HomePodcast ProgramWebマーケティング特捜部#36 自分のことは、自分では書けない ── AIを聞き手にする自己分析
Webマーケティング特捜部 2026.09.03 12分38秒

#36 自分のことは、自分では書けない ── AIを聞き手にする自己分析

⁠硯里宏幸

メインMC

纐纈智英

MC

今日のテーマは「AIを聞き手にする自己分析」です。ホームページを作ろうとしたとき、自社の強みやビジョンが言葉になっていない——制作の現場でよくある壁です。硯里宏幸さんはこれを、ChatGPTやClaudeに自分へ質問させることで越えました。返ってきた結果は自己認知と同じでしたが、明文化されたことで意思が固まったといいます。ただし、その先にAIが出してくる事業提案は、また別の話です。

このエピソードで話していること

  • 12年ほど前からやりたかった自己分析を、AIを相手にようやくできた。硯里宏幸さんは車中でChatGPTのボイスモードを使って対話しようとしたが、3問4問聞いただけで「あなたはこんな性格ですよ」と結果を出してしまう。もっと質問してほしいと言っても切り上げられる。ところが時間ができたときにチャット上でやってみたら、めちゃくちゃ質問してくれてはかどった
  • うちの会社は何屋さんなのか分からない、独立して7年か8年か経つがいまだに核となる事業が見つかっていない——そう伝えて深掘りを頼んだところ、「50問質問していくね」と返ってきた。一度に50問出るのではなく10問20問ずつ出し、「こういうことに興味関心があるんだね、じゃあこっちの方向に振ってみよう」と方向を変えながら深掘ってくれる。50問終わると「じゃあ次これ行ってみよう」とおかわりが続き、最終的には120問まで付き合った
  • 出てきた結果は、自己認知していた内容と同じだった。それでも明文化され、伝えられたことで意思が固まる。ホームページを作るときに自社の強みは何かと聞かれても答えられない場面は多いが、質問を受けて自社について答える機会は、これまで雑誌のインタビューくらいしかなかった。それが手軽にできるようになった
  • SWOT分析やSTP分析といったフレームワークに沿って質問してもらい、サービスを深掘ってもらうこともできる。ある種のコンサルティングを自社でできてしまう。さらにAIは、頼んでもいないのに「じゃあ事業の組み立てを始めようか」「ここはチャットの私がやった方がいいと思う」と自分の役割を理解して自律的に進める。自分自身を知ってもらった先のAIとして、心強さがある
  • 一方で、その先の事業提案は鵜呑みにできない。硯里さん自身、AIが提案してきたものはほぼ使えなかった。根拠のリンクを見に行くと、それっぽい文脈はあるが一方的な解釈で読み取っており、自分の事業を無理やり解釈したらそうなるという内容だった。AIで作った事業計画が、その道のプロから見ると顧客が不在で表面をなぞったものだった、という例もある。ただし前者——自分が粗く持っていたもの、どこにも文章として存在していないものを言語化する部分は、いま準備しておく価値がある

こんな方におすすめ

  • ホームページを作りたいが、自社の強みをどう言葉にすればいいか分からない経営者
  • 会社案内やパンフレットを渡すだけで、制作会社に丸投げになっている
  • AIとの壁打ちを試したものの、思ったより浅い答えしか返ってこなかった
  • SWOT分析やSTP分析を、自社だけでやってみたいと考えている
  • AIが出してきた事業計画を、そのまま使っていいのか迷っている

このエピソードからわかるQ&A

自社の強みが言葉になりません。AIはどう使えばいいですか?

自分に質問させるのが有効です。ChatGPTやClaudeに「うちの会社が何屋なのか分からないので深掘ってほしい」と伝えると、10問20問ずつ質問を出し、答えの傾向を見ながら方向を変えて掘り下げてくれます。硯里宏幸は最終的に120問に答えました。出てきた結果が自己認知と同じでも、明文化されることで意思が固まります。

音声のボイスモードとチャット、どちらが向いていますか?

深掘りにはチャットです。ボイスモードは3問4問で「あなたはこんな性格ですよ」と結論を出してしまい、もっと質問してほしいと言っても切り上げられます。車中でのディスカッションには向きますが、自己分析のように問いを重ねたい用途では、チャット上で行うほうがはかどります。

SWOT分析やSTP分析も、自社だけでできますか?

できます。フレームワークに沿って質問してもらい、サービスを深掘ってもらう形で、ある種のコンサルティングを自社で行えます。さらにAIは頼まなくても「じゃあ事業の組み立てを始めようか」と自分の役割を判断して進めることもあります。

AIが出してきた事業計画は、そのまま使えますか?

鵜呑みにはできません。硯里宏幸がAIから受け取った提案も、根拠として示されたリンクを確認すると一方的な解釈で読み取られており、自分の事業を無理やり当てはめた内容でした。市場や顧客の解像度がないまま、表面をなぞった計画になりがちです。

ホームページ制作を依頼するとき、何を用意すればいいですか?

パンフレットだけを渡して丸投げにすると情報が足りず、その言葉に至った背景も伝わりません。AIとの対話で自社の強みや事業への思いを言語化したものがあると、制作側はより良いホームページを作れます。質問に答える形で用意しておくのがおすすめです。

メインMC

⁠硯里宏幸

株式会社アスターリンク 代表

https://www.aster-link.co.jp/

名古屋工業大学大学院 情報工学専攻 修了。新卒で富士通(現・富士通株式会社)に入社し、SEとして堅実なシステム開発・プロジェクトマネジメントに従事。その後、メガベンチャーのエイチームへ転職。Webエンジニアとして「ナビクル」等のバックエンド刷新を担当する傍ら、SEOの才能が開花。激戦ジャンルで検索1位を獲得し、コンテンツマーケティング部を統括する。2019年に独立。「Webは作品ではなく資産」をモットーに、エンジニアリングとマーケティングを掛け合わせた実践的なWeb集客コンサルティングを行う。

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纐纈智英

アストライド-Astride- 代表

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。

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