HomePodcast Programガンジス川でスクロール#12 ピカピカの履歴書は信じるな ── インド採用、書類選考が効かない理由
ガンジス川でスクロール 2026.06.18 19分16秒

#12 ピカピカの履歴書は信じるな ── インド採用、書類選考が効かない理由

内藤健司

みなりパートナーズ株式会社 代表取締役

メインMC

纐纈智英

アストライド-Astride- 代表

MC

今日のテーマは「ピカピカの履歴書は信じるな──インド採用、書類選考が効かない理由」です。前回の「2億円の失敗」に続き、今回はインド進出で必ず直面する「現地採用」を取り上げます。日系で働きたいインド人は非常に多く応募は集まりますが、届くCV・レジュメはどれも経歴も資格も「ピカピカ」。その正体は、本人に聞かず理想の経歴を代筆して出すエージェントでした。結果として書類選考は機能せず、年齢詐称も日常茶飯事。内藤さんは簡単な専門質問やレゴブロックを使った面接で実力を見極めてきました。「英語が話せる」が話せない、「日本語が話せる人は優秀でない傾向」という肌感まで、インド採用のリアルを赤裸々に語ります。

このエピソードで話していること

  • 前回の「2億円の失敗」を受け、今回はインド進出で必ず直面する「現地採用」がテーマ
  • 求人→応募→面接という流れ自体は日本と同じ。ただし中身が大きく違う
  • 「日系で働きたい」インド人は非常に多く、会社の規模を問わず応募は集まる
  • 届くCV・レジュメ(履歴書・職務経歴書)が、みんな「ピカピカ」
  • 調達職なら工程・材料・法律・財務…の知識が全部「できる」と書いてある
  • 次の応募もその次もほぼ同じ。名前と写真だけ違う「コピペ」状態
  • 正体は「履歴書を書くのが仕事」のエージェント。本人に聞かず代筆して出している
  • 結果、書類選考が機能しない。「エントリーした事実」しか分からない
  • 年齢詐称も多い。20代募集に職歴上28歳→実物は42歳、というケースも
  • だから「会って確かめるしかない」。無駄な面接が大量に発生する
  • 簡単な専門質問を投げると答えが返ってこない、という「質問での選別」
  • 内藤さんの面接術:レゴブロックを渡し「調達の観点で分かることを答えなさい」
  • 樹脂・キャビティ番号 → 取り数・金型/設備サイズ・顔料・概算価格まで読めれば満点
  • 「英語が話せる」と書いてあるのに話せない、「日本語が話せる人は優秀でない傾向」という肌感

こんな方におすすめ

  • これからインドで現地採用を行う経営者・人事担当者
  • インドの履歴書・面接の「あるある」を事前に知っておきたい方
  • 書類選考が効かない市場での見極め方を学びたい方
  • 海外拠点のマネジメントに関心がある方
  • インドビジネスのリアルな失敗談から学びたい方

このエピソードからわかるQ&A

インドの求人にはどんな応募が来るのですか?

「日系で働きたい」というインド人は非常に多く、会社の規模を問わず多数の応募が集まります。ただし届くCV・レジュメ(履歴書・職務経歴書)は、みんな経歴も資格も「ピカピカ」。調達職なら工程・材料・法律・財務の知識が全部「できる」と書いてあり、次の応募もその次もほぼ同じ内容、という状態になりがちです。

なぜ履歴書がみんな「ピカピカ」なのですか?

インドには「履歴書を書くのが仕事」のエージェントが存在し、本人に詳しく聞かないまま、求人に合わせて理想的な経歴を代筆して出してくるからです。求人側が「喜ぶだろう」という内容を埋め、名前と写真だけ差し替えて送ってくるため、内容の信ぴょう性は低く、書類だけでは実力を判断できません。

書類選考が効かないなら、どう見極めればいいですか?

結局「会って確かめるしかない」ため、無駄な面接が大量に発生します。内藤さんは、簡単な専門質問を投げて答えられるかで選別していました。また、自社製品は見せられないのでレゴブロックを渡し、「調達の観点で分かることを答えなさい」と質問。樹脂であること、キャビティ番号から取り数・金型/設備のサイズ・顔料・概算価格まで読み解ければ満点に近い、という見極め方です。

年齢や語学のごまかしもあるのでしょうか?

あります。20代募集に対して職歴上28歳と書いてあっても、実物は42歳だった、というケースもありました。「英語が話せる」と書いてあるのに話せず、現地の部下がヒンディ語で面接した、ということも起こります。年齢・経験・語学いずれも、書類を鵜呑みにせず面接で確認する必要があります。

「日本語が話せる人」を採用するのは得策ですか?

内藤さんの肌感(あくまで個人の経験に基づく見解)では、日本語が流暢な人ほど語学に時間を割いていて、本業の専門スキルがおろそかな傾向がある、といいます。通訳コストを浮かせたい気持ちは分かりますが、日本語を「学部で学んだ」人より、日本での勤務経験のなかで自然に身につけた人の方が、本業も語学も強いことが多い。語学力だけで採用を決めない方が安全です。

メインMC

内藤健司

みなりパートナーズ株式会社 代表取締役

https://minari-partners.co.jp/

アイシン(旧アイシン精機)で13年間、製造業の調達業務に従事。うちインド駐在4年を含む現場経験を持つ。その後KPMGコンサルティングでシニアマネージャーとして5年間を経て、2025年に独立。現在はサプライチェーン戦略・調達コスト削減・インド北部における業務支援を専門とする。インド企業・インド人との直接的なパイプを持ち、日本人ネットワーク経由ではない現場のリアルを知り尽くした実践者。美術学生サポート財団 理事長。著書に『それでもWin-Winなコンサル転職』。

MC

纐纈智英

アストライド-Astride- 代表

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。

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