#09 半導体、ペロブスカイト、第二創業 ── 三重県予算パート4・産業を支える
よしの正英
メインMC
纐纈智英
MC
今日のテーマは「三重県の予算パート4」です。概要、防災、医療福祉と続いてきた4回目は産業振興。三重県には約3000の事業があり、それぞれに予算がついていますが、よしの正英さんが伝えたいのは金額よりも中身です。北勢地域は日本経済の牽引役であり、その柱はいま半導体。そこにクリーンエネルギーが加わり、既存の中小企業を支える取り組みと、まだ額の小さいスタートアップ支援が続きます。丸められる太陽電池の話から、家業の上に新しい事業を立ち上げる第二創業まで。
このエピソードで話していること
- 産業面の一番の柱は半導体。四日市を中心に、キオクシアのような最終完成品のメーカーだけでなく、JSRや日本板硝子といった半導体部材のメーカーも集積している。三重県は半導体産業投資促進事業に約2100万円をつけて企業の投資を促し、あわせて人材育成にも取り組む。三重大学が事務局となり、県や企業が一緒に入るコンソーシアムを立ち上げ、三重県半導体産業振興方針という計画に沿って進めている
- 産業の柱は時代とともに変わってきた。北川知事の頃はクリスタルバレー構想として、亀山を中心に液晶技術の集積を目指した。三菱重工が国産旅客機を作ろうとしていた時期には航空宇宙産業にも取り組んだ。どちらも三重県の産業振興の目標には今も入っているが、大きく伸びるところまでは至っていない。都道府県それぞれが力を入れる分野を選んでおり、三重県のいまの選択が半導体とクリーンエネルギーになる
- 一見知事の肝いりは洋上風力発電だが、コストの問題で撤退する企業も出てきた。そこでもう一つ力を入れたいのがペロブスカイト太陽電池。ポスターのようにペラペラで丸めることもでき、室内の蛍光灯やLEDのわずかな光でも発電する。24時間稼働する倉庫の壁や天井に貼れば、そこで電力を生み出せる。今年はペロブスカイト元年と言われ、開発している数社のうち一つには、三重県出身で京都大学の化学研究者である若宮教授がいる。クリーンエネルギー産業基盤形成事業は約3500万円で、うち1800万円を使って四日市の環境学習情報センターに目玉展示を置き、県有施設の適地調査も今年度から始める。四日市港を先進モデル地域にできないか、という構想も動いている
- 既存の中小企業をどう支えるか。最大の課題は、資材が高騰する中で適正な価格の取引ができていないこと。中小企業は大企業に値上げ交渉をしづらい。三重県は経営者協会や労働組合とともに、適正取引・価格転嫁を進める共同宣言を昨年度採択し、知事も加わっている。人材面では、製造業や建設業の人手不足に対して、デジタル化による省力化の支援、専門人材の確保、そして副業・兼業の人材をどう活用するかという取り組みを進めている
- スタートアップ支援は今年度6700万円。国のスタートアップ5か年計画に合わせて三重県も2023年から本格化したが、1億円を超える都道府県もあり、額としては少ない。よしの正英さんの提言は、300万円を3社に配る補助金よりも、その予算で信用力を高めるほうがいいというもの。スタートアップに足りないのは人材・資金・信用力の3つで、行政が担えるのは信用力にあたる。三重県の課題を実証実験の場として提供し、その成果を他の地域に展開してもらう——愛媛県が実際にやっている方法で、視察もしてきた。三重県のスタートアップは南部の食品関連や第一次産業が多く、もう一つの特徴は伊勢角屋のビールのような第二創業。ゼロからではないぶん、人材も資金も信用力もある程度は備わっている
こんな方におすすめ
- 三重県の産業政策がどこに向かっているのかを、施策の中身から知りたい方
- 四日市を中心とした半導体関連産業の集積に関わっている方
- ペロブスカイト太陽電池が実際にどう使われるのか、具体例で知りたい方
- 資材高騰の中で、価格転嫁の交渉に悩んでいる中小企業の経営者
- 三重県で起業を考えている方、家業の上に新しい事業を立ち上げようとしている方
このエピソードからわかるQ&A
三重県の産業振興は、いまどの分野に力を入れていますか?
半導体とクリーンエネルギーです。四日市を中心に、キオクシアのような最終完成品のメーカーだけでなく、JSRや日本板硝子といった半導体部材のメーカーも集積しています。三重県は半導体産業投資促進事業に約2100万円をつけ、三重大学が事務局となるコンソーシアムで人材育成にも取り組んでいます。
ペロブスカイト太陽電池とは何ですか?
ポスターのようにペラペラで、丸めることもできる太陽電池です。室内の蛍光灯やLEDのわずかな光でも発電するため、24時間稼働する倉庫の壁や天井に貼って電力をまかなうといった使い方が期待されています。今年はペロブスカイト元年とも言われています。
三重県はペロブスカイト太陽電池にどう取り組んでいますか?
クリーンエネルギー産業基盤形成事業として約3500万円を計上し、うち1800万円で四日市の環境学習情報センターに目玉展示を置き、県有施設の適地調査も今年度から始めます。四日市港を先進モデル地域にできないか、という構想も動いています。
資材が高騰する中で、中小企業への支援はありますか?
適正取引・価格転嫁推進事業があります。中小企業は大企業に値上げ交渉をしづらいため、三重県は経営者協会や労働組合とともに、適正取引と価格転嫁を進める共同宣言を昨年度採択しました。知事も加わっています。
三重県のスタートアップ支援に、よしの正英さんはどんな提言をしていますか?
300万円を3社に配る補助金より、その予算で信用力を高めるべきだという提言です。スタートアップに足りないのは人材・資金・信用力の3つで、行政が担えるのは信用力にあたります。三重県の課題を実証実験の場として提供し、その成果を他地域へ展開してもらう——愛媛県が実際に行っている方法です。
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よしの正英
三重県議会議員
三重県四日市市出身。1974年生まれ。横浜国立大学経済学部、京都大学法学部(法学専攻)を卒業後、岡田克也・中川正春議員等のもとで約9年間、国会議員秘書を務める。2011年に四日市市議会議員、2015年に三重県議会議員に初当選し、現在2期目(四日市市選挙区/会派「新政みえ」)。子ども食堂・学習支援、PTA、三重県ホッケー協会会長・四日市市アーチェリー協会会長など、政治の外でも地域とつながる活動を続ける。京都大学法学部で培った法的素養と、市政・県政双方の現場経験を活かし、制度や法律を生活者目線で翻訳しながら、三重県の歴史・まちづくり・暮らしを語る。
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纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。
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私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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