#24 イラストを「柔らかいから」で選んでいませんか? ── 企業の理念を映す鏡としてのイラスト
的場仁利
Mat N. Studio代表
メインMC
纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
MC
今日のテーマは「イラストを『柔らかいから』で選んでいませんか?──企業の理念を映す鏡としてのイラスト」です。前回予告のイラストレーション(イラスト)を、今回は歴史と文化の文脈で深く掘り下げます。多くの会社はパンフレットやウェブのイラストを「柔らかい感じがするから」だけで選んでいないでしょうか。的場さんが整理するのは、イラストの2つの源流──ヨーロッパの紋章から続く「理念の象徴(シンボル)」と、百科辞典の図版のように物事の仕組みを伝える「説明」。エッチング、ピクトグラム、漫画──どの歴史的トーンを纏わせるかで、伝わる誠実さの質が変わります。さらにストック素材(イラスト屋さん)の限界、ゆるキャラの罠(キャンペーンかブランドか)、的場さん自身のインハウスデザイナー時代の失敗談まで。「イラストは企業の理念を映す鏡」という視点から、デザインの判断軸を整えます。
このエピソードで話していること
- 前回予告のイラストレーション(イラスト)を、今回は歴史文化の文脈で掘り下げる
- 自社のパンフレット・ウェブのイラストを「柔らかい感じがするから」だけで選んでいないか
- イラストの源流は2つ──「理念の象徴(シンボル)」と「説明(図版)」
- ヨーロッパの紋章から続く、言葉を使わずに権威・在り方を伝える流れ
- 百科辞典の図版のように、物事の仕組みを正確に伝える説明の流れ
- タッチの選択(エッチング、ピクトグラム、漫画など)が「伝わる誠実さ」の質を変える
- イラストを企業の理念を映す鏡として捉える視点が、経営者には必要
- ストック素材(イラスト屋さん)は便利だが、他社と同じになる課題
- 書き起こすからこそ、自社らしさ・歴史との紐づきが宿る
- ゆるキャラの罠:行政の事務的イメージと可愛いキャラの強烈なギャップ
- ゆるキャラは「キャンペーン」、マーケティング(ブランド)ではない
- 的場さんのインハウスデザイナー時代、SNS+ゆるキャラで失敗した実体験
- 出口戦略(年50本の企画)がないまま、ゆるキャラ頼みで進めると中続きしない
- 版画タッチも重々しくない例(タケオの蝶のマーク)、サジ加減はアートディレクターの腕
- 次回はデザイン3要素のひとつ「文字(タイポグラフィ)」、知性の核を深掘り
こんな方におすすめ
- 自社のイラスト選定に明確な判断軸がほしい経営者
- ゆるキャラを作るか迷っている経営者・広報担当者
- イラスト屋さんなどの素材に頼り過ぎていると感じている方
- 自社ブランドに歴史文化の文脈を取り入れたい経営者
- デザイナーへのディレクション力を高めたい方
このエピソードからわかるQ&A
イラストを選ぶ基準は「柔らかい感じ」だけではダメなのですか?
的場さんは「柔らかいから」を判断基準にしている会社が多いと指摘します。それだけでは他社と同じになってしまうので、自社の理念や歴史文化の文脈に紐づくタッチ・スタイルを選ぶべきだと話します。イラストは単なる飾りではなく、企業の理念を映し出す鏡──そういう視点を持つことが経営者には必要だといいます。
イラストの「2つの源流」とは何ですか?
ヨーロッパの紋章から続く「言葉を使わずに権威や在り方を伝える象徴としてのイラスト(シンボル)」と、百科辞典の図版のように「物事の仕組みを正確に伝える説明としてのイラスト」の二つです。現代の経営においては、この両方の歴史を踏まえて、自社のイラストにどんな歴史的トーン(エッチング、ピクトグラム、漫画など)を纏わせるかを意識することが大切だといいます。
イラスト屋さんなどの無料素材を使うことは問題ですか?
ストック素材は便利でクオリティも高いですが、他社も同じ素材を使うため、それだけでは差別化になりません。自社の理念や歴史と紐づいたイラストを書き起こすことで、はじめて自社らしさが宿ります。素材を使うか書き起こすかは、目的次第で使い分けるべきだと的場さんは話します。
ゆるキャラを企業の顔として使うのはありですか?
ゆるキャラは行政や物産展のように「キャンペーン」として使うのには非常に有効ですが、企業の理念を表す「マーケティング(ブランドの基礎)」として使うのは慎重になるべきだと的場さんは語ります。会社のことを100%表現する必要があるブランドキャラクターと、賑やかしのキャンペーンキャラクターを混同するとうまくいきません。
社内に絵が得意な人がいる場合、その人にゆるキャラを作ってもらうのは?
SNS立ち上げのタイミングで「絵が上手な人にお願いしてゆるキャラを作る」と、企業のあらゆる場面に出てくる存在になりがちですが、出口戦略(年50本のコンテンツ企画など)がなければ中続きしません。的場さん自身のインハウスデザイナー時代の失敗談として、ゆるキャラ+SNSで「賑やかしているだけ」になり、結局やめた経験が語られています。
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メインMC
的場仁利
Mat N. Studio代表
https://japan-designers.jp/profile/1453/
タイポグラフィーの論客として、多数のデザイン書に携わる。高校でデザインを学び、大学で技術経営を専攻。営業職として年間1億円超の案件を担当した経験も持つ。現在は本・冊子・パッケージのデザイン、タイポグラフィ執筆を手がける傍ら、浮世絵・春画をモチーフにしたアートプロジェクト「艶絵グレース」のクリエイティブディレクターを務める。中部デザイン協会75年誌のブックデザイン・編集に携わるなど、デザインと経営の両面に精通。公益社団法人日本グラフィックデザイン協会会員、アドビ コミュニティエキスパート。
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纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。
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私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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