HomePodcast Program三重ノチカララジオ#12 夫婦で1000万円、1ヶ月かけて桜前線を追う ── 富裕層インバウンドという市場
三重ノチカララジオ 2026.09.17 20分53秒

#12 夫婦で1000万円、1ヶ月かけて桜前線を追う ── 富裕層インバウンドという市場

よしの正英

メインMC

纐纈智英

MC

今日のテーマは「三重県の予算パート8・観光」です。観光産業は、いまや日本のGDPで自動車に次ぐ二番手。よしの正英さんは、これからの日本が見るべきはアメリカや中国ではなくフランスだと言います。伊勢神宮も忍者もF1も持ちながら、三重県はまだ取りこぼしている。外国語表記やトイレ、バリアフリーといった足元の整備から、1回の旅行で1000万円を使う富裕層の話まで。

このエピソードで話していること

  • 観光産業はいまやGDPで自動車産業に次ぐ二番手。小さな積み上げを全国でやった結果である。よしの正英さんは、これからの日本が見るべきはアメリカや中国ではなくフランスだと言う。文化面でも近く、フランスは世界最大の観光立国だから。三重県の観光は、平成以降に団体旅行が個人旅行へ移り、鳥羽・伊勢・志摩の大型旅館が苦戦して厳しい時期を迎えたが、10年前の伊勢志摩サミットが転機になった
  • インバウンド誘客で一番大事なのは、実は外国語表記の充実。次いでトイレがきれいか、バリアフリーか。車椅子の方も多く、スーツケースを持つ人にもバリアフリーは効く。要は「訪れてみたい地域かどうか」という話。前年度の補正予算で観光客受入環境整備事業に6億2000万円が付いている。忍者を取りこぼしていると言うのも、伊賀市の忍者市駅前にホテルや体験施設ができた一方で、英語表記がまだ少ないから
  • 「うちには観光資源がない」と日本人はよく言うが、いらない。日本に3回も4回も来る人は東京に飽きていて、地方都市の何気ない暮らしを見たいと言う。東南アジアからの旅行者は写真に映えるものを求めるが、欧米の旅行者はストーリーと歴史を知りたがる。何百年も守り続けてきた名もない神社に価値を感じる。半分は勉強しに来ている
  • 富裕層インバウンドにも各地が力を入れている。1回の旅行で1000万円を使う人は珍しくなく、円安でさらに割安になっている。オーストラリア政府とも観光政策を協議中で、時差がなく季節が逆という条件も効く。東京に着いてから鹿児島へ飛び、桜前線とともに1ヶ月かけて日本を巡る「スプリングツアー」を夫婦で楽しむ経営者もいる。10ヶ所ほど立ち寄る旅程に、三重県をどう入れてもらうか
  • 各県が相手国を定めて誘致している。オーストラリアに注力しているのは愛媛県で、戦争遺跡を巡る欧米・豪州の旅行者が広島へ来る流れを引っ張っている。三重県はドイツを狙う。ものづくりのエリアという共通点があり、気質も真面目だから。近隣の集客を引き寄せる発想では、鈴鹿サーキットのF1が世界中から10万人近くを集める最強コンテンツ。伊勢神宮の御遷宮も始まり、10年ほどは国内客が見込める。課題は発信力で、そこをどうするかが県政全体に共通する

こんな方におすすめ

  • 地域に観光資源がないと思い込んでいる自治体・事業者の方
  • インバウンド誘客で、何から手をつけるべきか知りたい
  • 富裕層向けの観光がどう動いているのか、実例を知りたい
  • 三重県の観光施策と予算の使いみちを具体的に知りたい
  • 地域の発信力をどう高めるか、考えている

このエピソードからわかるQ&A

観光産業は、日本経済のなかでどのくらいの位置にありますか?

GDPで見ると、自動車産業に次ぐ二番手です。小さな積み上げを全国でやった結果であり、よしの正英さんは、これからの日本が見るべきはアメリカや中国ではなく、世界最大の観光立国であるフランスだと語ります。

インバウンド誘客で、最初に手をつけるべきことは何ですか?

外国語表記の充実です。次いでトイレがきれいか、バリアフリーかといった足元の整備が効きます。車椅子の方も多く、スーツケースを持つ人にもバリアフリーは有効です。要は「訪れてみたい地域かどうか」という話です。

観光資源がない地域は、どうすればいいですか?

資源はいらない、というのがよしの正英さんの答えです。日本に何度も来る人は東京に飽きていて、地方都市の何気ない暮らしを見たいと言います。何百年も守り続けてきた名もない神社に、欧米の旅行者は価値を感じます。

富裕層のインバウンドは、実際にどう動いていますか?

1回の旅行で1000万円を使う人は珍しくありません。東京に着いてから鹿児島へ飛び、桜前線とともに1ヶ月かけて日本を巡る「スプリングツアー」を夫婦で楽しむ経営者もいます。10ヶ所ほど立ち寄る旅程に、いかに入れてもらうかが勝負です。

三重県は、どの国からの誘客に力を入れていますか?

ドイツです。ものづくりのエリアという共通点があり、気質も真面目だからと語られています。各県が相手国を定めて誘致しており、オーストラリアに注力しているのは愛媛県です。三重県の課題は発信力で、そこは県政全体に共通する論点でもあります。

メインMC

よしの正英

三重県議会議員

三重県四日市市出身。1974年生まれ。横浜国立大学経済学部、京都大学法学部(法学専攻)を卒業後、岡田克也・中川正春議員等のもとで約9年間、国会議員秘書を務める。2011年に四日市市議会議員、2015年に三重県議会議員に初当選し、現在2期目(四日市市選挙区/会派「新政みえ」)。子ども食堂・学習支援、PTA、三重県ホッケー協会会長・四日市市アーチェリー協会会長など、政治の外でも地域とつながる活動を続ける。京都大学法学部で培った法的素養と、市政・県政双方の現場経験を活かし、制度や法律を生活者目線で翻訳しながら、三重県の歴史・まちづくり・暮らしを語る。

MC

纐纈智英

アストライド-Astride- 代表

https://www.ast-ride.com

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。

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