#25 フォントは会社の「声」になる ── 文字が宿す知性と品格
的場仁利
Mat N. Studio代表
メインMC
纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
MC
今日のテーマは「フォントは会社の『声』になる──文字に宿る知性と品格」です。デザインの本質を歴史・文化から辿るシリーズ、今回はいよいよ的場さんの核「タイポグラフィ」の概論です。文字は文明そのもの──私たちが毎日目にする文字の形には、何千年もの歴史が刻まれています。ヒゲ(セリフ)を持ち古代ローマの碑文に遡る「セリフ体(明朝体)」が伝統と権威を、飾りを削ぎ落とした「サンセリフ体(ゴシック体)」がモダニズムと機能を象徴する。Appleのロゴがガラモンドからサンセリフへ変わった理由、筆記具の歴史が生んだ「書体の正統性」、そしてフォントは会社の「声色(コワイロ)」だという視点まで。「なんとなくカッコいいから」で選ばないための判断軸を、的場さんが歴史的背景から解き明かします。
このエピソードで話していること
- デザインの本質を歴史・文化から辿るシリーズ、今回は的場さんの核「タイポグラフィ」の概論
- テーマは「文字に宿る知性と品格」。文字は文明そのものだと言える
- 私たちが毎日目にする文字の形には、何千年もの歴史が刻まれている
- セリフ体(明朝体に近い)は文字の端の小さな飾り「ヒゲ(セリフ)」を持つ。古代ローマの碑文にルーツがあり、伝統と権威の象徴
- サンセリフ体(ゴシック体)は飾りのない書体。産業革命以降のモダニズム、効率と機能の象徴
- Appleのロゴ変遷:Apple Computer時代はGaramond(セリフ体)、現在はサンセリフでモダンな印象に
- ヒゲの由来:石に彫る・万年筆で書くと線が次へつながり「ヒゲ」がつく。和文は筆のくさび形・押さえ・跳ねが明朝体になった
- ヒゲを「飾り」として削ぎ落とすとサンセリフ体・ゴシック体に。太くしやすく、可読性も機能のうち
- 「書体の正統性」:筆記具の歴史で古い・新しいが決まる。漢字の最古は亀の甲羅に刻んだ甲骨文字
- 文字(文字体系)が残るからこそ過去の歴史にアクセスできる。言語とは別に「文字」は重要
- フォントは会社の「声色(コワイロ)」=デザインにおける声。威厳を持って語るのか、親しみやすく語るのか
- 合理的な知性を示すならゴシック体。さらにその中のどれを選ぶかが問われる
- 「なんとなくカッコいいから」「他社がこうしてるから」で選ぶのが一番危険。メッセージと声色が不協和音になる
- 可読性(おもてなしの心)と企業の個性(記号性)の両輪を、歴史的背景から考える
こんな方におすすめ
- 社名やロゴ、資料のフォントを何となく選んでしまっている経営者
- 自社の「らしさ」を文字で伝えたい方
- セリフ体とゴシック体の使い分けを知りたい方
- ブランドの一貫性やトーンを整えたい方
- デザインの歴史的背景から判断軸を得たい方
このエピソードからわかるQ&A
セリフ体とサンセリフ体(ゴシック体)の違いは何ですか?
セリフ体は、文字の端に「ヒゲ」と呼ばれる小さな飾りが付いた書体で、和文の明朝体に近い印象を持ちます。古代ローマの碑文にルーツがあり、伝統と権威の象徴とされます。一方サンセリフ体(和文のゴシック体)はその飾りを削ぎ落とした書体で、産業革命以降のモダニズムから生まれ、効率と機能を象徴します。
なぜ書体に「正統性」や歴史があるのですか?
書体の形が、筆記具の歴史と深く結びついているからです。石に彫る、万年筆で書くと線が次へつながって「ヒゲ」が生まれ、和文では筆のくさび形や押さえ・跳ねが明朝体の形になりました。漢字の最古は亀の甲羅に刻んだ甲骨文字です。こうした「筆記具の古い・新しい」が、そのまま書体の正統性として語られます。
「フォントは会社の声」とはどういう意味ですか?
フォントはデザインにおける「声色(コワイロ)」だと的場さんは表現します。実際に音は出ていなくても、威厳を持って語りかける口調なのか、親しみやすく語りかける口調なのか、合理的な知性を示すのか──といった「声のトーン」を視覚的に作り出すのがフォントです。社名や資料のフォントは、会社がどんな声で語りかけるかを決めている、と捉えられます。
フォントはどう選べば失敗しないのでしょうか?
一番避けたいのは「なんとなくカッコいいから」「他社が使っているから」という選び方です。それではメッセージと声色が一致せず、不協和音(ノイズ)になってしまいます。自社がどんなメッセージを、どんな声で伝えたいのかを軸に、書体の歴史的背景を踏まえて選ぶことが大切です。可読性(読みやすさ)と企業の個性(記号性)の両輪で考えてください。
Appleのロゴのフォントはどう変わったのですか?
Apple Computer社と名乗っていた時代のロゴはGaramond(ギャラモンド)というセリフ体でした。現在のAppleはサンセリフ体を採用し、より現代的でモダンな印象に変わっています。これは、伝統や権威を感じさせるセリフ体から、効率と機能を象徴するサンセリフ体へと、企業が伝えたい「声色」が移り変わった一例だと言えます。
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メインMC
的場仁利
Mat N. Studio代表
https://japan-designers.jp/profile/1453/
タイポグラフィーの論客として、多数のデザイン書に携わる。高校でデザインを学び、大学で技術経営を専攻。営業職として年間1億円超の案件を担当した経験も持つ。現在は本・冊子・パッケージのデザイン、タイポグラフィ執筆を手がける傍ら、浮世絵・春画をモチーフにしたアートプロジェクト「艶絵グレース」のクリエイティブディレクターを務める。中部デザイン協会75年誌のブックデザイン・編集に携わるなど、デザインと経営の両面に精通。公益社団法人日本グラフィックデザイン協会会員、アドビ コミュニティエキスパート。
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纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。
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私たちアストライドは、経営者のインタビュー映像の制作に圧倒的な強みを持っています。
課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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