのエピソードを聴く

よしの正英

メインMC

纐纈智英

MC

今日のテーマは「三重県の予算・教育」です。三重県の予算を読み解くシリーズの10回目で、よしの正英さんは、都道府県の仕事の中でも教育行政がいちばん大事なものの一つだと話します。三重県では2025年度の入学生から、川越高校と上野高校の普通科が、探究を学習の中心に据えた「探究科」「学際探究科」に変わりました。若手の先生への授業の助言、不登校の子への支援、日本語の指導まで、県の取り組みもよしのさんが事例とともに説明しています。

このエピソードで話していること

  • 三重県は、全国学力・学習状況調査の結果が低かった時期があり、前の知事のもとで学力の向上に取り組んだ。よしのさんによると、いまは20番台まで上がっている。取り組みの一つが「授業力向上アドバイザー」で、アドバイザーが若手の先生の授業を見て助言する。よしのさんの話では、教材を一から作る真面目な先生が多く、アドバイザーが使える教材を紹介すると喜ばれたという
  • 学力の向上に加えて、この10年で、学校と地域社会、企業や働く現場とのつながりが進んだ。コミュニティスクールが生まれ、英語は小学校で必修になり、プログラミング、防災教育、キャリア教育、服装や香り、性教育まで、学校が扱う内容は増えている。教育は誰もが自分の経験から語れる分野なので、学校で扱う範囲をどこまで広げるかが難しいとよしのさんは話す
  • 探究学習は、昔の総合学習から一歩進んだ学び方。総合学習で農家の方と田植えや稲刈りを体験して米づくりを学ぶとすれば、探究学習では、米の価格がなぜあれほど上がったのかを調べ、解決策まで考える。三重県では2025年度の入学生から、川越高校の普通科が「探究科」に、上野高校の普通科が「学際探究科」に変わり、調べてまとめ、発表する時間が増えた
  • 大学入試にも、探究の成果をプレゼンテーションと面接で示す方式がある。商店街の人と課題に取り組んだ、空き家の問題で行政に提案した、といった実績で大学に入れる。三重県は探究学習を進める県の一つで、年度末には成果の発表会を開き、8月には高校生が県議会の議事堂で質問する「みえ高校生県議会」もあった。よしのさんは高校生に、インターネットで調べたことに、街頭や校内のアンケートで集めた生の声を加えるよう勧めている
  • 不登校の子への支援では、空き教室に学年をまたいで子どもが集まり、そこで自習すれば登校と認める学校が増えている。学校へ行くこと自体の心理的なハードルが高い子にはフリースクールがあり、県は経済的に厳しい家庭の利用料を補助している(利用料の2分の1、月1万5000円まで)。三重県は外国にゆかりのある児童生徒が多く、20年以上にわたって日本語の指導に取り組んできた。よしのさんは、何を身につけてどう生きていくかを、子どもが自分で考えられるようにするのが教育だと語る

こんな方におすすめ

  • 三重県で子育てをしていて、県の教育の取り組みを知りたい
  • 高校の「探究科」や探究学習が、どんな学びなのか知りたい
  • 子どもの進路や大学入試の変化に関心がある
  • 不登校の子への支援や、フリースクールの補助について知りたい
  • 学校と地域や企業のつながりづくりに関わっている

このエピソードからわかるQ&A

三重県の「探究科」とは、どんな学科ですか?

2025年度の入学生から、川越高校の普通科が「探究科」に、上野高校の普通科が「学際探究科」に変わりました。探究を学習の中心に据え、調べてまとめ、発表する時間が普通科より多くなっています。よしの正英さんは、探究の成果を生かす大学入試の広がりも含めて、良い取り組みだと話しました。

総合学習と探究学習は、何が違うのですか?

よしのさんの例では、総合学習は、農家の方と田植えや稲刈りを体験して米づくりを学ぶ学び方です。探究学習はそこから一歩進み、米の価格がなぜあれほど上がったのかを調べ、解決策まで考えます。

「授業力向上アドバイザー」とは何ですか?

三重県教育委員会が若手の先生の授業力を高めるために派遣するアドバイザーで、若手の先生の授業を見て具体的に助言します。よしのさんによると、教材を一から作る真面目な先生が多く、アドバイザーが使える教材を紹介すると喜ばれたそうです。

三重県は、不登校の子をどう支えていますか?

空き教室に学年をまたいで子どもが集まり、そこで自習すれば登校と認める学校が、三重県内で増えてきました。学校に行くこと自体の心理的なハードルが高い子にはフリースクールがあり、県は経済的に厳しい家庭を対象に、利用料の2分の1(月1万5000円まで)を補助しています。

高校生が県政に関わる機会はありますか?

2026年8月20日には、県内の高校生が県議会の本会議場で県政について質問する「みえ高校生県議会」が開かれ、12校43人が参加しました。年度末には、県教育委員会が探究学習の成果を発表するフォーラムを開いています。よしのさんが高校生に勧めているのは、インターネットで調べたことに、アンケートで集めた生の声を加えることです。

メインMC

よしの正英

三重県議会議員

三重県四日市市出身。1974年生まれ。横浜国立大学経済学部、京都大学法学部(法学専攻)を卒業後、岡田克也・中川正春議員等のもとで約9年間、国会議員秘書を務める。2011年に四日市市議会議員、2015年に三重県議会議員に初当選し、現在2期目(四日市市選挙区/会派「新政みえ」)。子ども食堂・学習支援、PTA、三重県ホッケー協会会長・四日市市アーチェリー協会会長など、政治の外でも地域とつながる活動を続ける。京都大学法学部で培った法的素養と、市政・県政双方の現場経験を活かし、制度や法律を生活者目線で翻訳しながら、三重県の歴史・まちづくり・暮らしを語る。

MC

纐纈智英

アストライド-Astride- 代表

https://www.ast-ride.com

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。

ポッドキャスト番組一覧

catalyst(カタリスト)-経営者とPodcastを繋ぐ触媒- 番組カバー

knowledge / ナレッジ

私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。