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Webマーケティング特捜部 2026.10.22 14分30秒

#43 AIで継ぎ足したシステムは、後から直しにくい ── 将来のバージョンアップに備えるデータの持ち方

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⁠硯里宏幸

メインMC

纐纈智英

MC

今日のテーマは「AIとシステム開発」です。AIに頼むと、見た目の整ったシステムが短い時間でできあがるようになりました。システム開発を本業にしてきた硯里宏幸さんは、その手軽さを認めたうえで、年月がたってバージョンアップするときに問題が出やすいと話します。後から要件を足していくと、データの持ち方が継ぎはぎになるためです。纐纈智英が行政で100万件の住民データに触れた経験も交えて、本番で使う前に確かめたいことを聞きました。

このエピソードで話していること

  • 硯里さんは、SNSの投稿画像やチラシのデザインをAIで作ることには疑問を持たずに使えると話す。システムもAIに頼めば今どきの作り方で、見やすい画面のものが早く出てくるため、できた直後の満足度は高い。硯里さんがもやもやするのは、そのシステムを年月をかけて使い続けたときに起きることだという
  • ToDo管理アプリを例にすると、最初に作ったあとで「他人のToDoは見せたくない」「共有したい」「ファイルを添付したい」と要件を後から足していくことになる。全体を見渡した設計がないまま足すと、添付ファイルが他人から見えてしまったり、権限を足したときに過去の利用者の扱いが決まっていなかったりする。修正を頼んでもAIが言うことを聞きにくく、バージョンアップのときにデータが消えることもありうると硯里さんは話す
  • 纐纈は、家を建てる途中で増築を重ねる状態にたとえた。硯里さんは、作り直すこと自体も手段の一つで、試作品として作るのはよいとしたうえで、試作の状態のまま本番として世に出すことに懸念を示した。システムには処理の部分とデータの持ち方の2つがあり、目が向きやすいのは処理だが、後から直しにくいのはデータの持ち方だという
  • 纐纈は名古屋市役所から愛知県後期高齢者医療広域連合へ出向していたころ、100万件の住民データをSQLやAccessで扱い、データベースの持ち方を考えさせられた。住所を「名古屋市瑞穂区下山町」のように文字で持つか、市・区・町をコードで持つかは、どちらかに決める必要がある。両方を持つとどちらが正しいかの問題が起き、後から誰も直せない負債になると硯里さんは話す
  • データの持ち方を判断するには、リレーショナルデータベースの基礎知識が要る。硯里さんは、試作までは自分でAIを使って作り、本番で使う前にはエンジニアの目を持つ人にデータベースと処理の中身を確かめてもらうことを勧める。何度も追加を頼んだシステムは、二重線と判子だらけの契約書のようになる。その点を分かったうえで、用法用量を守って使う分には大いにありだという

こんな方におすすめ

  • AIを使って、自社の業務用のシステムやアプリを作り始めている
  • AIで作ったシステムを、そのまま社内や取引先に使ってもらってよいか迷っている
  • システムに後から機能を足していくうちに、動きが不安定になった経験がある
  • データベースの設計を、専門家に確かめてもらうべきか判断したい
  • システム開発会社に頼む場面と、自分でAIを使う場面を切り分けたい

このエピソードからわかるQ&A

AIで作ったシステムは、どんなときに問題が出やすいのですか?

硯里宏幸さんは、できた直後より、年月がたってバージョンアップするときに問題が出やすいと話しています。最初に作ったあとで「ファイルを添付したい」「権限を分けたい」と要件を後から足していくと、全体の設計がないまま継ぎはぎになるためです。修正を頼んでもAIが思いどおりに直してくれなかったり、データが消えたりする可能性があります。

システムの「データの持ち方」とは何ですか?

データベースの中に、どの情報をどんな形で保存するかの決め方を指します。硯里さんによると、システムには処理の部分とデータの持ち方の2つがあり、目が向きやすいのは処理のほうです。いったんデータを持ってしまうと後から直しにくいため、硯里さんはデータの持ち方こそ大事だと話しました。

住所のデータは、どう持てばよいのですか?

「名古屋市瑞穂区下山町」のように住所を文字で持つか、市・区・町をそれぞれコードで持つかを決め、どちらか一方で持つことです。硯里さんは、両方を持つとどちらが正しいかの問題が起き、後から誰も直せない負債になると話しました。名古屋市役所から愛知県後期高齢者医療広域連合へ出向していた纐纈智英も、100万件の住民データを扱ったときにデータベースの持ち方を考えさせられたと振り返っています。

AIで作ったシステムを、本番で使ってもよいのですか?

硯里さんは、AIで素早く作れること自体を高く評価しています。そのうえで勧めるのが、試作までは自分でAIを使って作り、本番で使う前にエンジニアの目を持つ人にデータベースと処理の中身を確かめてもらう進め方です。その点を分かったうえで、用法用量を守って使う分には大いにありだと硯里さんは話しました。

本番で使う前に確かめてもらうには、どんな知識が要りますか?

硯里さんによると、データの持ち方を自分で判断するために要るのは、リレーショナルデータベースの基礎知識です。ITパスポートの資格で学べる範囲ですが、そこまで身につけるにはエンジニアに近い勉強が要ります。そのため硯里さんは、本番で使う前に、エンジニアの目を持つ人に確かめてもらうよう勧めました。

メインMC

⁠硯里宏幸

株式会社アスターリンク 代表

https://www.aster-link.co.jp/

名古屋工業大学大学院 情報工学専攻 修了。新卒で富士通(現・富士通株式会社)に入社し、SEとして堅実なシステム開発・プロジェクトマネジメントに従事。その後、メガベンチャーのエイチームへ転職。Webエンジニアとして「ナビクル」等のバックエンド刷新を担当する傍ら、SEOの才能が開花。激戦ジャンルで検索1位を獲得し、コンテンツマーケティング部を統括する。2019年に独立。「Webは作品ではなく資産」をモットーに、エンジニアリングとマーケティングを掛け合わせた実践的なWeb集客コンサルティングを行う。

MC

纐纈智英

アストライド-Astride- 代表

「左脳と右脳のハイブリッド」を武器に、人の心の深層に迫るインタビュアー。行政職員として12年間、予算編成や徴収業務に従事した論理性と、音楽コンテストでグランプリを受賞した芸術的感性を併せ持つ。Adobeコミュニティエキスパートとして活動。これまでに200社以上の経営者インタビューを重ね、本人すら気づいていない「言葉にならない想い」を引き出し、ひとつの物語として残してきた。

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