#25 「できたらいいな」を、計画に書く国 ── ドリームプランと、時間の尊重
内藤健司
メインMC
纐纈智英
MC
ディーパック・バット
ゲスト
スレッシュ・ネヘラ
ゲスト
今日はゲストが2人。インドでEPC(設計・調達・施工)を手がけるSBDB EPCMのディーパック・バットさんと、S N Material SolutionsのCEOで内藤健司さんの元部下でもあるスレッシュ・ネヘラさんです。インドの建設ラッシュがどこから来たのか、そして日本のどこを学ぶべきだと当のインド人経営者が考えているのか。1時間に100個しか作れない設備に、200個の計画を出す国の話です。
このエピソードで話していること
- ゲストは2人。ディーパック・バットさんは、インドでEPC(設計・調達・施工・管理)を手がけるSBDB EPCMのディレクター。内藤健司さんが日本企業の顧問としてインドのゼネコン10社を比較し、一番良いと判断して選んだ会社で、契約終了後に「一緒にやろう」と誘われた実際のビジネスパートナー。スレッシュ・ネヘラさんはアイシン時代の元部下で、いまは独立して商社機能を持つ会社のCEO。10年来の関係
- 建設ラッシュの背景は自動車。ディーパックさんいわく、20年前は週に10人ほどしか車を買わなかったのが、いまは納車を待つ人が何千人といる。マルチ・スズキが新工場を2つ建て、うち1つはカルコダ(Kharkhoda)にある。完成車が拡張すればサブベンダーも能力を増やさざるを得ず、そこから産業用建設の波が来ている。インド北部でのマルチ・スズキのシェアはいまも45%ほど
- ただし内藤さんは「車が牽引している」という理解を少し修正する。インド全体が底上げされて働ける人が増え、家がなかった人が家に住み、車がなかった人が車を買えるようになった。乗りたくても買えなかった人が持てるようになった結果が需要になっている
- ディーパックさんが競合との違いに挙げるのは品質と安全、そして5S。品質は言葉ではなく行動の集合で、正しい文書化・計画・実行の3つが要り、そのためには社内のSOPが要る。SOPがなければスタッフは思い思いに動き、品質は出ない。5Sはインドでも知られた言葉だが使われていない。「6時に終わりなら道具を放って帰る。5Sなら5時45分に仕事を終えて15分を片付けに使う」。人と人に差はなく、あるのは文化の差だと言う
- スレッシュさんが挙げたのは「時間の尊重」。日本は立てた計画のとおりに進むが、インドの計画は内藤さんいわく「ドリームプラン」。1時間に100個しか作れない機械なのに200個作る計画を出してきて、できなくても「plan is plan、頑張ったが無理だった」で終わる。ディーパックさんは、予算が足りない日本の顧客が品質と安全を妥協せず、予算が揃うまで工期を延ばす姿を見てきたと語る
こんな方におすすめ
- インドでの工場建設や設備投資を検討している経営者
- インドの現地パートナー選びで、何を基準にすべきか知りたい
- 現地スタッフとの計画・進捗管理のギャップに悩んでいる
- 日本の品質や安全基準が、海外からどう見られているかを知りたい
- インド市場の成長を、自動車以外の切り口でも捉えたい
このエピソードからわかるQ&A
いまインドで建設ラッシュが起きているのは、なぜですか?
自動車需要の拡大が起点です。ディーパック・バットさんによれば、20年前は週に10人ほどしか車を買わなかったのが、いまは納車を待つ人が何千人といます。マルチ・スズキが新工場を2つ建て、それに応じてサブベンダーも能力を増やしており、産業用建設の波が来ています。
インドの成長は、自動車産業だけが牽引しているのですか?
内藤健司はそこを少し修正します。インド全体が底上げされて働ける人が増え、家がなかった人が家に住み、車がなかった人が車を買えるようになりました。乗りたくても買えなかった人が持てるようになった結果が、需要として表れています。
インドのゼネコンを選ぶとき、何を見ればいいですか?
品質をどう担保しているかです。ディーパックさんは、品質は言葉ではなく行動の集合であり、正しい文書化・計画・実行の3つが要ると言います。そのためには社内にSOP(標準作業手順)が必要で、それがなければスタッフは思い思いに動いてしまいます。
5Sはインドでも通じますか?
言葉としては知られていますが、使われていないのが実情だそうです。「6時に終わりなら道具を放って帰る。5Sなら5時45分に仕事を終えて15分を片付けに使う」。ディーパックさんは、人と人に差はなく、あるのは文化の差だと語ります。
現地の計画が、その通りに進まないのはなぜですか?
内藤健司が「ドリームプラン」と呼ぶ習慣があります。1時間に100個しか作れない機械に200個の計画を出してきて、達成できなくても「計画は計画」で終わる。スレッシュ・ネヘラさんが日本に学ぶべき点として挙げたのも、この「時間の尊重」でした。
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ゲスト
ディーパック・バット
SBDB EPCM ディレクター
建築設計とEPC(設計・調達・施工)の分野で20年。Hero Cyclesでプロジェクト統括を8年務め、グルガオンの大型ホテルやHero本社などを手がけた。2023年にSBDB EPCMを創業。日系企業と同じ進め方で工場を建てることを掲げ、品質と安全の基準を日本に置く。
スレッシュ・ネヘラ
S N Material Solutions CEO
新卒から日系企業3社で調達と設計を学び、2024年に独立。インド・マネサールに本社を置くS N Material SolutionsのCEO。アイシン(AHL)では内藤健司と同じ調達チームで約4年を過ごした。鳥取県で1年働いた経験があり、日常会話レベルの日本語を話す。
メインMC
内藤健司
みなりパートナーズ株式会社 代表取締役
https://minari-partners.co.jp/
アイシン(旧アイシン精機)で13年間、製造業の調達業務に従事。うちインド駐在4年を含む現場経験を持つ。その後KPMGコンサルティングでシニアマネージャーとして5年間を経て、2025年に独立。現在はサプライチェーン戦略・調達コスト削減・インド北部における業務支援を専門とする。インド企業・インド人との直接的なパイプを持ち、日本人ネットワーク経由ではない現場のリアルを知り尽くした実践者。美術学生サポート財団 理事長。著書に『それでもWin-Winなコンサル転職』。
MC
纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。
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私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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