#23 「美とは歴史文化である」── 文脈という名の共通言語
的場仁利
Mat N. Studio代表
メインMC
纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
MC
今日のテーマは「美とは歴史文化である──文脈という名の共通言語」です。美しさは、真空のなかで判断されるものではありません。私たちは無意識のうちに、自分が属する文化や、積み重ねられてきた歴史の文脈に沿っているかどうかで「美」を感じ取っています。ウィリアム・モリス運動から機能主義・バウハウスまで、デザインには先人が築いてきた様式があり、それは今も生きた共通言語です。自社がどの文脈を継承し、どこを壊そうとしているのか——その立ち位置が明確なほど、デザインには知的な説得力が宿ります。的場さんが、歴史と文化という視点から「美」を読み解きます。
このエピソードで話していること
- 美しさを決めるもう一つの大きな要素は「歴史」と「文化」
- 人は真空ではなく、属する文化や歴史の文脈に沿うかで美を判断している
- デザインには先人が長い時間をかけて形づくってきた「様式」がいくつもある
- 19世紀イギリスのウィリアム・モリス運動(アーツ&クラフツ運動)はモダンデザインの原点
- 機械的なAIパターンと、手仕事ならではの揺らぎ・柔らかさの違い
- 「デザイン」という概念以前は、装飾や工芸であって設計ではなかった
- 20世紀初頭ドイツの機能主義=バウハウス、幾何学的で合理的な造形
- ブラウン(髭剃り)のミニマルなデザインは機能主義の代表例
- ロシアン・アヴァンギャルドなど、様式は今もデザインの文脈として生きている
- 経営で歴史・文化を意識することは、リベラルアーツという共通言語を持つこと
- 自社が「どの文脈を継承し、どこを壊すのか」が明確だと知的な説得力が宿る
- 「新しい会社だから」「古い会社だから」歴史は関係ない、はどちらも誤解
- 教養のギャップは提案する側が埋める、だからこそ歴史を学ぶ意味がある
- 日常を「ネタ」として眺める習慣が、デザインの取捨選択を支える
こんな方におすすめ
- 自社のデザインやブランドに一本筋を通す判断軸がほしい経営者
- デザインの「良し悪し」を言葉で説明できるようになりたい方
- 歴史や教養を経営にどう生かすかに関心がある方
- 流行を追うだけのデザインに物足りなさを感じている方
- 自社がどんな系譜・文脈の上に立っているかを見つめ直したい経営者
このエピソードからわかるQ&A
なぜ美しさに歴史や文化が関係するのですか?
私たちは何もない真空の状態で「美しい」と判断しているわけではないからです。自分が属する文化や、積み重ねられてきた歴史の文脈に沿っているかどうかを、無意識のうちに判断基準にしています。だからこそ、美しさを考えるうえで歴史と文化の視点が欠かせないと的場さんは語ります。
デザインの「様式」とは具体的に何ですか?
先人が長い歴史のなかで形づくってきた表現の型のことです。19世紀イギリスのウィリアム・モリス運動(アーツ&クラフツ運動)や、20世紀初頭ドイツで生まれた機能主義(バウハウス)などが代表例です。これらは過去の流行ではなく、現代のデザインにも生きているコンテクスト(文脈)として捉えられています。
「うちは新しい会社だから歴史は関係ない」という考え方は間違いですか?
はい、的場さんは間違いだと考えています。「新しい会社だから」も「古い会社だから」も、歴史は関係ないという結論は誤解だといいます。歴史を知っているからこそ、現在において何が本質かを見抜く審美眼が養われる。美しさとは、過去から未来へと続く物語の正しさでもあるという視点です。
歴史的な背景を踏まえたデザインを提案しても、相手に教養がなければ伝わらないのでは?
その教養のギャップは、提案する側が埋めるべきだと的場さんは語ります。だからこそ歴史を学ぶ意味があるのです。実際のクライアントワークでは、最初にパーパスや理念の議論を重ねるため、その過程で自然と歴史的な文脈にも意識が向き、難しい説明で相手を置き去りにすることは起きにくいといいます。
経営者がデザインの審美眼を養うために、日常でできることはありますか?
日常で見聞きするものを「ネタ」として眺める習慣を持つことです。流行の音楽やデザインに触れたり、特別展に足を運んだりして、それを自社のパーパスや理念、歴史的な文脈と結びつけて考える。そうした視点があると、デザインの取捨選択がしやすくなり、選ぶものがより力強くなると的場さんは話します。
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メインMC
的場仁利
Mat N. Studio代表
https://japan-designers.jp/profile/1453/
タイポグラフィーの論客として、多数のデザイン書に携わる。高校でデザインを学び、大学で技術経営を専攻。営業職として年間1億円超の案件を担当した経験も持つ。現在は本・冊子・パッケージのデザイン、タイポグラフィ執筆を手がける傍ら、浮世絵・春画をモチーフにしたアートプロジェクト「艶絵グレース」のクリエイティブディレクターを務める。中部デザイン協会75年誌のブックデザイン・編集に携わるなど、デザインと経営の両面に精通。公益社団法人日本グラフィックデザイン協会会員、アドビ コミュニティエキスパート。
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纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。
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私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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