#38 うちの仕事は、いくつの工程でできているか ── AI導入の前にやる棚卸し
硯里宏幸
メインMC
纐纈智英
MC
今日のテーマは「AIを業務のどこに組み込むか」です。前回は、AIに置き換わることを前提に準備しておこうという話でした。今回はその具体的な始め方。硯里宏幸さんが挙げるのは、仕事の流れを工程に分解し、さらにサブ工程まで割っていく作業です。検査の現場をひとつ分解してみると、AIに任せられる場所と、そのおかげで働ける人が増える場所が見えてきます。
このエピソードで話していること
- AIを業務に組み込もうとすると、必ず「どこに組み込むか」が論点になる。そこで要るのが、仕事の流れを工程として分解し、その中のサブ工程までさらに割っていく作業。まず「自社の仕事の区別がついていますか」という問いから始まる
- 硯里宏幸さんが挙げる例は製品の検査。ピックアップする/傷をチェックする/不良の箱に入れる、の三工程に分かれる。老眼だと傷を見抜きにくいが、目の力が要るのはチェックの瞬間だけ。そこをAIに置き換えれば、シニアの方がピックアップと箱入れを担える。携われる人の範囲が一気に広がり、採用できる人材まで変わってくる
- 工程分解と対になるのが「出力に何を求めるか」の定義。適当に見て傷がなければOKではなく、正面・背面・側面・上面・底面をどう見るか、傷にどんなパターンがあり得るか、何回チェックして見つからなければOKとするか。この精度が定義できているほどAI化が進む
- 結局はアルゴリズムと同じで、手続き型の処理、if文の分岐、終了条件、繰り返し。だからアルゴリズム力が求められ、その勉強はなくならない。特に二重ループ(繰り返しの中の繰り返し)でつまずきやすく、そこを突破できればアルゴリズムを考えられる人材になる。外部に任せると結局コンサルに工程をヒアリングされるだけなので、自社でやったほうがいい
- 硯里さん自身の事例は、デザインからHTMLを起こす作業の自動化。長いファイルを渡すとAIは解像度を落として読み、後半ほど雑になると分かった。そこで作業を分割して渡し、それでもミスリードする部分は全自動を諦めて、AIに任せる範囲と人が担保する範囲の妥協点を決めた。結果、2〜3日で実用的なツールができた。大発見ではないからこそ各社が同じことを淡々とやっていて、それを表に出さず競争力にしている
こんな方におすすめ
- AIを入れたいが、自社のどこから手をつければいいか決めかねている経営者
- 人手不足の現場で、働ける人の範囲を広げたいと考えている
- AI化の相談を外部にすべきか、自社でやるべきか迷っている
- AIに任せた作業の品質が安定せず、使いどころを見失っている
- 議事録やメール処理など、身近なところから試したい
このエピソードからわかるQ&A
AIを業務に入れるとき、最初に何をすればいいですか?
仕事の流れを工程に分解することです。さらにその中のサブ工程まで割っていくと、AIに任せられる部分と人が担う部分の境目が見えてきます。検査工程なら「ピックアップする」「傷をチェックする」「不良箱に入れる」の三つに分かれます。
工程を分解すると、どんな効果がありますか?
携われる人の範囲が広がります。傷のチェックには目の力が要りますが、必要なのはその瞬間だけです。そこをAIに任せれば、老眼で検査が難しかった方もピックアップと箱入れを担えます。結果として、採用できる人材の幅まで変わります。
AIに任せる作業の品質を安定させるには?
出力に求める精度を先に定義することです。正面・背面・側面・上面・底面をどう見るか、傷にどんなパターンがあり得るか、何回チェックして見つからなければOKとするか。ここが決まっているほどAI化は進みます。
AI導入の相談は、外部に任せたほうがいいですか?
外部に任せると結局はコンサルティングになり、自社の工程をヒアリングされます。同じことをするなら自社でやったほうがよく、そのときに要るのがアルゴリズム力です。特に繰り返しの中に繰り返しが入る二重ループでつまずきやすい部分です。
AIにコードを書かせると、途中から雑になるのはなぜですか?
長いファイルを渡すと解像度を落として読むためで、後半ほどその傾向が強く出ます。作業を分割して渡し、全自動を諦めてAIに任せる範囲と人が担保する範囲の妥協点を決めると、実用的な精度になります。
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メインMC
硯里宏幸
株式会社アスターリンク 代表
名古屋工業大学大学院 情報工学専攻 修了。新卒で富士通(現・富士通株式会社)に入社し、SEとして堅実なシステム開発・プロジェクトマネジメントに従事。その後、メガベンチャーのエイチームへ転職。Webエンジニアとして「ナビクル」等のバックエンド刷新を担当する傍ら、SEOの才能が開花。激戦ジャンルで検索1位を獲得し、コンテンツマーケティング部を統括する。2019年に独立。「Webは作品ではなく資産」をモットーに、エンジニアリングとマーケティングを掛け合わせた実践的なWeb集客コンサルティングを行う。
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纐纈智英
アストライド-Astride- 代表
「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。
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アストライドは、代表・纐纈が200社以上の経営者インタビューで培ってきたノウハウと対話力を軸に、BtoBマーケティングの視点からクライアント様それぞれのステージに合わせた各種クリエイティブをご提案・制作します。

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